「いつまでも成績が上がらない人」に共通する残念なノートのとりかた
「一生チャンスをものにできない人」に共通する残念な考え方

MBAで学べることより大切な、たった一つの人生の掟

6月1日に上梓した拙著『なぜ、あなたの仕事は終わらないのか?』(文響社)からの引用です。

◇ ◇ ◇

突然ですが、私はここでみなさんにお詫びをしなければいけないことがあります。

それは、ここまで長らく私の人生がトントン拍子にうまく進んできたかのように書いてきてしまったことです。

自慢話のようで鼻についた方もいたでしょう。そういう方にはお詫びを申し上げたいと思います。不快な思いをさせてしまったことと同時に、私の人生も決してうまくいったことばかりではなかったからです。

そういった話――すなわち、何かを成し遂げたり幸せな人生を手に入れたりするには、「好きなことに向き合い続けること以外に方法はない」という話――をこれからしていきたいのですが、私の人生の最大の試練は、初めてのスタートアップであるUIEvolutionを立ち上げた直後に訪れました。

起業直後から本当に失敗の連続でした。良いものを作っているはずなのに、なかなか売り上げにつながらず、お金が足りなくなって人を解雇しなければならない事態にまで追い詰められました。どうしてうまくいかないんだろう、何が間違っているんだろうと、それはもう想像を絶するほどの苦悶の日々でした。

自分に限界を感じた私は、会社がいったんほかの会社に買収されたのち、ワシントン大学に入学し、MBAのコースで会計やマーケティング、商品戦略などいろいろな勉強をして、経営学修士を取得しました。 「勉強のための勉強」はしないことを信条として生きていた私が、勉強をするほど追い詰められていたのです。

でも、勉強に二年を費やしましたが、無情にもそこに答えはありませんでした。

そこで考えたのは、「なぜマイクロソフト時代は何をしてもうまくいっていたのか」「何を作っても市場で受け入れられたし、上司にも気に入られていたのか」ということでした。

結局マイクロソフトですごかったのは、 Windows95のチームでした。コアな技術者が 30 人くらいで、ある意味異常なカルト集団だったのです。そのチームこそが、あのカイロを出し抜いた、シカゴのチームメンバーたちでした。

私たちはあのとき、熱狂していました。カイロにすでに相当なお金をつぎ込んでいるとか、社内の軋轢とか、どうでもよかったのです。

それよりも「俺たちが何よりもまず先にWindows95を出して、まずアップルをぶちのめす」「IBMをぶちのめす」。「そうして、世界に俺たちのほうが正しいことを証明してやる」と、それに向かって皆がまっしぐらだったから、ものすごく気持ちよく仕事ができていたわけです。

「こんなのを作りたいんだ」「これで俺たち証明してやるんだ」。「チームの存在、個人の存

在、なんでもいいんだけど、全部力技で証明してやる」と皆が思っていました。

全員がその方向で一致していました。思いは一つだったのです。

だからこそ何にも苦しくなかった。それがあったから1日 16 時間とか 17 時間とか働いても全然つらくなかったのです。

同じことをしていても目標がわかっていなかったり、上司に言われて「おまえ納期が迫っているんだから週末も来い」とか言われるとキツくてしょうがないはずです。実際には同じ時間働いているので、肉体にかかる負担は同じです。でも、楽しんでやっているかそうでないかで結果は変わってくる。すごく楽しかった思い出しか、その時期の記憶はなかったのです。

そういう試行錯誤の末にたどりついた一つ目の答えは、ベンチャー企業は普通うまくいかないのが当たり前だという、身も蓋もない現実でした。

商品を出して、何の工夫もせずに大ヒットするなんてことはありえません。 Twitter も YouTube も、製品をリリースしてみてうまくいかなければ修正し続けるのです。その中でつらいこともあって、一緒にやっていた人が辞めたり、お金がなくなったりするケースもあったでしょう。それでも突き進んだ人だけが成功している、ということに考えが至ったのです。

Googleも最初は全然ビジネスモデルなんてなかったわけです。じゃあなぜ、その人たちがやり続けることができたかと言うと、それはその人たちがそれをやりたかったからです。

お金目的の人たちが集まると、お金儲けでやるから、やり始めて「意外と儲からないな」と思った瞬間に人がちょっとずつ抜けていくようになります。全員がくじけないかもしれないけれど、やっぱり人は辞めていきます。

でも、こんなことを実現したい、という思いで人が集まると、そこに向かって走り続けられるのだと気づいたのです。

一つのサービスが成功したとかしないとか、誰かが抜けたとかいてくれたとか、お金がなくなったとか結構残ったとか、まぁそれはそれでつらいことだったりうれしいことではあるけれど、本当の目的に目を凝らしたら関係ないですよね。

目的はここでしょ、って。そうすると走り続けることができた。逆に言えば、そう思っている時にだけ走り続けることができていた。この走り続けられることが最も重要なことだったのです。

結局、ビジネスをどうやって成功させようかとか、お金の面をどうするかとか、人をどうやって増やすかとかどうとかこうとか、そういう話は些末な枝葉にすぎなかった。

答えはどれでもなくて、大切なのは共通の目的を持った者同士が集まったかどうか、それだけだったんです。それによってチーム全員で走り続けることができるわけですから。結果が出ていたのは、いつもそういうときだけだった。

そのためには結局、人一人の人生にとって一番大切なのは、自分の好きなことをやるかどうか、やり続けることができるかどうかだ、というシンプルな答えにたどりついたのです。

自分が幸せになれる行動をしないと、人は幸せにはなれない――。

そんな簡単なことに、そのとき私は気づいたのです。

そのことに気づくためには、MBAなんて一つも必要ではありませんでした。だからこそ、方法はそれしかないからこそ、私はあなたに行動してほしい。今までの自分を幸せにしない行動から早々に足を洗って、自分を幸せにするばかりの行動に舵を切ってほしい、その思いで筆を執っています。

だから私は、集中力を無理やり引き出さなければならない仕事はするな、とお伝えしたのです。これがあまりにも変えようのない人生におけるたった一つの真理だからです。

「このノウハウであなたも集中できます」と言っても、それは絶対嘘になってしまいます。私の本書での仕事は、あなたに本を読んで気持ちよくなってもらうことではなく、実際に行動を変えてもらうことです。

だから私は、ここでおためごかしを書くわけにはいかない。

最後は精神論しか語れなくなりますが、そのためになら、見栄も外聞も地位も名誉もかなぐり捨て、人生のすべてを賭けるほどの価値が、そこには絶対にあるのです。

 

Comments

いちる

素晴らしいです。僕も今試行錯誤の時期なのでとても励みになりました。

Nao

本当にその通りだと思います。

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