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エンジニアとしての満足感をどこに感じるか

Ichiro_1 先日の「IE3.0の10才の誕生日のエントリー」で、私が「エンジニア冥利に尽きる」という言葉を使ったことに対して、「ビジネスマン冥利にはつきそうだけど。エンジニア冥利な要素ってどのへんなんだろう?」という質問をいただいた。

 本質をついたするどい質問なので、どう答えようか悩んでいたのだが、良い例を思いついた。何年か前のイチローへのインタビューである。細かな言葉までは覚えていないが、こんな感じであった。

アナウンサー:イチローさん、今日は5打数4安打の大当たりでしたね。
イチロー:はい、でも試合には負けてしまいましたから。
アナウンサー:これで今年も200本安打確実ですね。
イチロー:200本は単なる通過点ですから。
アナウンサー:特に3回の二塁打の打球はするどかったですね。
イチロー:はあ、でも得点には結びつかなかったのが残念です。あそこは犠牲フライでも良いから1点ほしかった。
アナウンサー:イチローさんの今年の目標はどのくらいですか?250本はいけるんじゃないでしょうか。
イチロー:そういうことはあまり考えていません。とにかく一つでも多くの勝利を重ねて地区優勝に結び付けないと。
アナウンサー:ありがとうございます。マリナーズのイチロー選手でした。

 結局のところイチローが(そしてほとんど全ての大リーガーが)一番望んでいるのは、記録なんかではなくて、自分のチームがワールドシリーズで優勝することだ、ということが良く伝わってくるインタビューであった。

 「今までよりも格段に早いアルゴリズムを発明した」「誰も作ったことのないプログラムを世界で最初に作った」などは確かにそれなりの満足感を与えてくれるかも知れないが、それはイチローの言う所の「通過点」だったり「個人の記録」にしか過ぎないと思う。大学の研究者ならそれで満足してもかまわないが、企業で働くエンジニアであれば、自分が作ったものが市場に受け入れられて、何十万人・何百万人・何千万人の人に喜んで使ってもらって初めて、「良い仕事をした」と言える、というのが私の持つ価値観である。

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Comments

糸井重里との対談の中で、
イチローはこうも言っています。
「あのヒットの一本が、どれだけうれしいか…。
 もちろん、そのそぶりは、見せないですよ。
 でも、ヒット一本って、飛び上がるくらいにうれしいんですよ、実は。」
イチローは
製品が世界中の市場に受け入れられる喜びと
格段に早いアルゴリズムを発明する喜びの両方を
心から味わえるプレイヤーということでしょうね。

エンジニアとしての満足感とかビジネスマン冥利とか、特に分類する必要などないのかなぁと思いました。
ビジネスマンでも、セールスマンでも、エンジニアでも、持っている道具が違うだけで、目指しているものは基本的に同じなんじゃないかなぁ。

それは「貢献」ということでしょう。

何号か忘れましたが日経ビジネスのインタビューの中で、カルロス・ゴーンが「なぜ仕事をするのか?」という問いに対してそう答えていました。

エンジニア、ビジネスマンなどの違いは何を大切にしているかという「貢献先」の違いになるのでは
ないでしょうか?

人はもちろん給料=生活のために働いていますが、それだけではないということです。ビルゲイツみたいに生活の心配が要らなくなった人たちは「貢献」だけが「生きがい」になるようです。

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