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有川浩の本を読めば自衛隊に入隊したくなる?!

 有川浩の作品で最初に読んだのが「海の底」。私の最初の感想は「今時こんなの書くかよ。円谷全盛のころのパニック映画だぜ、これ。」しかし、パニック映画が大好きな妻は妙に気に入ったようで、次に買って来たのが「クジラの彼」。「これは恋愛ものだから、あなたも気に入ると思う」と妻に薦められて読み始めたのだが...自衛隊の隊員を主人公にした恋愛短編ものとは...。何ともことごとく予想外の本を書く作者である。

 ちなみに、この本の帯には

 「恋するふたりの間には、七つの海が横たわる。がんばれ女子、負けるな男子」

と書かれているが、これでは、いまいちこの本の面白さが伝わって来ない。それよりも、

 「ベッドの中で割れた腹筋を指摘されて怒ってしまった女自衛官の恋の行方は?」

の方が絶対に売れると思うんだが、どうだろう。

 ちなみに、「クジラの彼」のカバーには有川浩の写真が載っているのだが(これで作者が女性だと始めて知った私である)、自衛隊のヘリらしきものに乗ってピースをする著者って、どこから見ても「軍事オタク」。ここまで来て、ようやく彼女が「海の底」を書いた理由が見えて来たし、作者の伝えたいメッセージのようなものが伝わって来た。彼女は自衛隊がひたすら大好きなのだ。

 米国の軍人と違って、どうもあまり日本人の中では尊敬とか感謝とかされているとは言いがたい自衛隊員だが、こんな風に「自衛隊の中の人」にスポットライトを当ててくれる作者がいるってことだけで、日本の国防上、画期的なことなのかも知れない。トム・クルーズの「トップ・ガン」が実は米国海軍のキャンペーン映画だったことはよく知られたの事実だが、有川浩の小説のおかげで自衛隊に応募してくる人が増えたりするというのも絶対にない話でもないかも知れない。

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Comments

Bleph

はじめまして、いつも楽しく読ませていただいています。
鉄道員を書いた浅田次郎さんも、自衛隊に入隊していた過去があり、小説の中で時々内情について触れるのですが、自衛隊に対する愛情が感じられます。
自衛隊員が持つ誇りだけでなく、地方連絡部が人をかき集める必死さ、過去の自衛隊員の識字率の低さなど、情けない面や内部の矛盾についても書いていますが、軍隊がタブー視、蔑視されている日本の現状を変えたいというような意思が伝わってきます。
今回のエントリーを呼んで、それに少し似た印象をもちました。

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