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「いつまでも英語や資格の勉強が終わらない人」に共通する残念な考え方

6月1日発売の拙著『なぜ、あなたの仕事は終わらないのか スピードは最強の武器である』からの引用です。

 ◇ ◇ ◇ 

目的があれば、勉強はたやすい

読者のみなさんの中には、きっと将来のために資格の勉強をしている方もたくさんいらっしゃると思います。そこで私なりの勉強に対する考えを述べたいと思います。

一言で言えば、目的のない勉強はするな、です。正確に言えば、勉強のための勉強に意味はないということです。

勉強のための勉強というのは、「なんとなく将来役立つかもしれないから」などの漠然とした理由で臨む勉強のことです。明確な目的のない勉強と言ってもいいでしょう。そういう勉強は得てして長続きしません。

私も「なんとなく」という理由で勉強したいことはあります。近年世界をにぎわせている人工知能なんかは、おもしろそうなので詳しく知りたいと思っています。将来役立つような気もしますし。けれどもそういった理由で勉強しても長続きしないし、途中で挫折することはわかっています。だから私は、何かきっかけがあるまで人工知能の勉強はしないようにしています。

きっかけというのは、たとえば仕事で人工知能を使ったソフトウェアを開発することになる、といった機会です。そんなソフトウェアを開発するためには人工知能の知識が必要になります。そのように明確な目標が決まって初めて調べ出します。勉強ではなく調べるのがキモです。

実際に私は、本業であるプログラミングについても「なんとなく」で勉強することはありません。もっといえば、私はプログラミングの勉強をしたことがありません。プログラムはすべて、あるソフトウェアを動かすための一つの構成要素です。プログラミングとは、その要素を作るための方法です。だから、将来役に立ちそうだからという漠然とした目標の下でプログラミング自体を勉強しようと思っても、つまらなくて長続きしないし、身に付きません。

一方、私はもともとコンピューターでゲームがしたい、というところからプログラマーのキャリアがスタートしました。つまり「ゲームを作るため」という明確な目標があったのです。だからプログラミングも挫折せずに続けられました。

ではプログラミングをどのように習得していったのかというと、これは「やりながら覚えた」という答えになります。何かやりたいことがあって、それを実行するときに必要なものだけを参考書や解説書から拾ってきて使う。実際に作ってみる。それの繰り返しです。

その例として、私が3年前に開発したアプリの話をします。プログラムの世界にOpenGLという3Dグラフィックの最新技術があります。以前からずっと勉強したかったのですが、必要がないので勉強は保留にしていました。しかし、3年前にあるアプリを開発する際に必要になるという機会に恵まれました。

そのアプリは、スマートフォンのカメラを向けると景色や人がリアルタイムでアニメーション風に描画されるというカメラアプリでした。これはVideo Shader (ビデオシェー

ダー)として2013年に公開されました。

開発に当たっては、GPU (グラフィックスプロセッシングユニット。パソコンやスマホ等の画像処理を担当する主要な部品の一つ)を使った高速な画像処理を行う必要があったので、OpenGLの説明書を読み、その機能を実装するために必要なことを調べました。そうしてOpenGLのグラフィック技術をビデオシェーダーに組み込むことができました。

この、アプリに必要な機能の作り方を調べて、実際に作って実装していく、を繰り返していくなかで私はOpenGLについて詳しくなっていきました。勉強という勉強はしていないにもかかわらずです。

OpenGLに詳しいプログラマーはあまり多くないので、周りから私はOpenGLの大家のように扱われました。しかし私はビデオシェーダーを作るのに必要だった知識しか持っていませんからOpenGLに本当に詳しい人からすれば私は「にわか」なのです。

これはたとえば、日曜大工で「ハンマーの使い方」を学ぶのではなく、「くぎの打ち方」を学ぶことに相当します。私にとってはくぎを打つことさえできれば、ハンマーでなく金属バットでも石でもなんでも十分だからです。

勉強はあくまで手段であり、それ以前に何かやりたいことがなければとくにする必要ないのです。そんな暇があったら、もっと本当にやりたいことに時間を注ぎ込むべきです。

英語の勉強をせずに話せるようになる方法

アイルラインド人の女の子をデートに誘いたい場合、英会話教室に通ったりする必要はありません。デートに誘うために最低限必要な英語を調べて、実際に誘えばいいだけです。

約束を取り付けることに成功した後も同じです。食事を楽しみたいのであれば、食事のときに必要な言葉を調べましょう。長時間話す自信がないのなら、「この後用事があって1時間しかいられないんです」と英語で言う練習をしておきましょう。とりあえず最初のデートのときは、このくらいの準備でいいのではないでしょうか。これを繰り返していれば、いつしか英語が話せるようになります。

ここで言っておきたいのですが、大事なのは「あなたは彼女とデートがしたくて誘った」ということです。英語の勉強をしたくてデートに誘ったわけではないですよね。ですから完璧な英語を話すことにばかり気を取られないでください。英語なんてコミュニケーションのための一つの手段にすぎません。必要があるときだけ調べておけばいいのです。

洋書を読みたいという動機で英語の勉強をしている方も多いと思うのですが、それなら、辞書を右手に、洋書を左手に持って読み出せばいいのです。「ちょっとそれは……」と躊躇する人は、そもそも英語で何かを読みたいわけではないということかもしれません。だとしたら時間の無駄ですから、すでに出ている翻訳書で我慢するか、その本の翻訳版が出るのを待ちましょう。海外のニュースを読みたいというのも同様です。辞書を引きながら今日から早速読み出せばいいだけです。

ハリウッドで映画を作りたいという場合でも同じです。そういった野望を持つ人は、英語を勉強する前に絵コンテを作ってハリウッドに行くべきです。あなたの目標はハリウッドで映画を作ることであり、英語を身に付けることではありません。もしかすると絵コンテが言語の壁を越えて認められるかもしれません。絵コンテが完成したときに必要なのは自分の絵コンテを英語で説明する能力くらいです。説明のためのスクリプトを作って、それだけ暗記して制作会社に営業にいきましょう。

仮に絵コンテがまだできていないのであれば、英語の勉強どころか、あなたはまずは絵コンテを描き始めるべきです。描き方がわからない? 全然問題ありません。絵コンテの描き方を調べて書き出しましょう。ストーリーの作り方がわからない? まったく問題ありません。ストーリーの作り方を調べてすぐにストーリーの作成に入りましょう。そういう方法を解説した本は、ごまんと出ています。

そのときには、ぜひロケットスタート時間術を使ってみてください。まずは40%の出来栄えでもかまいません。絵コンテにしてもストーリーにしても、想定の2割の時間で一気に全体を書き上げるのです。枝葉や装飾は、その後の8割の時間をかけてゆったりと付加していけば問題ありません。

英語の話は決して大げさな話ではありません。私もそういうことをしてきました。マイクロソフトにおけるすべてのプレゼンの場面で、いつも私は自分の作品と少しの言葉ですべてを伝えてきました。言語の壁はそんなに高くもないし厚くもありません。ただ何かを伝えたいという情熱さえあれば、壁は乗り越えられます。

あなたのやるべきことは英語を勉強することではありません。英語を使って何かをすることです。

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