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Line Rider で遊んでみた

 ちまたで話題のLine Rider。私もさっそく遊んでみた。こんな風にルールが極端にシンプルでありながら多様性が無限にあるゲームは私の感性にピッタリ。ゲームとしてのゴールがない点、コンテンツはユーザーが作る点、YouTubeにビデオ化した作品をアップすることが可能な点、など今の時代のエンターテイメントサービスを考える上で色々と参考になる点がたくさんある。

 そして、これが私の処女作(下の図の真ん中の矢印をクリックすると再生する)。転倒しそうでしない動きと、フィニッシュにこだわってみた。


「ブログは始めてみたいが、何を書いてよいのか分からない」と悩んでいる人のための三冊

Naniwaya

 私の「CGMの面白さは自ら情報を発信する側にならなければ理解できない」という言葉にもかかわらず、「ブログは始めてみたいが、何を書いてよいのか分からない」とグズグズしている人たちが私のまわりにも何人もいる。今日はそんな彼らのための推薦図書三冊。

頭の良くなる短い短い文章術

 ブログを書き始めようかと迷っている人の背中をそっと押してくれる良書。自分のまわりの人やものを常に好奇心であふれた眼で見る気持ちさえ持って生きてさえいれば、ネタに困ることなど決してないのだ。ブログの更新が滞りがちな人にもお薦め。

理科系の作文技術

 それまでは「自分は作文が不得意だ」と思い込んでいた私を一気に開眼させてくれた良書。初めて読んだ時の感想は、「なんで学校ではこんな簡単なことを教えてくれなかったんだ!」である。私が常に「分かりやすい文章」を書くように心がけているのはこの本の影響。

文章表現、400字からのレッスン

 筆者は、よい文章を「『自分にしか書けないことを、だれにもわかるように書く』、ということを実現している文章」と定義しているが、この言葉にブログを書く楽しみのエッセンスが凝縮されている。「自分にしか書けない事」を見つける楽しみ、それを「だれにもわかるように」伝えることのできる喜び…


ブログを利用して日本語から言葉を一つ消すことができるか?

Roppongi 「誰もやったことのないこと」するのが大好きな私だが、今日は、ちょっとした実験を思いついてしまったのでぜひともご協力願いたい。「ブログを利用して日本語から一つの言葉を消すことができるか」という実験である。

 「そんなことできるわけがない」と思う人が大部分だとは思うが、それはこのエントリーを最後まで読んでから判断して欲しい。

 消すべき言葉は、「ユビキタス社会」という言葉。なぜこの言葉が許せないか、ということ関しては、私のCNetのブログの「『ユビキタス社会』という言葉は誤用」というエントリーに書いたので、まずはそれをお読みいただきたい。

 もちろん、私一人の力で「言葉を一つ消す」ことなどできるわけがない。私の意見に賛成していただける方々に、ブログエントリー、ソシアルブックマークなどの形で、上のCNetのエントリーで述べた私の意見に賛同する意思を表していただくようにお願いしたい。そうすれば、「『ユビキタス社会』という言葉が誤用だ」というメッセージをIT業界の多くの人たちに届けることができ、この由々しき言葉を日本語から消し去ることができるかも知れない、というのが私の作戦だ。

 うまく行くかどうか分からないが、ブログを使って「言葉を一つ消す」ことを試みた人などいないはず。それだけでもこの「Web2.0実験室」で実験してみる価値があるというものだ。


アメリカで、ハイブリッド車が売れる理由、SUVが売れる続ける理由

Lexus_rx_400h

  少し前のシアトルタイムズにアメリカでハイブリッドが良く売れているという話が出ていた。最近のガソリンの値上がり具合を見れば当然とも思える行動だが、実はちゃんと計算してみると必ずしも得ではない(ハイブリッドで節約できるガソリン代は年間たかだか数百ドルだが、ハイブリッド車は普通車よりも何千ドルも高いので、十年以上持っていないと元は取れない)、と記事は警告している。

 その逆に、ガソリンの値上がりにも関わらず、SUV(Sports Utility Vehicle)の売れ行きが落ちないという興味深い記事も最近読んだ。必要以上に大きくて、ガソリンをやたらと消費するSUVが、都会に住むエグゼクティブに相変わらず売れつつけているのだという。

 計算してみると金銭的なメリットがあまりないのに売れるハイブリッド車。ガソリンをやたらと消費するのに売れ続けるSUV。一体何が起こっているのだろう。

 「米国人にとって、車はその人のライフスタイルを表すシンボルだから」というのがその両方の記事に共通して書かれていた答えである。 

 ここ数年、特に高まっている環境への配慮。そんな「地球にやさしくありたい」という自己主張を、今もっとも顕著に表す方法が、ハイブリッド車を乗り回すことである。彼らにとってみれば、ハイブリッド車を購入するために払ったプレミアムを何年で取り戻すことが出来るかはそれほど重要ではないのだ。それよりも、排出する排気ガスの量が実際に半分以下になることが重要であり、そんなハイブリッドを乗り回す「地球にやさしい自分」が好きでしかたがないのだ。もちろん、彼らが乗り回すハイブリッド車そのものが、そんな「地球にやさしい自分」の広告塔であることは言うまでもない。(そんな人たちに、「本当に地球にやさしくしたいのなら、公共の交通機関を使え」と突っ込むのはヤボというものである)。

 逆にSUVは、「俺はアウトドア派のマッチョなんだ」という自己主張のシンボルである。たとえ、実際には主に都心にある会社への通勤にしか使わず、週末に行く所といえばゴルフ場と近所のスーパーだけ、という人でも良いのである。年に一度だけ家族とスキー旅行に行った時に、「やはり4WDはすごいだろ。雪道でもヘッチャラだ。」と子供達の前で「男らしいお父さん」を演じることが出来ればそれで十分なのだ。それに加えて、昨今のガソリン高。「俺は、ガソリンがどんなに高くなろうと、SUVを乗り回せるぐらいの稼ぎはあるんだ」という意思表示は、米国のエグゼクティブにとっては、ライバルより高いスーツを着ることよりも大切だ。

 そんなアメリカ人の趣向をずばりと付いたのがトヨタのLexus RX400h。日本のハリアーのボディに女性的なデザインの味付けをして「女性向けSUV」のマーケットを作ることにしたトヨタが、それにハイブリッドエンジンを載せたのがRX400hである。「本当はキャンプなんか大嫌いなんだけど、アウトドア派のファッションは私にピッタリ。でも、地球にはあくまでやさしくありたい。あと、高級車を買うのに高いお金を払うのは全然かまわないんだけど、しょっちゅう高いガソリンを買わされるのはなんだか不愉快」という働く女性エグゼクティブたち(もしくはエグゼクティブの妻たち)の複雑な女心をズバリ射止めたのである。

 本当に地球にやさしくありたいのであれば、トヨタのプリウスのハイブリッドにでも乗れば良いのだが、そんな女性達に限って「私ってトヨタのプリウスに乗っているような性格の人って何か許せないのよね」と言いつつプリウスを見かけるとアクセルを踏んで追い越して行くのだからアメリカの女性は恐ろしい。 


正露丸に関する一考察

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 少し前にUIEJのメンバーの間で正露丸のことが話題になっていたのだが、私自身興味があって以前調べたことがあったので、それをまとめて報告。

1.「正露丸」の商標は大幸薬品が所有しているが、他の企業も使用して良いことになっている。しかし、実際には、名前だけでなく、パッケージのデザインまでも似せた類似品がたくさんある。

2.正露丸は、日清戦争において伝染病に悩まされた帝国陸軍が感染症対策のために作った軍人用の薬。元々は「ロシアを征伐する」意味の「征露」から征露丸と書いたが、第二次世界大戦後、この名前は国際政治的に見て好ましくないとの行政指導があり、今の表記に変更された。

3.正露丸が下痢を止めるのは、殺菌によるものではなく、正露丸による腸管の運動と水分分泌を抑制する働きによるものである。不衛生な食べ物を食べた結果の下痢は、体に不適切なものを排除しようとする体の自然な働きであるが、正露丸はその正常な働きを抑制するものである(つまり、戦場の兵隊の下痢を一時的に止めるのには適している)。

 ネットを調べると、他にも「正露丸には発ガン作用がある」「正露丸は適量をわずかに超えて摂取しただけでも腸内に潰瘍を作ってしまう」などのもっと過激な意見も書かれていたが、すでに「都市伝説」化した感もあるので、それを信頼できる情報とみなすかどうかの判断は読者自身に任せる。

 「体が自己防衛のためにおこしている発熱、下痢などの症状は無理に抑えない方が良い」というポリシーの私としては、都市伝説めいた部分を除いた情報だけでも「正露丸は出来るだけ飲まない方が良いな」と思ってしまう。

 ちなみに、「疲れたら医者で栄養分を点滴してもらって働き続ける日本のサラリーマン」と「下痢を無理やり正露丸で抑えながらロシアと戦う日本の兵隊」が妙にオーバーラップしてしまう。体がガタガタでは、いくらがんばっても生産性があがらないのが知的労働者である。体調が悪かったら一日でも二日でも体を休めて、体調をしっかりとなおしてから『界王拳』で一気に取り戻す、という働き方の方がトータルでの生産性は上がる、というのが私が30年近くこの業界で働いてきて学んだことである。

【ネット上の参考資料】

Wikipedia、正露丸
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%AD%A3%E9%9C%B2%E4%B8%B8

木クレオソートの止瀉作用についての新しい知見
https://yakushi.pharm.or.jp/FULL_TEXT/125_12/pdf/937.pdf

「正露丸」は"普通名詞"を得るまでの経緯
https://www2.osk.3web.ne.jp/~seiro/SAI.htm

正露丸、この謎に満ちた類似品の数々
https://ume.sakura.ne.jp/~juninho/fake/seirogan/

大幸薬品株式会社ホームページ
https://www.seirogan.co.jp/

危険な正露丸の服用
https://www.oita-min.or.jp/sub114.htm

正露丸とはどんな薬なのか?
https://www.geocities.jp/m_kato_clinic/seirogan-01.html

正露丸の問題について
https://www.mi-net.org/yakugai/daboard/dascramble/seirogan.html

『買ってはいけない』論争の「正露丸」
https://www.geocities.jp/m_kato_clinic/seirogan-notbuy-01.html

正露丸の中毒量は常用量の約2~4倍
https://www.toiken.co.jp/dinews/seirogan.html


自らが情報を発信する側に立たなければ決して理解できないことがある

Treemo_1 先日のエントリーで、「写真を撮ることになどまったく興味がなかった私が、最近はいつもカメラを持ち歩いている」と書いたが、そのキッカケを作ってくれたのがtreemoという写真共有サービス。

https://www.treemo.com

 ブログにはいち早く飛びついた私だが、写真を撮るのが特に好きでもなかった私としては、Flikrによる写真共有サービスがはやり初めてもあまりピンとこなかったのだ。日々の写真であれば携帯電話で撮影したものをブログ用で公開すれば十分だし、人に見せられるほどの写真を撮れる腕を持っているわけでもない。

 そんな私に、近所の知り合いから連絡があったのが二月ほど前のこと。「写真やビデオを共有できるサービスを提供するベンチャー企業を始めたので、ベータユーザーとして参加して欲しい」と依頼された時には、「いまさらFlikrやYouTubeの後を追いかけても無理じゃないの」という思いもあったのだが、Flikrによる最初の「写真共有カルチャーの波」に乗り遅れた私としては、この第二波に乗ってみるのも悪くないと思ったのである。

 そこで少し前からブログ用に撮影した写真などをアップロードし始めたのだが、一つ問題があった。携帯電話で撮影した写真を公開してもどうもサマにならないのだ。ブログならともかく、写真が主役なのだから、もう少しきれいな写真をアップロードしたい。そんな思いからデジカメを持ち歩き始めたのが1ヶ月ほど前のことだ。

 写真などには全く興味を持ったことのなかった私だが、いざデジカメでさまざまな被写体を撮ってみるとこれがとても楽しいのだ。思ったとおりの写真はなかなか撮れるものではないのだが、それでも何十枚かに一枚は「少なくともtreemoにアップロードしても恥ずかしくない」ぐらいの出来にはなる。

 という事で、私の「treemoアルバムの初公開」である。幾つかの写真は携帯電話サイズに縮尺してこのブログでも公開済みだが、treemoに行けばフルサイズのものを見ることができる。

https://www.treemo.com/users/satoshi/channel/

 ちなみに、このエントリーを書いていて思ったのだが、「Web2.0とは何か」、「CGM/SNSはどうしてこんなにブームになっているのか」をなかなか理解できないと悩んでいる人がいるとしたら、そんな人たちには、「自らがブログなり写真共有サービスに積極的に参加するのが一番の近道」とお勧めしたい。自らが情報を発信する側に立たなければ決して理解できないことがある、のがWeb2.0の特徴なのだから。

Satoshi the Optimist  (←弾さんのまねしてみました^^)


21世紀のルネッサンス、今までになく人類の創作意欲を刺激するCGMサービス

Seattle2  上場したmixiが2000億円超の時価総額を付けたり、MySpaceがGoogleから3年間で$900Million(日本円にして約1000億円)の広告収入を確保したりと、SNS(Social Network Service)、CGM(Consumer Generated Media)関連のビジネスがにわかに注目されている。明らかにこの金額はバブル気味で、誰かが最後にババを引くことになるような予感がしてしかたがないが、そんなことは私の知ったことではない。

 それよりも持つべきなのは、昨今のCGMブームが、単なる一過性のブームではなく、起こるべくして起こった必然の流れで、人類のさまざまな創作活動に対する影響という意味では、14~16世紀のルネッサンス以上のインパクトを持つ大変化の始まりだ、という認識である。

 ここ10年ほどのデジカメなどのデジタル機器の進化と、パソコン上の編集ツールの進化は、一昔前まではプロやよほどのマニアにしか可能ではなかったさまざまな創作活動をごく一般の人たちの手の届くものにしてしまった。そして同時期に広まったブロードバンドが、そういった作品を瞬時に世界中の人と共有することを技術的に可能にしてしまった。

 ただし、技術的に可能になったからと言って、自分の作品を発表するのが難しかったり他人の作品を発見したり、感想を交換したりすることが簡単にできなければ宝の持ち腐れである。そこで登場したのが、ブログであり、Flikr、YouTube、MySpaceなどのSNS/CGMサービスである。

 この手のCGM型のサービスは、単に作品の発表や共有を簡単にするだけでなく、ものすごく人間の創作意欲を刺激する。自分が作ったものをその場ですぐに公開でき、それに対するフィードバックをすぐに受けることができる。これにまさる刺激はない。

 文章などほとんど書いたことのなかった私が、今やブログで毎日のように文章を書いている。写真を撮ることになどまったく興味がなかった私が、最近はいつもカメラを持ち歩いている(写真は、昨日シアトルダウンタウンで渋滞に巻き込まれた時に見えた時に撮影した写真)。

 レオナルド・ダビンチが活躍していた時代にCGMサービスがあったらどんなことになっていたか想像してみて欲しい。それが今の時代なのである。そんなラッキーな時代に生きることのできる幸せを満喫するためにも、ブログを書く、写真を撮る。それが21世紀のルネッサンスだ。


Appleに学ぶWeb2.0時代のマーケティング戦略

Itsshowtime  つい先ほど、CNetのブログの方に「ソニーのマーケティング部門の人に提案」というエントリーを書いたので、ソニーのマーケティングに関する私の意見はそちらを読んでいただきたいが、対照的に、私のようなブロガーたちを最も上手に巻き込んでマーケティング活動を行っているのがアップルである。

 気が付いている人も多いと思うが、アップルは通常の企業が行うような「プレスリリースによる新商品の紹介」は最近はほとんどしていない。そういった従来型のマーケティング手法ではブロガーたちの心をつかむことができないことを、アップルのマーケティング部門の人たちは十分に理解しているのだ。

 そこで彼らは、年に3~4回だけアップルが開催するプライベート・イベントで、スティーブ・ジョブズ自らが新商品をまとめてアナウンスする、という手法を意図的に採用しているのだ。

 そうすることにより、「今度は何が発表されるのだろう」いうブロガーたちの気持ちをあおりにあおるのである。もともとアップルファンでもないブロガーたちまでが、「今度こそiPhoneに違いない」などと書いているのだからアップルの思う壺である。

 そして、絶妙のプレゼンスキルを持つスティーブ・ジョブズの口からアナウンスされる新商品の数々。いつもプレゼンの最後になって「One more thing...」と言って、さらに驚きを提供してくれるスティーブ・ジョブズ。ブロガーたちが競ってエントリーを書くのも当然だ。

 まさにマーケティング2.0である(ちなみに、アナウンスするのが遅くなってしまったが、私も共同著者の一人としてこの本の執筆に協力させていただいたので、ここに紹介しておく。とここに書いてしまっている私は渡辺聡氏の絶妙なマーケティング戦略に載せられているのだろうか…ま、いいか、同じ「聡」だし^^)。


UIE、会社設立以来初めての雑誌広告

Contents  メディア企業、サービス・プロバイダー、デバイスメーカーを顧客もしくはパートナーとするうちの会社(UIE)は、今まで一度も雑誌広告というものをうったことがなかったのだが、今回のCTIA(米国の携帯電話業界のカンファレンス)にあわせて、RCR Show Dailyという雑誌に会社設立以来初めての広告を載せた。

 とは言っても、広告代理店を雇うほどの予算はかけられないので、社内のクリエイティビティを動員しての手作り広告だ。

 メッセージは、私の口グセでもある、「Content belongs to the user, not the device」。音楽、映像、ゲーム、アプリケーション、サービスなどのさまざまなコンテンツは、今のようにデバイスにダウンロードしたりインストールしたりするものではなく、それにアクセスする権利を持ったユーザーが触れた全てのデバイスから(ネットを介して)アクセスできるべきだ、という『パーベイシブ・アプリケーション』の思想を具現化した言葉だ。

 マーケティングの担当者が女性だったからか、ハンドバック(=デバイス)を取り替えるたびに、その中の化粧品やら財布やら(=コンテンツ)をそっくり入れ替えなければいけない不便さを写真で表現しているのだが、なかなか良く出来ていると思う。

 会社で作ったパワーポイントのスライドが家のパソコンで開けなかったり、自分の持っているミュージックCDの一曲を自分の携帯の「着うた」にすることができなかったり、昨日録画しておいた連続ドラマを次の日の朝に通勤電車の中でビデオiPodで見るという行動がごく一部のギークにしか出来ない芸当だったり、家のパソコンでしていたオンライン将棋の続きを携帯電話で続けることが出来なかったり、デジカメで撮った写真を自分の携帯の壁紙にするやり方が分からなかったり、などの「技術的には可能なはずのに『デバイスの呪縛』のために不可能になっていたり困難になっている」ものを、さまざまな企業とパートナーシップを結びながら一つづつ実現して行くのがUIEの役目。そのビジョンをひとことに凝縮したのが、「Content belongs to the user, not the device」。


SonyのSkype端末「Mylo」入手

Mylo2 米国Sonyから、なにやら新しいデバイスが発売されると報道されたのが8月の初め(参照)。最初はあまり注目していなかったのだが、Engagetの続報でOSがLinux+Qtopiaらしいと知り、がぜん興味が沸く。QtopiaにならすでにUIEngineも移植済みなので、アプリをインストールする方法さえ見つけることができれば走らせてみることができる。

 そこで、すぐにSony Styleで予約しておいたのだが、それが届いたのが今日。さっそく遊んでみた。

 大きさは一昔前の携帯電話ぐらい(900シリーズになる前のFOMAの携帯電話を思い出して欲しい)。ふたまわりぐらい小さくしたPSPという感じか。液晶はちゃんと今の携帯電話なみに明るくてきれいなものを使っている。液晶が安っぽいと全体が安っぽくなってしまうのでこれはとても重要。

 最初に電源を入れると現在の日時の入力とユーザー登録をさせられる(少し不愉快)。名前(本名である必要はない)、誕生日、およびオプショナルのプロファイルだ。なぜ誕生日が必要なのかがどうも理解できないが、ひょっとしたらNintendo DSの様に誕生日をお祝いしてくれるのかも…と密かに期待してみたりする。「おもてなし」にこだわる人間として言わせていただければ、ユーザー登録は必要になったときにするように設計した方が良かったのではないかと思う。ちなみに、この段階でQWERTYのキーボードを使ってみたが、使いごこちは悪くない。ちょうど、RIMのBlackberryのキーボードと同じような使い心地だ。

 次にしたのがWiFiの設定。ちゃんと我が家のWiFiを見つけてくれたし、WEPのセキュリティにも対応してくれている。当然といえば当然だが、このあたりでユーザーがつまづかないように作る事はとても大切だ。さっそくブラウザーを立ち上げて、このブログを見てみるが、画面が小さすぎてレイアウトが崩れて本文が表示されない。でも、米国で売られているデバイスにも関わらず、日本語のフォントがちゃんと内蔵されている点は評価。メニューからZoom->50%を選ぶと辛うじて本文が表示されるようになったが、今度はフォントが小さすぎて文字が読めない。携帯電話においてもそうだが、この手の携帯型デバイスにわざわざフル・ブラウザーを載せてパソコン用のウェブページを見る意味なんてあるのだろうか。ちなみにブラウザーはOperaだそうだ(参照)。

 次に試したのがSkype(Communicationというメニューの下に、Skype、Google Talk、Yahoo! Messenger、Ad Hoc Application という四つの通信手段が提供されている)。QUERTYキーボードが付いているので、Skype名やパスワードを入力するのも簡単、あっさりと繋がった。スピーカーを耳に当てるとマイクが口元にくるので、携帯電話のように通話することが出来るのだ。さっそく別の部屋にいる妻と会話してみたが、スピーカーを耳にしっかり当てると、マイクがちゃんと音を拾ってくれないし、マイクを口元に近づけるとスピーカーからの音が聞きにくくなる。これで長電話をしようと思ったら、イヤホンは必須だ。でも、マイクは内蔵マイクを使わなければならないので、その場合はMyloをカラオケマイクのように持って話すことになるが、これはちょっと格好悪い(「カラオケチャット」だ)。

 他にもパソコンから転送した写真を見る機能、音楽ファイルを転送して携帯型音楽プレーヤーとして使う機能などもあるが、写真はあくまでおまけ的なもの、音楽ファイルに関しては、iTuneで採用しているAACをサポートしていないので役に立たない(サポートしているのは、ATRAC、MP3、Windows Media Audioのみ)。SonyとしてはiTuneではなくSonicStageを使って欲しいのだろうが、それは無理というものである。

 とりあえずの第一印象で言う限り、メディア端末としてはイマイチ(iPodにはかなわない)、唯一使えるのはSkype。パソコンに縛り付けられずに、家の中を歩き回ってSkype チャットできるのはすばらしい。ただし、スピーカーとマイクの配置が悪いので、それが致命的。せっかくここまでやるのなら、Skypeチャットに最適化された携帯電話に近いフォームファクターにして欲しかった。

 そうは言っても、せっかく手にいれたのだから、次にSkypeで会議をする機会があったら使ってみようと思う(たぶん「カラオケチャット」モードで)。色々と使いこなすうちにもう少し良いところも見つかるかも知れない。

 ちなみに、まだどうやって自分で作ったソフトをインストールするのかは分かっていない(というか禁止されている可能性も高い)ので、それも調べなければならない。UIEngineさえ起動することができれば、先日作ったテレビ番組表みたいなプロトタイプを簡単に走らせることが出来るのでそれは楽しそうだ。