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中島聡、小説家としてデビュー!?

有料メルマガ「週刊 Life is Beautiful」を始めてちょうど半年になる。読者も増え、執筆のリズムにも慣れて来たので、一つ小さな冒険をしてみる。以前からやってみたかった「短編小説」の執筆だ。

私自身、SFやミステリーは良く読むので、機会があったら、自分でも一度書いてみたいと思って来たのだ。しかし、実際に書籍として出版するとなると大事なので、なかなか手が出せなかったのだが、メルマガの特別号として配布する、という手段が取れることに気がつき、さっそく試してみることにしたのだ。 

ということで、4月3日号を利用して、小説第一号を発表させていただくことにした。以下がその小説の冒頭部分。

短編小説:ヨシノ 

ケイティ、

そろそろ大学にも寮生活にも慣れたことと思います。耳にたこが出来たと思うけど、健康な体が維持できなければ、勉強にも身が入らないのだから、規則正しい食事と早寝早起きだけはちゃんと続けてね。

それから大学でもテニスを続けることに関しては母さんも大賛成だけど、高校の時みたいにあまり夢中にならないように気をつけてね。大学のテニスチームには、プロなることを目指して入って来た人たちもいるんだから、その人たちと本気で張り合う必要はないのよ。そうは言っても、あなたのことですから、少なくとも対抗戦の代表選手にぐらいには選ばれないと気が済まないでしょうけど。

別れ際に伝えたように、母さんはシアトルの家は引き払って、サンタバーバラに引っ越します。でも、あの時に説明した「一人で暮らすにはあの家は大きすぎるから」というのは本当の理由じゃないの。あなたには色々と伝えなければならないことがあるんだけど、大学で新しい生活を始めようとしているあなたを心配させたり、混乱させたくなかったし、口頭でうまく伝えられる自信がなかったので、あの時には伝えずに、今、こんな形で手紙を書くことにしたの。

ここから先は、母さんのこれからのことや、あなたの出生のことも含めて、あなたが知っておくべきこと、これから暮らして行く上でとても重要なことを書くので、覚悟してこの手紙を読んでくださいね。もし、この手紙を学食とかカフェで読んでいるんだとしたら、続きは一人きりになれるところに移動してから読んでください。ケイティはとても強い子だから、泣き出してしまうようなことはないと思うけど、この手紙を読んでいるケイティの姿は友達には見せない方が良いと思います。

どこから話したら一番理解しやすいか、私も悩んだのだけど、あなたのひいお婆さんの話から始めることにします。私もこの話を初めて聞かされた時は、同じくひいお婆さん(私にとってはお婆さんだけど)の話からだったのを良く覚えているわ。

ひいお婆さんの名前は、「ヨシノ」という名前だったの。これは日本のある花にちなんだ名前だそうなんだけど、それについては後で説明するわね。ヨシノがどこで生まれたかについては、はっきりと記録には残っていないんだけど、経緯から考えて、ヨシノが9才の時まで暮らしていた南米のチリのカルデラという町の郊外にある生物工学研究所だと推測されているの。

当時はずいぶんと大きなニュースになったんだけど、当時、チリ国軍の若手将校たちがクーデターに失敗した後にたてこもったのが、その生物工学研究所だったの。人質になった研究者たちの多くが米国人だったこともあり、米軍までが動き出す大騒ぎになったそうよ。結局は、人質12人を道づれにした犯人たちの焼身自殺という不幸な結末を迎えたんだけど、その時に唯一生き残って救出されたのがヨシノだったの...

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Comments

You'll stealing from as.

ジェノサイドかっ__

You'll stealing from as.

対比?堆肥としてホーキング博士的なものも登場させたほうがいいですねっ・・・
欠陥もないかわりにっ、こぢんまりとまとまっただけの秀才だけでは
眠くなるだけで、凡なストーリーにしかならないのでっ・・・

RIKi

ずっとブログを読ませていただいてましたが、メルマガは有料だしどうしようかなぁと考えつづけたままで購読していませんでした。
でも、この小説の続きを読みたくて登録してしまいました。

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