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ウォーレン・バフェットとセコイア・ファンドと

 他からお金など集めなくても十二分に資金はあるビル・ゲイツの財団に、世界第二位の大富豪であるウォーレン・バフェットがこれまた彼のほとんどの財産の運営・寄付を任せると宣言したニュースは、日本でも報道されたと思うが、「そのウォーレン・バフェットって誰?」という人に最適な本がこれ。

 なんとも興味深い事実が、Google、YouTube、と次々に満塁ホームランを打ちまくる投資ファンド、セコイアがウォーレン・バフェットと深い関係にあること。

 「ハイテク株は評価しようがないから投資しない」というポリシーを持ち、莫大な富を長期的な株式投資から生み出してきたバフェット。その彼が、1970年に自分の顧客を乗り換えるように進めたのが、セコイア・ファンド。そのセコイア・ファンドが、Googleを育て、YouTubeを育て、そして、GoogleのYouTubeによる買収を実現させたのだから、なんともすごいことである。


「足あとライブ!」に関するテクニカル・メモを書いてみた

 「足あとライブ!」や「ホットエントリーライブ!」を作っているうちに、CometサーバーとJavascriptをどう組み合わせれば良いか、なのどノウハウが色々とたまってきたので、一度テクニカル・メモの形にまとめてみることにした。ちょうど英語のブログの更新が止まっていて、なんとかせねばと思っていたので、そちらのエントリーとして書かせていただいた。

 Live Page-View Counter, Comet server and JSON-push

 ソースコードすべてを公開しているわけではないが、C++で直接ソケットを操作するコードを書くことができて(つまりCometサーバーを自作することができて)、サーバー側のスクリプト(言語は問わない)とJavascriptをある程度書ける人であれば、このペーパーに書かれた情報を元に自分でも同じようなサービスを作ることが可能になるように書いたつもりである。もし、このペーパーを元にそんなサービスを作ることができた方がいたら、コメントやトラックバックの形でご連絡をいただきたい―うちの会社でぜひとも採用したいので^^(参照)。


午前三時のルースター

 期待に胸を膨らませて読み始めた、宮部みゆきの「名もなき毒」が、大はずれで読むのに二週間もかかってしまったので、少し読書に食傷だったのだが、この「午前三時のルースター」は最高。飛行機の中で一気読みをしてしまった。

 垣根涼介は作品数は多くないが、ヒートアイランドといい、これといい、登場人物は魅力的だし、ストーリーには説得力があるし、ひさびさの逸材だ。宮部みゆきの若いころの作品(レベル7とか龍は眠る)に匹敵する。

 しかし、最近の宮部みゆきはいったいどうしてしまったのだろう。相変わらず文章はうまいし、人物の描きこみは天下一品だが、登場人物が魅力にかけるし、ストーリーに迫力がないのである。「理由」あたりの作品からその傾向が見られるが、「宮部の本は全部買う」私のようなファンがいることを良いことに、出版社の人が時事ネタからあらすじを決めて、それに宮部が肉付けして出版しているんじゃないかと思えるような単なる「技巧作品」が多いのが、ファンとしては本当に悲しい。

 その点、垣根涼介はまだまだ「アツイ」作家である。こんなストーリーを書きたい、こんな登場人物を描いてみたい、という作家の情熱が文章からあふれ出てくる。

 ちなみに、「何もかも忘れて一気読みをせずにはいられないぐらい」面白い本というのは、「健康に悪いと思いながら、スープを全部飲まずにはいられないぐらい」おいしいラーメンに通じる部分があると思うが、いかがだろうか。そう考えると、最近の宮部は、チェーン店化して味が落ちてしまったがブランド力だけで相変わらず集客力のある行列のできるラーメン屋、という感じか。垣根さんには、チェーン店は開かずに、今までどおり店は小さくとも一杯一杯心のこもったラーメンを作り続けて欲しいものである。


「ホットエントリーライブ!」でソシアル・ブラウジング

Hotentry2 「足あとライブ!」に関しては、さまざまなフィードバックをいただき、とても良い勉強になっている。作って、リリースして、ユーザーからのフィードバックを受けて、というサイクルが数日単位で出来るのは本当にすばらしいことである。

 これと比べると、マイクロソフト時代に作っていたWindows用のリッチクライアント・アプリの作成は、ほとんど「ユーザー不在」の状態で作っていたことになるが、今になって考えると、よくあれでユーザーインターフェイスの設計などできたものだ、とつくづく思う。

 それに気を良くして、というわけでもないが、今回、「足あとライブ!」をさらに進化させて作ったのが、「ホットエントリーライブ!」。不特定多数の人と同時に、ホットなニュースを読んでそれに関して語り合うことができる、というサービスだ。詳しくは、リンク先に書いてあるので、ぜひとも試していただきたい。

 ちなみに、「足あとライブ!」を運営してきて分かったことだが、同時接続ユーザー数が増えると、サーバーからメッセージをプッシュした後の再接続に時間がかかってしまい、その合間にプッシュされた別のメッセージを一部のクライアントが取りこぼしてしまう、という不具合が起こる。足あとやペンギンならばそれも許されるが、チャットでのメッセージの取りこぼしは好ましくない。そこで、今回はこの問題を回避する仕組みをCometサーバーに組み込んだので、そのロジックのテストも含めたベータサービスだ。同時接続60~70人ぐらいまでなら問題ないはずだが、それを越したあたりでレスポンスタイムがどうなるかにとても興味がある。


大阪弁変換で遊んでみた

 このブログと並行してCNetのブログを書き始めたのは今年の1月のことだが、二つのブログのバランスをどう取ろうかと試行錯誤しているうちに、CNetの方はIT/ネット業界向けの人たち向けのエントリー、このブログの方は今までどおり、食べ物の話から科学うんちくまで含んださまざまなエントリー、という住み分けができてきた。

 しかし、考えてみるとこのブログの方がはるかに歴史が長いし、少し前のエントリーの中にも、もぜひともCNetの読者に読んでほしいものがいくつもある。そういったものを読んでもらうためにCNet側にリンク集のエントリーを作るというのも芸がないし、単にコピペしただけのエントリーを作るのもなんだか気に食わない。

 どうしようかと悩んでいたところに、ちょうど標準語を大阪弁に変換してくれるという面白いサービスを見つけたので(のぶろぐさん、ありがとう)、それを利用してそういったエントリーを大阪弁に変換してCNetブログにアップすることにした。題して「大阪弁ITうんちくシリーズ」。さっそく一つ目のエントリーをアップした。

 しかし、標準語で書くと妙に堅苦しい文章が大阪弁に変換するだけで妙に人間味が出てくるから不思議だ。

<標準語>
 こんな話を聞くと本当に悲しくなる。まず第一に「プログラムを書く」という仕事は簡単な仕事ではない。数学的な頭を持っていないとかなり辛いし、基礎がしっかりと出来ていないとろくなソフトウェアは作れない。…そしてもっとも許せないのが、そういった上流→下流という階層構造でプログラムを作る工程そのものだ。

<大阪弁>
 こないな話を聞くとホンマに悲しくなる。まず第一に「プログラムを書く」ちう仕事は簡単な仕事ではおまへん。数学的な頭を持っておらへんとかなり辛いし、基礎がしっかりと出来ておらへんとろくなソフトウェアは作れへん。…ほんでもっとも許せへんのが、そういった上流→下流ちう階層構造でプログラムを作る工程そのものや。


BeStiqでソフトバンクの「予想外割引」につっこんでみた

Softbank_1 UIEJから、BeStiqというなかなかユニークなサービスがリリースされた。ネット上の任意のページに、ポストイットのような付箋を貼り付けて、そこにメモを書いたり、他の人と議論を交わしたりできるという仕組みだ。

 そこで、まずはベータテストのつもりでケータイWatchの「ソフトバンクの予想外割」に関する記事に軽くツッコミを入れてみた。下のリンクをたどると、そのページの「月額2,880円」と「210円(税込み)安く」という部分がハイライトされていることが分かると思う。そこにマウスカーソルを持っていくと、私の記事へのツッコミが読めるという仕掛けだ。

 ITMediaの予想外割の記事に対するツッコミ

【追記】 BeStiqサービスそのものに対するフィードバックは、UIEJの開発者ブログのBeStiqに関するエントリーへのコメントかトラックバック、もしくは、beStiqのフィードバックページへのツッコミの形でいただけると助かります。 


生まれ変わる月刊アスキー

Ascii_1 私が最初にソフトウェア・エンジニアとして働く機会を与えてくれたのがアスキー出版であり月刊アスキーだ、ということは前にここでも書いたことがあるが、その月刊アスキーが全く新しい雑誌として生まれ変わるそうだ。

 そこでどんな雑誌なのかを月刊アスキーのホームページに行って調べてみると、なんと「白いご飯」が大好きな人のための「白米フェチマガジン」だという。それも創刊号の表紙は「卵かけご飯」。私にピッタリだ。

 というのは冗談で、「パソコン総合誌」から「IT視点のビジネス誌」として生まれ変わることになったそうである。昔のよしみというわけでもないが、「中島聡のITうんちく」という連載コラムを担当させていただくことになったので一度は手にとって見ていただきたい。

 ちなみに、左の写真は、月刊アスキーが提供している「アスキー・リボーナー」で作ったもの。一口で言えば「新創刊号の表紙ジェネレーター」サービスである。月刊アスキーでは、ジェネレータで作った表紙のコンテストもしているが、投稿の締め切りは10月22日24:00なので投稿するのであれば今日明日中に作る必要がある。


「若者のテレビ離れ」と「釈迦にキリスト教」と

060414_121247  CNETのブログに、「『若者のテレビ離れ』に関する一考察」というエントリーを書いたが、手っ取り早く言えば、これからの時代は、

・朝起きて最初にすることは、メールとmixiのチェック
・テレビをつけない日はあっても、メールとmixiをチェックしない日はない
・一時はGyaoを見ていたけど、今はもっぱらYouTube
・テレビ番組はテレビでみるより、YouTubeで見たほうが楽しい
・YouTubeができてから、テレビ番組の流行に敏感になった
・iPodに入った曲のほとんどはどこかから手に入れたコピー
・プレステは持っているけど最近はほとんど電源を入れない
・次のパソコンはそろそろMacに切り替えようかと考えている
・「固定電話」ってなに?

みたいな人たちに楽しんでもらえるデバイスやサービスを作らなければだめだということ。

 そんな危機感を、今までひたすら「大きくてきれいなテレビ」や「髪の毛の一本一本が風になびく3Dゲーム」を作って成功してきた人たちに持ってもらうのは、「釈迦をキリスト教に改宗させる」ぐらい大変かも知れないと思いつつ、こんなエントリーを書いている私である。

【追伸】 このエントリーとは関係ないが、「足あとライブ!」のペンギンアイコンをクリックすると別のウィンドウが開いて、そこからペンギンの画像を操作できるように変更した。それにともない、選択できるペンギンの種類を10種類から20種類に増やしたのでぜひとも試していただきたい。


「足あとライブ!」にペンギンアイコンがやってきた

 「うみがめプロジェクト」(Googleの20%ルールに相当するもの)のつもりで作り始めたCometサーバーだが、あまりに楽しすぎて、頭を他のことに切り替えるのが難しくなってしまった。今朝も弁護士が作ってきた特許の出願書類の下書きを読みながら、ついつい(Cometサーバーに関する)妄想に走ってしまう自分をコントロールするのに一苦労してしまった。

 しかし、なんとかその仕事も終わったし、面接も二つこなしたので、次のミーティングまでの合間をぬってちょこちょこっとプログラミング。

 「足あとライブ!」にペンギンアイコン(https://www.peso.nu/から拝借―感謝、感謝)で自分の気持ちを表現できる仕組みだ。使い方はいたって簡単。下のペンギンの横に並んでいる文字の一つをクリックすると、その文字に対応したペンギンアイコンが、このブログを見ている人全員の「足あとライブ!」に表示される、という仕掛けだ。


Logitech FreePulse、 Bluetoothe 2.0 ヘッドホン入手

Bluetooth_headset 少し前からEngagetでも注目されていた、Logitech FreePulse Bluetoothヘッドホン。発売は10月27日だが、あるルートから発売前のものを手に入れることができたのでここで報告。

 iPodを聞きながら散歩したり運動したりする時にどうしても邪魔になるのが、本体とヘッドホンを繋ぐケーブル。このヘッドホンを使うとそのケーブルが不要になるのだ。

 今までも他の無線技術を使って同じような試みはされてきたのだが、どうしても音質に問題があったのだが、Bluetooth 2.0という最新の技術を使って、ついに音質の問題をクリアしたのがこのヘッドホンだ。

 電波の届く範囲は約10メートルだが、ポケットやバッグに入れてある限りは何の問題もないし、普通の家の部屋であれば、iPodを机の上において部屋の中で歩き回っている限り音が途切れることはない。ケーブルもないし、ヘッドホンが超軽量なので、ヘッドホンをつけていることを忘れてしまいそうなぐらい心地が良い。

 シアトルあたりでもiPodを聞きながらジョギングをしている人を良く見かけるが、そんな人たちからケーブルが消えるのも近いような気がする。特にクリップ付きの新型Shuffleと組み合わせると、装着感はほとんどなくなるはずだ。

 ちなみに、ワイアレスの技術はあまりにもたくさんあるため、この業界にいる人ですら「WiFiがあればBluetoothは必要ない」と思い込んでいる人がいるがそれは大きな勘違い。WiFiはイサネットケーブルを置き換えるもの、Bluetoothはイヤホンやヘッドホンのケーブルを置き換えるもの、と覚えておくと良い。

 もちろん、技術的にはWiFi経由で音楽をストリーミングすることも可能だが、消費電力が大きすぎるので携帯型のデバイスには向かない。小さなバッテリーにも関わらず、6時間もの連続使用が可能なのは低消費電力なBluetoothのおかげだ。