ブログエントリーの一つ一つが音符、書物は一つの曲、じゃあブログは?

 スタートを切る第1章はいわば本書の“神髄”。テーマである「ユーザー・エクスペリエンス(おもてなし)」に関する考察を、「Life is beautiful」の過去エントリを交えながら綴っていきます。iPhoneが大ヒットした理由、翻ってソニーがiPodを出せなかった背景について、“ものづくり”の視点や組織体制の面から探ると共に、Apple TVリリースの裏に潜むアップルの戦略、任天堂の姿勢、新規書き下ろし「なぜグーグルはYouTubeを買収しなければならなかったのか?」などなど、業界事情を知る著者ならではの鋭い視点は必見です。【「おもてなしの経営学 アップルがソニーを超えた理由」の内容を一挙紹介!より引用】

 ちなみに、この本を作る段階で編集の方と色々と相談したのは、「どうやってブログや月刊asciiのコラムよりも付加価値の高いものにするか」。せっかく「書物」という形で出版するのだから、単にブログのエントリーを並べたり、月刊asciiのコラムを転載しただけでは、もったいない。

 そこで今回試みたのは、一つのテーマを選び(本書の場合は「なぜ私がアップルこそがソニーの最大のライバルだと結論付けたか」)、そのテーマに関連するエントリーを選び出した上で、それに解説を加えて間を埋めることにより、それを通して読者が一つの「時代の流れ」のようなものが読み取れる様にする、というもの。

 ブログだと、断片的な情報をその場その場に応じて発信しているだけなのでなかなか「流れ」のようなものは作り出しにくいし、読み取りにくい。それに対して、こんな形にすれば、バラバラの音符が合わさって一つの曲を作りだすかの様に、私からのメッセージがもっと明確に伝わるのではないか、と期待してのことだ。

 こう書いてみて思ったのだが、じゃあこのブログのように色々なテーマのエントリーが雑多に混ざり合うブログってなんなんだろう?不協和音だらけで、どう考えても交響曲ではない。どちらかと言うとホワイトノイズか?


米大統領選、選挙とネットと浮動票と

 ネットを利用した選挙活動を実質的に不可能にしている日本の選挙制度がいかに時代遅れであることかは前にもここで書いた。アメリカの大統領選で、当初はヒラリーに対して劣勢だったオバマが勢い良く追い上げている一番の原動力は、普段選挙などにはあまり感心を示さない若い人たちに、テレビではなく、ネットで彼のメッセージが届いているからだ、と私は解釈している。

 「誰が選挙で勝っても変わらないよ」と政治へのあきらめ感が強くなると、いわゆる「浮動票」を持つ人たちが選挙への興味をなくし、投票率が下がるのはどこの国でも同じ。投票率が下がると得をするのは、組織票を動かす力がある既得権者たちだ。

 オバマが今回の選挙で明確にターゲットとして定めたのは、若い人たちを中心にしたそんな浮動票層。「Yes we can - 僕たちには(アメリカを変えることが)出来るんだ」というメッセージは、「誰が選挙で勝っても変わらないなんてことはないよ。あきらめずに(ブッシュ政権を支えて来た既得権者たちと)戦おう」というものすごく分かりやすいメッセージ。

 そのオバマのメッセージを伝えるのに、とても重要な役割を果たしているのがネット。アメリカでも若い人たちのテレビ離れは進んでおり、彼らの主要な情報源はネットだ。オバマの分かりやすいメッセージは、Youtubeなどを通じて「普段は政治などに興味はなく、ネットで過ごす時間の方がテレビを見る時間より遥かに多い」層に着実に届いている。

 まだ大統領選の結果は分からないが、もしオバマが勝った場合には、それを「ネットを最大限に活用して浮動票を掘り起こしたから」との評価が下ることはほぼ間違いない。

 ちなみに、下に貼付けたのは、オバマの支援者たちが作ったミュージック・ビデオ。オバマがニューハンプシャーでの予備選の後に行ったスピーチを元に、オバマを応援するミュージシャンたちがボランティアで作った、プロの手によるマッシュ・ビデオだ。Youtubeにあがってからまだ1週間しかたっていないが、すでに400万回近く視聴されている。日本だと選挙違反になってしまうようなこのネット上のビデオが、アメリカの選挙に大きな影響を与えている。



「おもてなしの経営学」がアマゾンで注文できるようになりました

 3月11日に発売の拙著(始めて使う言葉、「せっちょ」と読むとは知らなかった^^;)「おもてなしの経営学 アップルがソニーを超えた理由」がもうアマゾンで注文できることを発見したので、さっそくご報告(宣伝、宣伝と^^)。

 「アルファ・ブロガーはなぜ本を書くことになるのか」というエントリーでも書いたが、こうやってブロガー自身が自分の本を宣伝してコツコツと売って行くという行動がスモール・ビジネスっぽいというか、ロングテールだというか。将来は、ブロガーによる部数限定の自費出版みたいな、もっともっと本当にロングテールな形のものが簡単に出来る様になるともっと裾野(すその)が広がるのに、と思ったりして(ちなみに、日本語にはちゃんと「裾野」っていう良い言葉があるのに、いつの間にか「ロングテール」という外来語が幅をきかせてしまうあたりが、なんとも。「ロングテール・ビジネス」の代わりに「裾野ビジネス」という言葉を流行らせて現代用語の基礎知識に載せるっていうのはどうだろう?)。

 ちなみに、同じ日にやはりアスキー出版から、ブログ「Tech Mom from Silicon Valley」の海部美知さんの本(「パラダイス鎖国 忘れられた大国・日本」)も出るので、それと会わせてご購入いただければ、1500円を超えて送料が無料になる(なんだかテレビショッピングのノリだ)。

 海部さんとは働く業界が多少オーバーラップするということもあり、ブログを通じて一度だけお会いしたことがあるのだが、かなり的を得たことをブログで書かれている方なので、私も読者の一人としてこの本には期待している。

 ちなみに、日本の携帯電話市場を「ガラパゴス諸島」と呼んで来た私としては、彼女の「パラダイス鎖国」論にはとても共感する部分があるので、そこも含めて一度対談でもさせていただけると面白い話ができるのではと考えている。


雑誌にブログのURLの掲載を断られてしまった

 とあるビジネス誌(週刊誌)の編集者の方から、今回のMicrosoftによるYahooの買収話に関する記事を一つ書いて欲しいとのリクエストをいただいたので、「喜んで書きますが、私の名前の横にブログのURLを掲載してくださいね」と返事をすると、「レイアウトの関係でURLは掲載できません」との返事が来るではないか。レイアウト上そうなっているなら仕方があるまいと、「じゃあ、記事の中にURLを含めますが問題ありませんよね」と返事を書くと、「それは困る」とのこと。

 私としても、ビジネス誌の読者のトラフィックがブログに誘導できれば、との思いで喜んで受けようと思ったのに、これではどうしたものか悩んでしまう。私のブログが週刊誌の読者を奪うと心配しているとは思えないし、まさかネット全体を目の敵にしているはずもないので、なぜURLが掲載出来ないのかが理解できない。

 月刊asciiのコラムとこのブログとの両立がだんだんリズムに乗って来て、「やはりネットと雑誌は敵ではなくお互いに補完し合うべきもの」と感じ始めて来た私としては、今回の件はいささか残念である。まあ、こういうのも過渡期だからこそ起こる話で、そのうちURLを持たない著者なんて逆にうさんくさく思われる時代が来るのだろうから、それまではあまり目くじらを立てずにのんびりとかまえるか...といいつつ、編集者への返事を保留している私がここにいる。


個人のブランド力を磨くことの大切さ

 先日紹介したばかりの「リッツ・カールトンで学んだ仕事でいちばん大事なこと」。もう一つぜひとも引用したかった部分があるので、今日はそれの紹介。

 ときどき、企業のブランド力を自分自身のブランド力と錯覚している人がいます。ところが、勤めている間は気がつかないものですが、バックにあった会社がなくなると、突然まわりが冷たくなるということが少なくありません。

 よく、「会社を辞めたとたん誰からも相手にされなくなった」とか、「独立したら会社に勤めていたときの取引先に無向きもされない」などという話を聞きますが、それはその人自身に、ブランド力がなかったということです。

 ◇ ◇ ◇

 横並びが尊重された時代にはブランドというものを身につける必要などなかったかもしれません。むしろ「出る杭は打たれる」からブランドなどないほうがよかったのかもしれません。

 ですが、年功序列や終身雇用が崩壊した時代を生き抜いていくためには個人のブランドはどうしても必要です。会社にもたれかからないで、自分で考え、自分で決めて、自分で行動して、人生のオーナーシップを自ら手にすることです。

 ストレートで分かりやすいメッセージなので私があれこれと解説する必要もないが、これの意味するところは、本来リスクが少ないはずの大企業に入ったはずなのに、逆に「その企業のブランド力に頼ってしまい、個人としてのブランド力を養う貴重な機会を失ってしまった」人たちがたくさんいる、という話。

 「今たまたま注目されている有名企業」にばかり行きたがる就職活動中の学生たちにこそ、ぜひとも考えていただきたいテーマである。


法律の勉強:社員に株式を与える4つの方法

 米国のベンチャー企業に関わる場合、社員であろうと、経営者であろうと、投資家であろうと、社員にインセンティブとして与える株式に関してちゃんと理解しておくことは大切。これから米国のベンチャー企業で一旗あげようという人たちには必須の知識だ。今までは「なんとなく理解していた」だけだったが、今回、ちゃんと勉強する機会があったので、ここにまとめておく。

1。Incentive Stock Option(ISO)

 これは、二種類あるストック・オプションのうちでも非常に特殊なもの。税金面で言えば、オプションを与えられた時(grant)にも行使した時にも税金が発生せず、株式を売却して現金を得た時に初めて税金がかかる。それも、キャピタルゲインの扱いなので、税率は低い(現状15%)。

 良い話ばかりのISOだが、ISOと認められるための条件はとても厳しい。

(1)オプション・プランは株主の同意が必要
(2)オプション・プランは10年間のみ有効
(3)オプションは10年以内に行使しなければならない
(4)オプション価格はマーケットの価格以下ではいけない
(5)オプションを他人に譲渡することはできない(ただし死亡した場合を除く)
(6)オプションをもらった人は会社の10%以上の株式を持つことはできない
(7)ISOの対象となる株式全体の価格は10万ドルを超えてはいけない
(8)ISOで入手した株式は、grantされてから2年以内、行使してから1年以内に売ってはいけない
(9)ISOを受け取る社員は、grantされた時から、オプションを行使する三ヶ月前までは社員でなければならない

2。Nonqualified Stock Option(NSO)

 ISOとして認められるべき条件を一つでも満たしていないものは、NSOと呼ばれる。NSOの場合、ISOと異なり、オプションを公使した際に、公使価格と行使時のマーケットの価格との差額を(キャピタルゲイン)ではなくて(給与所得と同じく)通常の収入として申告しなければならない。

 ちなみに、私がマイクロソフトでもらっていたストック・オプションはNSO。そのため、ストック・オプションで得た収入は、通常の給与所得と合算して申告していたので、(年度にもよるが)33〜36%の税金を払わされていた。マイクロソフトの株が上がり続けると信じていた連中は、株式が安いうちにオプションの行使だけして株式に換えておき、それをしばらく保有してから売却するという方法(その場合は行使後の値上がりはキャピタルゲインなので税率が低い)をとって税金を節約していたが、それはそれでリスクがある(万が一値下がりした場合は、余計な税金を払わせられることになる)。

 NSOの場合、オプションを行使できるタイミングや、株式を売却できるタイミングは会社側が自由に決めて良いのだが、通常はオプションのgrant後、勤続年数にしたがって行使できる部分が少しづつ増える、という条件を付けることにより、優秀な社員を会社につなぎ止める「黄金の手錠(Golden Handcuffs)」の役目を果たさせる。

3。Bonus Stock

 単純に株式を社員に譲渡すること。ストックオプションと違って、実際の株なので、株主としての投票権がすぐに生じるなどのメリットがあるが、税金面ではその時点での株価の100%が通常の所得として見なされるので、その場で(株を売却する前に)税金を払わなければならなくなる点がデメリットである。その税金の資金のために社員が株を売らなければならないとすれば、せっかくのインセンティブの役目も果たさなくなる。それに加えて、株式をもらった社員はいつでも辞めることができるので、「黄金の手錠」としての効果はほとんど無い。

4。Restricted Stock

 これは税金面で不利で、インセンティブとしての効果が薄いBonus Stockを改良したもの。株式はすぐに付与するものの、「10年以内に会社を辞めた場合、残りの年数に応じて株式は返却しなければならない」という条件を付帯するもの。このような付帯条件を付けることにより、税金面では「付帯条件が外れた時点で収入と見なす」という法律が適用されるため、Bonus Stockよりは有利である。ただし、収入の計算は付帯条件がはずれた時の株価を使って計算するため、付与された時よりも株価が上がっていれば、付帯条件なしのBonus Stockよりも多くの税金を払うことになる(Bonus Stockの場合は、値上がり分はすべて低税率のキャピタルとなる)。

 会社側から見ると、この付帯条件が「黄金の手錠」の役目を果たして社員を会社につなぎ止めることになるので、ストック・オプションとほぼ同じ効果を生む。

(厳密にはこの4つに加えて、Stock Appreciation Right StrategyとPhantom Stock Planというもう二つの方法があるが、ベンチャー企業で使われたという話を聞いたことがないので、割愛させていただいた)。

 ◇ ◇ ◇

 ちなみに、マイクロソフトは数年前にNSOからRestricted Stockに切り替えたが、理由は二つある。一つは2000年以降、株価の上昇がにぶり始めたため、株価が上昇しないと一銭にもならないストック・オプションの魅力が薄れ始めたこと。もう一つは、社員に与えるストック・オプションもコストとして計上しなければならなくなったため、会計上のメリットがなくなったこと。

 日本は日本で別の法律があるので、日本で働く人たちには直接参考にはならないかも知れないが、この分野に関しては日本の法律が米国の法律に準拠して行く 可能性は高いし、日本で働いていても米国の会社の日本法人で働く場合には、米国の本社が設定したインセンティブ・プログラムがそのまま適用される場合が多 い(例:マイクロソフト)ので、頭に入れておいても損はない話だ。

【追記】ついでに、ストックオプション関係で覚えておくと良い英単語をいくつか。

Stock Option Grant:会社がインセンティブのために、社員にくれる、株をある一定の価格(grant price)で買う権利のこと。通常はその価格は、オプションをくれた時(grant時)の価格。その後株価が上昇してもgrant時の価格で買えるので、値上がり分だけ儲かることになる。

Exercise: 社員が持っているストックオプションの権利を行使すること(つまり、grant時に設定された価格で株を買うこと)。

Grant Price:grantされたストックオプションを行使する時に、払う必要のある一株あたりの価格。

Vesting: 通常は、grantされたストックオプションはすぐに行使することはできなく、ある一定の期間ごとに少しづつ行使可能になる。vestingとは「オプションが行使が可能になる」こと。

Expiration Date: 株と違って、ストックオプションには期限がある(多くの場合10年)。ストックオプションが行使可能な最後の日をExpiration Dateと呼び、その日を一日でも過ぎたら、ストックオプションは行使できなくなる。


ビル・ゲイツの引退スピーチビデオ

 去年宣言した通り、今年が最後のCESにおける基調講演になるビル・ゲイツ。その基調講演の冒頭に、流したのがこのビデオ。なんともビル・ゲイツらしいビデオでもあるが登場人物がすごい。こうやっていつかはビル・ゲイツが過去の人になることは誰もが予想していたとしても、なんとなく不思議な気持ち。しかし、CE(Consumer Electronics)業界で一番輝くAppleが不在のCESというのは、何なんだろう(追記:Appleが会社名から"computer"をはずし、Consumer Electronicsへ注力することを宣言したのはわずか1年前のことである)。業界内部の人間としては、この手のイベントはミーティングの場としては最高だが、マーケティング面での価値はかなり低くなっているというのが実感である。


作家佐々木譲氏にコメントをいただいた件について 

 先日書いたUFOに関するエントリーに見慣れぬURLからのトラフィックが流れ込んでいるのでそこをたどって見つけたのがこれ。

 ご無沙汰しております。UFOの件で、町村さんのコメントはもちろん? なのですが、それより何よりUFOという言葉って何だったんだろうといろいろ不思議に思っていたら、この方がズバッと説明してくれていました。

https://satoshi.blogs.com/life/2007/12/ufo.html

 私はこの方のコメントに同感なのであります。
Posted by 森末 at 2007年12月20日 16:34
 ◇ ◇ ◇

 森末さま、わたしもこのサイトの書き手の意見には賛同します。そもそも政府見解はアメリカ政府の 見解にならっているはずで、報道された文言よりももっと厳密な言い回しだったのではないでしょうか。町村発言は、たぶん政府見解の意味すら理解していない ところから出てきたものでしょう。

 話が通じるひとと思っていたのに、とつぜんその相手が血液型を話題にしたりすると、萎えますね。

Posted by 佐々木譲 at 2007年12月21日 23:31

佐々木譲のプッシュピン: 08年前半の掲示板より引用】

 作家佐々木譲がファンのために書いているブログのコメント欄でファンの一人が私のエントリーを引用し、それを佐々木氏が読んだ上で「書き手の意見には賛同」とコメントしているのだ。賛同していただいたのもうれしかったのだが、私の琴線に触れたのはこのセリフ。

 話が通じるひとと思っていたのに、とつぜんその相手が血液型を話題にしたりすると、萎えますね。

 これには思わず笑ってしまった。私も同じような経験があるからだ。

 学生時代は、女子学生に受けるからという理由だけのためだけに血液型とか星座うらないとかを勉強して合コンにのぞんでいた私とその合コン仲間たちだが、あるときにその合コン仲間の一人が血液型正確判断を結構本気にしていることを発見して愕然とした思い出がある。「あれは合コンの席だけの話題作りの『たわごと』だろう!」とツッコミを入れたかったのだが、相方があまりにも真剣なので言いそびれてしまったことを良く覚えている。

 ちなみに妻が警察ミステリー好きなこともあり佐々木譲の作品は数冊読んでいる私である。一番印象に残っているのは「エトロフ発緊急電」。最近の作品だと「うたう警官」。前者は戦時中のスパイもの、後者は警察の内部告発をテーマにしたもの。どちらも丁寧に書き込んだ読み応えのある作品だ。


「言論の自由」の大切さに関して一言

 民主党は18歳未満の若年者が犯罪に巻き込まれるのを防ぐため、インターネット上の違法・有害サイトの削除をプロバイダーなどに義務付ける法案の国会提出に向け、党内調整を始めた。自殺勧誘や、児童買春の温床とされる出会い系や児童ポルノなどに簡単にアクセスできないようにする狙い。与党との共同提出も視野に入れており、今月召集の通常国会での成立を目指す。 検討中の法案では、サイト開設者やプロバイダーは違法情報を発見し次第、削除しなくてはならないと規定。違法かどうか明確でなくとも、有害な恐れがある場合は児童が閲覧できなくなるような措置を講じるよう義務付ける。罰則を設けることも視野に入れる。

NIKKEI NET(日経ネット):主要ニュース−各分野の重要ニュースを掲載より引用】

 弾さんも指摘していたが、この民主党の発言は先進国の政党としては許しがたい発言。イギリスやアメリカなら法案どころか、それを臭わす発言をしただけで総たたきに会う。日本のマスコミは必要もない政治家の発言のミスを重箱の墨をつつく様に避難するが、これは真っ向から思いっきり避難すべきこと。法案の撤回をするまで徹底的にやるべき。

 政府による「有害サイトの削除」とはすなわち「検閲」であり「言論統制」。児童ポルノのようにあきらかに違法なものは今の法律でも削除命令を出せるわけで、それを「違法かどうか明確でなくとも、有害な恐れがある場合には」とあいまいで、かつ憲法で明確に定義された「言論の自由」と矛盾するような法案を出す民主党はいったい何を考えているのか理解できない。

 「言論の自由」は国民に与えられた基本的人権の一つ。「ホモセクシュアル」であろうと「金正日への崇拝」であろうと、どんなに一般常識で考えて「倒錯」した思想であろうと、思想そのものを持つことには100%の自由が与えられるのが内面的な精神の自由。それを表現する際にもその表現そのものが児童ポルノのように違法でない限りは許される、というのが表現の自由(もしくは外面的な精神の自由)。

 その表現の自由を「有害な恐れがある場合は」という曖昧な表現の法案でないがしろにすることは、その時の為政者の都合による勝手な検閲・言論統制を許す抜け道を作ることになり、とても危険だ。

 政府が「ホモセクシュアルな行動を促す発言は有害」、「金正日を崇拝する発言は有害」、「神仏を侮辱するような発言は有害」と次々に違法サイトに削除命令を出し始めたらどうなるか考えて欲しい。それが許されるなら、次に来るのは「憲法九条の改正に反対する発言は有害」、「日米安保条約を批判する発言は有害」、「自衛隊の軍事行動を批判する発言は有害」だ。そんな言論統制がされている国に住みたいのか?

 私はそろそろ民主党に政権をとらせるのも良いタイミングかと考えていたが、この法案だけは許せない。民主党はすぐに撤回すべき。それができないのであれば、こんな法律の抜け道を作ってしまって、後の政権の横暴をどうやって阻止するつもりなのかを説明して欲しい。


Steve Jobsとドコモの中村社長との会談を想像してみる

According to a report in the Wall Street Journal, Apple has entered into talks with both NTT DoCoMo and Softbank for an iPhone deal in Japan. Apple CEO Steve Jobs recently met with DoCoMo's president Masao Nakamura and executives from both Japanese carriers have visited Apple's Cupertino offices in recent weeks. Apple is considered to be more interested in partnering with DoCoMo since its preference is generally for the carrier with the most subscribers in a given country, however, Softbank has been bullish on a deal. As always, the sticky wicket for the iPhone maker is the revenue share agreement, which some claim to be around 10 percent of revenues from the phone's users.

 ウォールストリートによると、ドコモとソフトバンクのiPhone争奪戦が佳境を迎えているようで、ごく最近もSteve Jobsとドコモの中村社長との会談があったとのこと。この記事から想像するかぎり、こんな会話があったに違いない。

Jobs:ナカムラさん、AppleとしてもぜひともNTTドコモとパートナーシップを組みたいと考えています。
中村:それは光栄です。ドコモとしても、ぜひともiPhoneをユーザーに提供したいし、加入者からもそんな声が届いている。
Jobs:それならば話は簡単だ。先に渡してある契約書にサインをいただければさっそく製造に取りかかる準備はできている。
中村:いや、ちょっと待っていただきたい。あの契約書の条件には一つだけ問題がある。
Jobs:聞いているよ、レベニューシェアの件だね。
中村:ドコモとしては月額課金のレベニューシェアはしない方針だ。
Jobs:頭から「しない方針」という言い方は無いと思う。iPhoneは全く新しいカテゴリーのデバイスだ。
中村:それは分かっているが、前例がないことはそう簡単にはできない。
Jobs:前例ならすでにAT&Tとの契約がそうだ。彼らには、Appleを単なるデバイスメーカーではなく、いっしょにワイアレス・サービスを作るパートナーとして見てもらえたからこそレベニューシェアを認めてもらえたと理解している。
中村:そうは言っても、そんなことをし始めたら、他の端末メーカーが黙っていない。
Jobs:他のメーカーと一緒にしてもらっては困る。他のメーカーのように、端末の買い上げをしてもらう必要も、ミニマム・コミットメントをしてもらう必要もない。在庫リスクはすべてこちらが負う。アップルショップでも積極的に販売して行く。
中村:確かに、その意味では大きく違うんだが...
Jobs:ドコモも販売奨励金の廃止に向けて動き始めたと聞いている。ここは大きくビジネスモデルを転換させる良い機会だ。
中村:そうは言ってもレベニューシェアは。それも10%とは破格すぎる。
Jobs:ソフトバンクはそう考えていない。彼らは15%まで出す覚悟があるそうだ。
中村:ソフトバンクとも話しているのか。
Jobs:あちらからコンタクトして来たから話を聞いただけだ。最初に言った様に、アップルとしてはぜひともNTTドコモと組みたい。その意思は変わらない。
中村:それはありがたいんだが、レベニューシェアだけは...
Jobs:ナカムラさん、私もぜひともドコモのユーザーにiPhoneを使って欲しいんです。Appleとドコモで手を組んで、販売奨励金で歪んだビジネスモデルを一気に立て直しましょう!(と手を差し伸べるJobs)

 想像するだけで楽しい。さあ、どうするドコモ?