今週の週刊 Life is Beautiful : 2月28日号

今週号のメルマガ「週刊 Life is Beautiful」の配信準備が出来たので、簡単に内容を紹介する。

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今週のざっくばらん

家でサッカーの試合を見ている時に、誰かから電話がかかって来た「今、何をしているの?」とたずねられたら、多くの人は「サッカーを見ていた」と答えると思います。「テレビを見ていた」と答える人もいるとは思いますが、少数だと思います。一方、買ったばかりの iPad に Angry Bird というゲームをインストールしていて遊んでいた場合はどうでしょうか?この場合は「Angry Bird で遊んでいた」という人は逆に少ないと思います。大半の人は「(買ったばかりの)iPad で遊んでいた」と言うでしょう...

私の目に止まった記事

Positioning to Win: The Secret Power of a Point of View

とてもすばらしい記事なので、ぜひとも読んでいただきたいと思います...

Spotify’s secret to adding 8,000 paying subscribers a day

Real Networks の Rob Glaser は個人的にも知り合いだし...

T-Mobile punished by lack of iPhone 4S, as customer losses mount in Q4

T-Mobile の契約者数が減っているのは、iPhone 4S 欲しさに AT&T や Verizon へ移行するユーザーが...

Foxconn to Raise Salaries for Workers by Up to 25% - NYTimes.com

Apple 製品を製造していることでも知られる Foxconn。しばしば人権問題で...

How Target Figured Out A Teen Girl Was Pregnant Before Her Father Did

ターゲットからの妊婦服のカタログが家に送られて来たのがきっかけで妊娠が親に...

Nielsen: 66% of Americans ages 24-35 own a smartphone

米国では、若くて収入が多い人ほどスマートフォンを持っている...

Windows95誕生ものがたり(11):David Cole

「こんな気持ちになったら、もう止められない私である。さっそく、David Cole のオフィスのある Building 2に足を運んだ。」David Cole の部屋にいきなり押しかけた私は、ミーティングばかりしているCairoプロジェクトは私の性に合わない事、David が率いる Chicago チームが新しい OS を出すのであれば、ぜひとも協力したいと力説した...

エンジニアのための経営学
Stock Option(1)

今回は、米国でベンチャー企業を経営する際にとても重要な Stock Option について書いてみたいと思います。その中でも上場前のベンチャー企業で社員に対して発行する Stock Option は、正確には Incentive Stock Option (ISO)と呼ばれるもので、ベンチャー企業運営にとってはなくてはならないぐらい重要なものです。ただし、ISO の価値を理解するには、株式市場で取引されている Stock Option についての理解が必須なので、まずはそれから説明します...

ブログには書けない話・書かない話
私が Internet Explorer の開発に関った理由: その15

Trident チームが作っていた HTML レンダリング・エンジンの Internet Explorer 4.0への の採用が決まると同時に、Windows Shell/IE チームにTrident チームを吸収合併することが決まった。吸収合併とは言え、どちらも40人弱というほぼ同じサイズだったため、どちらのチームの開発マネージャーが合併した後の開発マネージャーになるべきかが問題となった...

読者からの質問コーナー

こんな質問が来ていました。

メルマガや書物などを通じてファイナンスの知識をつけることは可能ですが、それが実務で役に立つものになるかというと疑問です。もちろん、知っていると全く知らないとの差はあるとは思いますが。例えば、出世したり自分で会社を興したりと、人生のあるフェーズで突然ファイナンス実務力の必要性に迫られる前に、エンジニアといえど多少のファイナンス実務力を身につけておきたいものです。そのためには何をすればよいでしょうか?

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今週の週刊 Life is Beautiful : 2月21日号

今週のメルマガ「週刊 Life is Beautiful」の配信準備が整ったので、以下に簡単に内容を紹介する。

 

今週のざっくばらん

Neu.Notes+ (4)

neu.Notes+ や neu.Annotate+ には、「スタンプ」というパワーポイントのクリップアートに相当するような機能がありますが、先週はそれを「カラー・スタンプ化」する作業をしました。しばらく前から効率良く実装する方法を探していたのですが、Apple の "Quartz 2D Programming Guide" を読み返したところ...

私の目に止まった記事

Apple, America and a Squeezed Middle Class

長い記事ですが、ぜひとも...

Windows95誕生ものがたり(10):Jim Allchin

たまたま部屋にいて、私を向かい入れてくれた Jim Allchin に、私はたまっていた不満をぶちまけた。頭でっかちのサイエンティストばかりが増えて、ミーティングばかりしていて、いつまでたってもコードが書けない事。Cairo を差し置いて Chicago が別の OS を出すなど許せない事。Kurt を筆頭に三人の OOSH のエンジニアを Chicago に移籍させたことが理解できないこと、などである...

エンジニアのための経営学
Board Meeting

ここまで、Corporate Governanceだとか、Financial Statements について書いて来ましたが、ここで応用編として、私が創業した UIEvolution Inc. を例として、実際の米国の企業の Board Meeting (取締役会議)の様子を書いてみたいと思います...

ブログには書けない話・書かない話
私が Internet Explorer の開発に関った理由: その14

そんな経緯で、Trident チームを Internet Explorer/Shell チームに吸収することになり、Internet Explorer 4.0 の開発は一気に本格化した。私自身は、Internet Explorer 3.0 向けに開発したブラウザーのUI部分と Trident を結合するという開発作業にさっそく取りかかった...

読者からの質問コーナー

今日は、この質問に答えたいと思います。

私の上司(元ネットワーク屋)はよく、プログラム変更はかまわないが、かならずドキュメンテーションを残し、リリース前に第3者に審査してもらうように、命令します。その意図は、間違いをなくしていくことであり、同意できます。 そこでソフトウェアのドキュメンテーションとして、何を残せば今後の担当者にとって一番いいのか、自分なりに考えているのですが、答えが見つかりません。

ドキュメンテーションに限った話ではありませんが、仕事を効率良くするためには「なぜそれをするべきか」を良く考え、理解した上でする必要があると私は考えています...


今週の週刊 Life is Beautiful : 2月15日号

メルマガ「週刊 Life is Beautiful」の今週号の配信準備が整ったので、下に概要を紹介する。今週から、少し編成を変えて、「今週のざっくばらん」というコーナーと「私の目に止まった記事」というコーナーを追加した。

今週のざっくばらん

先週の火曜日に、まぐまぐの大川さんとロスで会いました。その時に「有料メルマガと従来型メディアの違い」のような話になったときに大川さんが使ったのが、「従来型メディアのコンテンツが冷凍食品であれば、メルマガはシェフが家まで来て料理してくれる特別料理」という言葉。「するどい言葉だな」とも思いましたが、同時に思ったのが「私もまだメルマガというメディアの本当の力を20%も活用できていない」ということ。メルマガならではの「双方向メディア」を目指すとは宣言していながら、あいかわらず従来型のコンテンツの作り方に私自身が縛られていることに気付かされました...

私の目に止まった記事

「今週のざっくばらん」と同じく、これも新しいコーナーです。私の目に止まった記事の中で、業界で働く社会人、業界を目指す学生の方々にはぜひとも読んでいただきたい記事を取り上げます。

The iPhone is a nightmare for carriers

これは iPhone が通信事業者にとってどんな存在かとても分かりやすく解説した記事なのでぜひとも...

Windows95誕生ものがたり(9):Cairo

そこでさっそく、Cairo と Chicago の二つのチーム間でミーティングが開かれる事になった。Cairo が出るまでの「中継ぎの役割」を果たす Chicagoという OS が、Cairo の目指している方向と異なる方向に進んでしまっては、つじつまが合わなくなってしまうので、それを調整しようという話し合いである...

エンジニアのための経営学
Finantial Statements

ここまで話して来た Balance Sheet (貸借対照表)や Income Statement (損益計算書)は、会社の状態を把握するのにとても重要なものである。そのため、公開企業(株式を上場させて、一般の人たちが自由に株を売買できるようにしている企業) は、四半期ごとにこれらの情報(Financial Statements=財務諸表)を公開することが義務づけられている...

ブログには書けない話・書かない話
私が Internet Explorer の開発に関った理由: その13

そんな理由で、私がアフリカでチータの家族がシマウマに襲いかかるのを見ている間に Internet Explorer 3.0 はリリースされた。それまでは、シェアが10%以下と Netscape に完全に封じ込まれていたマイクロソフトが 、一気にシェアを80%まで延ばして Netscape を叩きのめした戦いの幕が切っておろされたのだ...

読者からの質問コーナー

今日は、この質問に答えたいと思います。

1/31のメルマガ『私がInternet Explorerの開発に関った理由: その11』において、「同じマイクロソフト内部でも、トップクラスのエンジニアとそうでないエンジニアの生産効率は数倍~数十倍あった」と書いておられます。

確かに私の職場でも、ソフトウェアに携わる人の生産効率は人により20倍くらいの差があるように見受けられます。しかしながら、ソフトウェア以外の分野、例えば電子回路の開発設計や機構設計などにおいては、これほど顕著な差はないようです。なぜ、ソフトウェア開発において、これほどの差が出るのでしょうか?

この問題に関しては長年私も考えて来ましたが、私なりの説明は「ソフトウェアの開発は、数学の応用問題を解くのに似ている」というものです...


今週の週刊 Life is Beautiful、2012年2月7日号

メルマガ「週刊 Life is Beautiful」の配信準備が出来たので、簡単に内容を紹介する。

まえがき

New York Times に「In China, Human Costs Are Built Into an iPad」という記事が掲載されました。少し誇張している部分もあるとは思いますが、これは単に中国の労働者の労働環境だけの問題ではなく、「米国で設計し、中国で製造する」という21世紀型の製造ビジネスの根幹に関わる問題を良く表しています...

Windows95誕生ものがたり(8):Cairo

Jim Allchin が「Bill Gates のお墨付き」とともに持って来た落とし穴とは、Cairo の戦略的な重要性ゆえの莫大な予算であった。わずか30人ほどで始まった Cairo プロジェクトが、半年もたたないうちに倍以上の100人近くに膨れ上がったのだ。それも、Stanford や MIT でユーザーインターフェイスの研究をして来た博士号を持つ賢い連中を大量に雇いはじめたのだ...

エンジニアのための経営学
Income Statement (1)

Balance Sheet(貸借対照表)は「ある時点での企業の財務状態を示す表」で、企業は四半期の終わりや年度末などの節目(=期末)ごとに Balance Sheet を計算して発表する。書き貯めて来た Journal Entry (仕訳)を元に期末に Blance Sheet を計算することを「決算(settlement of account)」と呼び、その期間のことを「決算期(accouting period)」と呼ぶ...

ブログには書けない話・書かない話
私が Internet Explorer の開発に関った理由: その12

そんな経緯で、Internet Explorer と Windows Explorer の融合が Windows 97 (最終的には Windows 98)の主要な機能となることが決まったので、私の仕事はとてもやりやすくなった。私から見れば、この時点で、Internet Explorer チームと Windows のシェルチームはほぼ合体することに決まったようなものだったので、シェルチームのエンジニアに Internet Explorer 3.0 のための仕事をしてもらうことがとてもやりやすくなったのだ...

読者からの質問コーナー

読者の一人の方から、Twitter 経由でこのようなコメントをいただきました。

中島聡さんの1月分メルマガを読み終わった。メルマガの内容を人と話し合いたい。でもメルマガは取っている人自体はまだまだ少ないし、読んでいる人たちと繋がる事はできるが相手を知らない。そしてメルマガ自体を公開する事わけにはいけない。うーん、これをどうにか解消できないのかなー。

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今週の週刊 Life is Beautiful : 1月31日号

メルマガ「週刊 Life is Beautiful」の配信準備ができたので、簡単に内容を紹介する。

まえがき

先週私が一番注目したニュースは、やはりアップルの決算発表でした...飛ぶ鳥を落とすような勢いの iPhone ですが、ライバルとして私が一番期待しているのは、Nokia の Lumina 900 です... 

Windows95誕生ものがたり(6):組織替え

Smalltalk で作った「次世代OS」のプロトタイプがPDC(Professional Developer's Conference)であれだけの評価を受け、私は「これで行ける」という強い感触を得ていた...私から見れば、それを「プロダクトとしてC++で実装する」のが次のステップであった...しかし、...

エンジニアのための経営学
Balance Sheet (4)

ある時点での会社の財務状態を表すのが Balance Sheet (貸借対照表) だということをここまで説明して来ま...企業がさまざまな経済活動をすると、Balance Sheet 上のさまざまな数値が変化するが、その変化を Balance Sheet に反映して行く際に使うのが Journal Entry (仕訳) である...

ブログには書けない話・書かない話
私が Internet Explorer の開発に関った理由: その11

当時 Windows チームのプログラム・マネージメント・チームを率いていたのは Joe Belfiore であった。Joeは今でもマイクロソフトで働いていて、現在は Windows Mobile のプログラム・マネージメント・チームを率いている。最近は良くプレゼンもするようになったので、顔を見たことがある人も多いと思う(参照)...

読者からの質問コーナー

今週は以下の質問をとりあげたいとおもいます。

プログラミングを学び始める際には、どの言語から、またはどの順序で学んでいくのが良いのか...



今週の週刊 Life is Beautiful : 1月24日号

メルマガ「週刊 Life is Beautiful」の1月24日号。配信の準備ができたので、簡単に中身を紹介する。

まえがき

皆さんご存知のように、先週の19日、アップルが iBook2、iBooks Author、iTunes Uの発表をしました。音楽業界にもたらしたような「大革命」を一夜でもたらすような話ではありませんが、単に教育関係の出版社との電子出版の話だけではなく、学校の先生も含めた教育関係の人たちが誰でも簡単に教材を作れるようにと iBooks Author を無料で配布したことはとても高く評価出来ると思います...

Windows95誕生ものがたり(5):Vaporware

まさか1000人近い観客の見ている前でプレゼンをすることとは夢にも思っていなかった私だが、いまさら断るわけにはいかない。「やるだけやってみるしかない」と自分に言い聞かせるしかなかった。...社外向けにこんなものを見せて良いものかという不安もあったが、いまさらシナリオを変えるわけにはいかない。...

エンジニアのための経営学
Balance Sheet (3)

それでは、実際の企業のバランスシートを見てみることにする。比較のために、ソニーとアップルのものを比べてみよう(単位は百万ドル)...つまり、バランスシートを見ただけでも、アップルが無借金経営で流動性の高い資産を抱え、ソニーが多額の借金を抱えている上に資産の流動性が低い、という大きな違いが見えて来るのである。

ブログには書けない話・書かない話
私が Internet Explorer の開発に関った理由: その10

そんな形で私が、Jeremy と 二人で IE 3.0 を作っている間にも、Internet Explorer チームは、IE 2.0 の開発に追われていた。...後に、米国政府から独禁法で訴えられ、Microsoft を数年間に渡る裁判に巻き込むことになった「Internet Explorer と Windows Explorer の融合」というアイデアは、そんなきっかけで生まれたのであった。私が「Internet かぶれ」になっていなければ当然生まれなかったアイデアだし...

読者からの質問コーナー

...ちなみに、私の住むシアトルは、「地方都市」としてとても良いバランスを持った都市だと思います。日本で言えば、仙台や札幌に相当する様な地方都市で、自然に恵まれて住環境も整っています。しかし同時に、マイクロソフト、ボーイング、アマゾン、スターバックス等のグローバル市場で戦う企業がいくつも有り、...

 


今週の週刊 Life is Beautiful : 1月17日号

今週号の「週刊 Life is Beautiful」の配信準備ができたので、簡単に内容を紹介する。

Windows95誕生ものがたり(5):プレゼン

SmallTalk のレフレクションを駆使したアーキテクチャのおかげで、「次世代OS」のプロトタイプの開発は順調に進み、約6ヶ月後(90年の終わり)には、かなり形になって来ていた。アプリケーションが自由に拡張できるコンテキスト・メニュー、二つの異なるタイプのオブジェクト間のドラッグ&ドロップ、アプリケーションがタブを追加できるプロパティ・シートなど、後にWindows95に採用されることになる多くの機能が実装されたOSのプロトタイプであった...

エンジニアのための経営学
Balance Sheet (2)

それでは、Balance Sheet に関してもう少しイメージを掴みやすいように、会社を自己資金100万円で設立した場合に Balance Sheet がどうなるかを見て見よう。会社を登記し、銀行口座を作り、100万円を自分の口座からその口座に振り込んだと仮定する...

ブログには書けない話・書かない話
私が Internet Explorer の開発に関った理由: その9

以上のような経緯で、Jeremy がInternet Explorer 2.0を元にした「HTMLビューアー」を、そして私がその「ブラウザー・フレーム」を作ることで始まった Internet Explorer 3.0 のプロジェクト。Internet Explorer 2.0 の開発がまだ終わっていなかったために主要なメンバーはそちらにかかり切りで、たった二人で開発を進めることができたのは、大人数での開発が不得意な私にとっては幸いであった...この時点ではは私自身、あまり強く意識してはいなかったのだが、この時に採用したアーキテクチャが、後に Internet Explorer と Windows Explorer を融合させた、Windows 98 のベースになったのである...

読者からの質問コーナー

読者の一人の方から、こんな質問が来ていました。

...しかしTachCrunchなどで西海岸のベンチャーの成功例を紹介する記事などを読んでいますと、そのほとんどが開発の初期段階で投資家から資金を得て優秀な人員を増やし開発を急加速させるているような話ばかりがでています。シリコンバレーのWebやスマートフォンアプリビジネスの世界では私たちのようなアプローチは幼稚なものなのでしょうか?それとも成功例に出てくるようなベンチャーでも投資を入れる前の段階では我々と同じような地道なアプローチを繰り返していたのでしょうか?また我々もサービスがある一定のユーザーに使ってもらえるようになった時にいつかは今のアプローチを変えなければ行けない時がくるのでしょうか?

もっともな悩みだと思います。結局のところは「最終的に何を目指すのか」「そのゴールの達成のためにどのくらいのリスクをおかす気構えがあるのか」によって答えは変わって来ると思います。「あまり大きなリスクはとらずに、地道でも良いので、着実にユーザーと売り上げを増やしたい」のであれば今のアプローチのままでも全く問題はないと思います。「大勝負」をする気持ちもないのに投資家からお金を集めても、あなた自身も投資家も不幸になるだけです...


週刊 Life is Beautiful 2012年1月10日号

去年の8月に書きはじめた「週刊 Life is Beautiful 」。ブログとはひと味違う読者とのコミュニケーションが成立するのがメルマガならではの良さだ。以下が今週号の内容の抜粋。

Windows95誕生ものがたり(4):Smalltalk

そんな事情で、「次世代OSのユーザーインターフェイス」のプロトタイプを作ることになった私だが、開発環境として選んだのは OS/2 上で動く Smalltalk/V であった...Smalltalk の一番の特徴であるリフレクションを駆使すれば、OSの開発フェーズとOSの実行フェーズを融合させ、「開発終了後も、ユーザーの手元で進化し続けるOS」が作れるのである...

エンジニアのための経営学
Balance Sheet(1)

...例えばAppleの場合だと、純資産は2011年の9月末の時点で約 $78 billion だが、株価総額は $350 billion を越している。これは、投資家が「Apple という会社はこれからも利益を生み出し続ける」と予想しいるからである。それに対して、Sonyの場合、純資産が約 $30 billion なのに対し、株価総額は約 $18 billion と逆転してしまっている。この状態は、投資家がSonyの経営陣に失望しており「このまま営業を続けるよりも、ただちに解散して資産を売却した方がまし」と考えていることを意味している...

ブログには書けない話・書かない話
私が Internet Explorer の開発に関った理由: その8

...Jeremy は私のアプローチは「やっつけ仕事」だと批判するが、Ben や Office チームが期待していたスケジュールに間に合わせるには、この方法しかないことは明らかで、結局 Jeremy は折れることになった。約1年後にリリースされ、ライバルの Netscape に大打撃を与えることになった Internet Explorer 3.0 のアーキテクチャは、この瞬間に決まったのである...

読者からの質問コーナー

...興味深い例が、Adobe Flash の進化です。Flash は当初、「非言語系開発環境」として「非プログラマー」であるデザイナーたちにとても評判でした。プログラムを書かずとも、タイムライン上のオブジェクトの挙動を記述するだけで、簡単な「Flashアプリ」を作ることが可能だったからです。しかし、「より複雑なアプリケーションをFlashで作りたい」というユーザーの意見を聞いてスクリプト言語を拡張して行くうちに、非プログラマーには使いこなす事が難しい「プログラミング環境」になってしまいました...

...これを読んで感じたのは「同じインターンシップでも会社によってずいぶんと違う」という印象です。UIEvolution(米国)でも UIE ジャパン(日本)でもインターンを積極的に採用していますが、一番の目的は「人材の発掘」です...



今週の週刊 Life is Beautiful : 12月20日号

今週号の「週刊 Life is Beautiful」の配信準備ができたので、各セクションの冒頭の文章を紹介する。

◇ ◇ ◇

先週はその前の週に引き続いて neu.Chat の開発に主に時間を費やした。自分のキャンバスと相手のキャンバスの両方を同時に表示しなければならないので、画面の小さい iPhone では UI の配置が悩ましいが、半透明のツールバーとステータスバーを使って、... 

Windows95誕生ものがたり(2):オブジェクト指向シェル

私がマイクロソフトのレドモンド本社に移籍したのは1989年の10月である。1986年に日本のマイクロソフト(MSKK)に入社して以来、機会を見つけては「本社で働きたい」とリクエストし続けて来た願いがようやくかなったのだ...

エンジニアのための経営学
Inventory Turnover(1)

今回は、Appleの新CEO Tim Cook に関するとても良い記事を見つけたので、これの解説をする。

Apple Turnovers Win The Tech Bake-Off

90年代の終わりに倒産寸前にまで追い込まれながら、iPod、iPhone、iPad と文字通り「人々のライフスタイルを変える」デバイスを出し続けて...

ブログには書けない話・書かない話
私が Internet Explorer の開発に関った理由: その6

ここまで述べて来た様に、Windows 95をリリースした後に私が最初に作ったソフトウェアは、すべてのWindowsマシンに常駐させて P2P 通信をさせるための、軽量 HTTP サーバーであった。残念なことに正式なプロダクトとしてリリースすることは出来なかったが、これが私の最初の「インターネットとの出会い」であり、その過程で学んだことは、その後の仕事に多いに役に立った...


週刊 Life is Beautiful、2011年12月13日号

今週号の「週刊 Life is Beautiful」の配信準備ができたので、各セクションの冒頭の文章を紹介する。今週の目玉は、新連載「Windows95誕生ものがたり」。時系列的には、もう一つの連載「私が Internet Explorer の開発に関った理由」よりも前のものになるが、Salt Lake City での裁判のおかげで色々と面白いエピソードの記憶が戻って来たので書いてみる事にした。

まえがき

私は年に数回、プログラミングの生産効率が急激に高まる時期があるが、先週はまさにそんな週であった。普段でもそれなりに毎日のようにプログラムは書いているが、ある程度以上の難しいタスクをこなすには、集中力を高めて、まさに「眠る間も惜しんで」一気にプログラムを書き上げる必要があるのだ...

Windows95誕生ものがたり:エピローグ

Microsoftが「パソコン業界の帝王」と呼ばれるまでの地位を獲得するのにもっとも大きな貢献をしたのは1995年に発売されたWindows95だという点に関して異論を挟む人はいないだろう。外から見れば、Windows95は「経営陣の綿密な戦略計画のもとに作られた製品」のように見えたのかも知れないが、それは結果論に過ぎない。実際には、その誕生の経緯は決して戦略的でもスムーズなものでもなく、いくつかの偶然と、エンジニアたちの情熱とビジョンとエゴが複雑に絡み合ってできたものである。Windows95の開発と、Microsoftの歴史上でもっとも熾烈な争いとも言える「Chicago vs. Cairo」の社内抗争のまっただ中にいたエンジニアの一人として、Windows95の誕生の経緯を「エンジニア視点」で書いてみる。

2011年12月1日、Salt Lake City の法廷に証人として呼び出された私は、少し緊張して裁判の始まるのを待っていた。部屋の中央部にはすでにMicrosoft側とNovell側の弁護士団がそれぞれ12、3人ほど忙しそうに準備をしており、その裁判が両方の会社にとっていかに重要なものかがそれだけで良く分かる...

エンジニアのための経営学
Gross Profit, Net Income, EBITDA, Free Cash Flow

Discount Cash Flow の計算の時に、粗利益(gross profit)という言葉を使ったが、企業の収益を語る場合に使う数値は、これだけではなく、net incomeやEBITDAやcash flowなどさまざまなものがあり、ちゃんと勉強したことのない人にとっては混乱の種になっている。今週は、それぞれの数値がどんな意味を持ち、どんな時に使うのかを説明してみる...

ブログには書けない話・書かない話
私が Internet Explorer の開発に関った理由: その5

Davidによると、常駐型のPersonal Web Serverが何もしていない時も800キロバイトのメモリを使用しており、それが原因でメモリ不足のために、ディスクへのアクセスが増え、Windows Officeの実行速度が20%も低下しているという。わずか24キロバイトしか使わない私の軽量HTTPサーバーとは大違いだ...