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小泉さん、米国産アルファ・メイルにご注意

050809_123600  私もつい最近のエントリーで、アルファ・ギークという言葉を使ったばかりが、最近アルファ・ギークだとか、アルファ・ブロガーだとか、「アルファ」という接頭語の付く言葉を良く聞く。そこで、得意の英語うんちくを展開。

 元はと言えば、動物学者が狼の群れ(パック)の行動を観察した結果、狼の社会にははっきりとした序列(上下関係)があることを発見し、その序列で一番上の狼から順に、アルファ、ベータ、ガンマ、と付けたのが始まりである。つまり、狼の群れにおけるアルファは、その序列の頂点にあるリーダーのことである。上下関係をしっかりと付けてそれを守るという性質は、集団で狩をすることが食料確保をする上で重要な役割を果たす狼の社会において、必要不可欠なものとして遺伝子に刻み込まれた狼の本能である。

 こんな「狼の社会学」用語がなぜ一般の人に知られるようになったかと言うと、この狼の本能が犬にも受け継がれているからである。犬を育てたことがある人なら一度は聞いたことがあると思うが、「アルファ犬」という言葉がある。甘やかされて育てられたのが原因で、自分が人間も含めた家族の中で「アルファ」だと誤解してしまって飼い主の命令を全く聞かなくなってしまった犬のことである。一度自分が「アルファ」だと誤解してしまうと、本能がじゃまをして後から修正がきかないため、飼い主も犬自身も色々と辛い目にあうらしい。

 この「アルファ犬」はまれなケースだが、後から生まれてきた赤ん坊を自分より序列が下だと誤解してしまうケースは実際にあるそうだ。そんな誤解を避けるためには、新しく家族の一員が増えた際には、アルファ役の飼い主が、はっきりと序列が分かるような断固とした態度を犬に見せ付けることが大切だそうだ。

 ちなみに、アメリカ人との日常会話でこの「アルファ」という言葉が犬以外の場面で出てきた時が一度だけある。ラスベガスで主催されたコンファレンスの夜に、得意先と人たちとカジノでお酒を飲みながら数ドル単位の軽いギャンブルをしていたところ、うちの営業のトップが、最低賭け金(minimum bet)が100ドルのテーブルでブラック・ジャックをすると言って客を引き連れていくではないか。私が、「いったい何考えてるんだ?」と聞くと、「俺がアルファ・メイル(alpha male)だっていうことを見せ付けてやるんだ」とウィンクをして行ってしまった。

 私はあきれてホテルに戻って寝てしまったが、朝起きて聞いてみると、夜中の3時まではでなギャンブルを続け、結果的に一晩で4万ドル(訳400万円)以上のプラスだという。客の前で格好悪く負けられないという彼の強い思いがギャンブルの神様に通じたらしい。それだけでもすごいのだが、それ以来その顧客との関係がぐっと良くなり(当然のように、ビジネス・ミーティングのたびに「あの晩はすごかった」と盛り上がった)、大型契約を結ぶことができたのだからもっとすごい。結果的に見れば、彼の「アルファ・メイル」作戦が功を奏したと言える。

 それ以来意識して見ているのだが、米国で成功しているアメリカ人には、政治家にしろビジネスマンにしろ、この「アルファ型人間」が結構多い。何をしていても自信にあふれており、まわりに「こいつに任せておけば大丈夫」みたいなオーラを発散している人間達であり、同姓にも異性にも人気があるのが特徴である。学校の教育も、ハイ・スクールあたりから「アルファ型人間」を高く評価する教育がが始まっており、トップクラスの大学は毎年何千人・何万人もの「アルファ型エリート」を世の中に送り出している。

 当然、アメリカ政府は、『日米貿易交渉』の場にはそんな「アルファ型エリート」をごっそりと送り込んで来るはずで、そんな連中と、「出る釘は打たれる」式の日本の教育システムで育った日本の官僚たちが対等な交渉が出来るとはどうしても思えない。そんな連中と対等に渡り合える人材を育てずに、郵政民営化や金融ビッグバンで形だけの「日本のグローバル化」をするのはとっても危険なことに思えて仕方が無い。まずは、教育から先に改革して行くべきじゃないんでしょうか、小泉さん?

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» [web][feelings]少年はベータを目指す from yossy’s 駄文集 - ヒビノカケラ
[http://satoshi.blogs.com/life/2005/08/post_3.html:title] この話にはかなり頷けるところがあった。 確かに、日本では「俺が俺が」というタイプは必要以上に煙たがられるところがあって、多数の中にいたがる人が多いようには思う。自分自身も、一番好きなポジションは2番手だったりするのだけれど、そればかりでは話が進まないから、先陣を切ってみるということが昔から良くあった。あまりにも誰もやらないんだもの。 もちろん、組織にはいろんなタイプの人が必要で、前に出... [Read More]

Comments

goldenkids

日本の漫画にオメガトライブという題のものがありますがご存知ですか?
もっと極端ですが今回のアルファ・メイルとよく似ています。

中島さんはわざと使っているのかもしれませんが、
メイル
とカタカナで書くと違う言葉にとれてしまうのは私だけでしょうか。

アルファーニ

アルファとまでいかなくとも、個人が周りを気にせず自分の意見を堂々と言える社会作りは大切だと思います。

アメリカ人のような自由な地で育った人間はそういったことを意識せずとも認識しているのではないでしょうか。

おっしゃる通り、人間であれ動物です。弱肉強食的な攻撃性はどんな人間でも持っている訳ですが、それを自らコントロールするという意味では、自らを虚勢せず自由に生きて行くということも必要になるのではないでしょうか。どちらにせよ、相手を傷つけず、相手のことを理解するということがもっとも重要なわけですが。

日本とアメリカという二つの国を比べてみると、そういった違いがよく分かってきますが、一概にはどちらが良いとは言えませんよね。日本に住んでいれば勿論日本人的な生き方が好まれ、アメリカに住んでいればアメリカ的な生き方が好まれるわけですから。そして、一個人が場所場所によって生き方を変えるということも安易なことではありません。人の性格はその人が育った環境で形付けられ、自然と子供から孫へと続いていくものだと思います。厳格な家庭で育った人は、厳格な家庭を作り出す。甘やかされて育った人は、甘やかされた家庭を作り出していくように。

そして、無論、外交やビジネスの世界ではお互いを理解するということが重要になってくるのだと思います。

長くなってしまいましたが、失礼します。

satoshi

goldenkids さん、オメガドライブという漫画は読んだことがありません。今度目を通して見ます。

アルファーニさん、コメントありがとうございます。ご指摘の通り、「どちらが良い」などということは全く無いのですが、「違いがある」ことをはっきりと理解し、かつ、そういった「異なる価値観」をお互いに尊重しあった上でなければ、うまく付き合っていけません。

アルファーニ

>「違いがある」ことをはっきりと理解し、かつ、そういった「異なる価値観」をお互いに尊重しあった上でなければ、うまく付き合っていけません。

はい、非常に大切なことだと思います。自由に生きるということは、自由に生きるなりのデキた人格も必要になってくると思います。自分も気づいたら相手の世界に土足で上がっていたということは避けなければと思っています^^。


>「どちらが良い」などということは全く無いのですが、

これは、自分も最近やっとそう思えるようになりました。人間誰しも自分が一番だと思ってしまう、これは往々にしてありますから。これこそまさに、価値観の異なる様々な人間と関わり合った上で、見えてくることではないでしょうか。

アルファーニ

補足ですが、

自分が一番だと思うこと

これは、別に悪いことではありません。個人が生きていく上では必要なことでもあると思います。ただ、それが故に傲慢になり、他人の価値観を尊重できなくなってしまうことが問題なのだと思います。

fumi

I really enjoyed reading your articles!
So true... It's too bad that the globalization at this point means battling in the l

mangan

You see... "battling in the l"

isn't gonna stop, is it?

lol

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