iPhoneに関してはベタボメ状態の私だが、数ある機能のうち「使えない」と思うものが一つだけある。Youtubeだ。iPhoneの入手当初2~3日は目新しくてなんどかYoutubeビデオを見たのだが、それ以来ぜんぜん使っていない。
なぜかといえば、Youtubeは私を含めたほとんど人にとって「ブラウズする」ものではなく、「他の人のブログに貼り付けてあるものを見るもの」であるからである。
CGMサービスの「おもてなし」をデザインするときに強く意識すべきなのは、
作る人の数
<< 作品を積極的にブラウズしたりコメントを加えたりする人の数
<< 他の人たちが発掘してくれた作品をROM状態で楽しむ人の数
だという事実である。この比率はサービスによってことなるのだが、Youtubeの場合その比率は、Web2.0Expoで得たデータによれば
1 : 10 : 250
ぐらいだそうである。つまり、youtube.comに自分からわざわざ出かけて言って面白そうなコンテンツを探す人は少数派で、ごく普通の人は、他の人のブログで面白そうなYoutubeビデオが紹介されているのを見るだけなのだ。
iPhoneのYoutubeアプリが使えないのは、それがわずか数パーセントの少数派に最適化されたものであり、一般ユーザー向けのものではないという点である。それに加えて、iPhone上のSafariが(まだ)Flashをサポートしていないので、一番肝心な「他の人のブログに紹介されているYoutubeビデオを見る」という機能が欠如しているのである。
iPhoneの一ユーザーとしては、「iPhoneのYoutube機能を使わない」だけのことであるが、もの作りをする立場の人間としては、「おもてなし設計」の難しさを再認識したしだいである。