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ベンチャー企業のビジネスプラン

 ここのところ、エンジェル投資家としてベンチャー企業のビジネスプランのプレゼンを聞く機会がたくさんある。そんな中から記憶に残ったものを簡単に紹介する(【】内は私の意見)。

・牛の胃袋の中に入れておいて牛の健康状態を測定した上で無線でサーバーに送り、どの牛が病気かを牧場主に知らせるデバイス【テクノロジーは面白いのだが、つい半年前までは人間向けの応用がビジネスになると主張していた点がいまいち。ビジネスモデルがころころと変わるのは良くないサイン】

・家のリモデルに関するさまざまな情報を共有するソシアル・ネットワークサービス【サイトは完成しているがまだリリースしていないとのこと。サービスをリリースして、少しは人が集まることを証明してから資金集めをすべき。チープ革命の時代なんだからまずは証明して欲しい】

・(リアルの)ソシアルネットワーグ型のネイル・サロン。すでに一号店は単体で黒字化しており、ビジネスの拡張のための資金集め【最近見た中では、もっともビジネスモデルがしっかりしている/経営陣が全員女性というのもなかなか】

・測定器用のナノチューブ針を製造するベンチャー【CEOは博士号を持ったバリバリの研究者。テクノロジーはすばらしいと思うけど、ビジネスになるのかどうかは疑問】

・100%無農薬で労働者から搾取しない農場だけからカカオ豆を買うという地球と人にやさしいチョコレート会社【試食したチョコレートがあまりおいしくなかったので、パス】

・ソシアル・ネットワーク型に履歴書を集めるというリクルーティング・サイト【アイデアはおもしろいんだが、実際に集めた履歴書の数がまだ少ない】

・各種のEメールアラートを一気に引き受けるサービス【どこに新規性があるのか不明。私だったらユーザーであっても、サービス側の人であっても使わない】

・地球にやさしいスポーツ用品をモットーにしたベンチャー企業。リサイクル可能なゴム、二酸化炭素を排出しない製造工程、無駄な素材を使わないもの作り、などで差別化【まもなく発売するというスポーツ・シューズを見せてもらったが、軽くてとても良い。今の時代にマッチしているかも】

・ニキビを直すレーザー治療ベンチャー。レーザー治療の機械そのものはコストで売って、同時に使うべきクリームで儲けるというビジネスモデル【ビジネスモデルはナイスだと思うけど、ニキビで悩む世代は金がないから、代わりになるクリームを見つけてしまうんじゃなか、と心配】

・手術で切り取った組織の代わりに体に埋め込んでおくと、自然にそのまわりに組織が成長して穴が埋まる(機能が戻るわけではない)という特殊なセラミック【すごいような気もするけど、私の得意分野からは遠すぎるのでパス】

 このリストを見ても分かる通り、ベンチャー企業と言ってもハイテク企業ばかりではないところが面白いところ。こんなベンチャー企業が何千何万と生まれては消えながらも、新しい雇用を生み出し、次のスタバ、次のGoogleを作る。それがこの国の原動力。

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Comments

YamaPing

 使えるかどうかなんて気にしないで とにかく声を上げてみる。日本では研究者ぐらいしかやっていない(研究者も出来ていない?)ことが 米国では当たり前なのでしょうね。
 弾さんの
http://blog.livedoor.jp/dankogai/archives/50998401.html
を見て、日本人は議論を嫌うから、出てくるアイディアの数も 洗練のされ具合も劣ってしまうのかなあ、と考えていたことの実例を 見せていただいたように思いました。

kotak

> 牛の胃袋の中に入れておいて牛の健康状態を測定した上で無線でサーバーに送り、どの牛が病気かを牧場主に知らせるデバイス
これと似たようなことを大学院時代に研究していました。

技術的には決して不可能ではないと思うのですが、それがビジネスに結びつくシナリオが描けません。

日本では、技術やアイデアをビジネスとして成り立たせるための人材が不足している(というか皆無?)のように思えます。
本田やソニーなどは、技術屋と営業マンがうまいこと分業できたことが中小から成長できた要因の一つだと考えています。
しかしながら、現在の日本の中小企業には技術力や人間的魅力のある社長の横に、ビジネスを作るスーツが座っている、という分業になかなかお目にかかることができません。

Googleでも創業者はエンジニアですが、スーツ組みが入ってビジネスとして成り立たせているそうですね。
米国ではMBA出身者が、そのようなビジネスの仕組みづくりを担っているのでしょうか?

shu

アメリカの大学にいる者です.

> 米国ではMBA出身者が、そのようなビジネスの仕組みづくりを担っているのでしょうか?

会社を経営するといった側面ではありませんが,こちらの大学のラボは国(NSFや軍)からの助成金を獲得したり,あるいは企業に対してアイディアとそれなりの実装を売り込んで共同研究という形で研究費を獲得しない限り,ラボ自体が潰れる(倒産とでも言いましょうか)ことが普通に起きます.ですので,Ph.D.の学生であっても常にどうやって自分の研究を売るかを考えています.アイディア/技術的な新しさはもちろん,具体的にどのようなシナリオでそのアイディアを使うとどのようなメリットがもたらされるかを考え,相手(国や企業,あるいはアドバイザー)を納得させることが重要なポイントになります.

アメリカでは,Ph.D.の学生はラボに雇われるのが普通ですので(大学にかかる費用+サラリーがラボから支払われます),その意味でも,意味のある研究をして自分が役に立つ人間であることを常に示す必要があります.(役に立たないとなると,首を切られます)

アメリカのPh.D.ホルダーは,技術力もさることながら,アイディアを売る,あるいは売れるアイディアを形にする訓練を受けています(「研究力」と呼べるかもしれません).もちろんそれだけでビジネスは成立しませんが,そういった人材が豊富にいること/生み出すためのシステムが整備されることが,アメリカの強みなんだろうな,と私は感じています.googleに雇用されるにはPh.D.が事実上必要というのも,その辺りがポイントなのでしょう.とは言え,そういった人材と技術をまとめあげ,巨額のビジネスにできるというのは,googleのすごいところですが.

slightly

ニキビは大人ニキビの類で悩みを持つ20~30代は多いと思いますよ。
特に独身のこの年代はお金もありますし十分マーケットとして扱えるのではないでしょうか。

Maki

<< こんなベンチャー企業が何千何万と生まれては消えながらも、
<< 新しい雇用を生み出し、次のスタバ、次のGoogleを作る。
<< それがこの国の原動力

Satoshiさん、同感です。
新しいサービス、また、新しいビジネスこそが、新しい市場を創っていくのではないかと思われます。だから、社会に、そして、経済に「イノベーション」が大切になってくる・・・・?!
ロンドン大学教授で、コンサルタントのゲーリー・ハメル氏は最近、経営者に対して次のような問いかけをしているようです、「あなたはイノベーション創りに対して、何か支援をしているでしょうか?!」....と。いま、(時代の要請としての)リーダーシップが大切になりつつあるのではないでしょうか。
「As you look at the management processes in your company, do they tend to help you work as an innovator or get in the way?」

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