今週の週刊 Life is Beautiful : 11月15日号
2011.11.12
今週号の週刊 Life is Beautifulの配信準備が整ったので、簡単に内容を抜粋して紹介する。
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先週、気になったニュースはやはりオリンパスの粉飾決算事件。日本の会社は、形だけは欧米と同じ「株式会社」という形態を取ってはいるが、実際には「会社が誰のものか」が曖昧で、かつ、取締役会のほとんどのメンバーが経営陣だというとても特殊な形になっている。そのため、すべてがうまく行っている時は良いのだが、一度歯車が狂い始めると、それを監視する仕組みがないために、今回のようなルール違反を平然としてしまう。...
時事トピック
iPhoneが加速する通信革命(7)
iPhoneが登場したのは2007年のことだが(発表は1月、発売は7月)、その前夜にあたる2006年は米国のモバイル業界にとっては、少し停滞ぎみの年であった。日本のコンテンツ・プロバイダーによる米国のコンテンツ・プロバイダーの買収がさかんに行われたのは2004年前後...
エンジニアのための経営学:Discount Cash Flow と Net Present Value(3)
読者の一人から、Discount Cash Flowに関してとても良い質問が送られて来たので、今日はそれに答えます。
Discount Cash Flow では銀行預金の金利をベースに考えていますが,日本のような超低金利の世界だと計算上はあまり影響が大きくないことになります。一方で投資家の目線で見ると,銀行預金以外の選択肢もあるわけで,そういった選択肢よりも投資が魅力的かどうかが問題になってきます。そう考えると,Discount Cash Flow を計算するときに,銀行預金の金利以外についても考慮した指標にするべきだと思っています。質問としては,(1) そういった考え方があるのか,(2) 実務家の目線の実感としてそのような指標には意味があるのか,といったところの考えをお聞かせいただければ幸いです。
結論から先に言えば、Discount Cash Flowにおいて銀行預金の金利をベースに考えるのは間違いで、それぞれの企業のリスクに応じた金利を適用する必要があります...
ブログには書けない話・書かない話
私が Internet Explorer の開発に関った理由: その3
社内で評判になりつつあった Light-weight Server を商品化するアイデアに目覚めた私は、上級副社長のBrad Silverbergのオフィスに押しかけた。WindowsチームとInternet Explorerチームの両方を統括する立場の人物で、私から見れば、上司の上司のさらにその上司であった...
読者からの質問コーナー
今週は、読者の一人から送られて来た、以下の質問に答えてみたいと思います。
MicrosoftやGoogleは自社製品やサービスを提供する、いわば「サービス指向型」なビジネスです。だからこそ、野球選手のような優秀な人材を集めることが重要なのは理解できます。
ですが、官公庁・特殊法人および銀行などの大企業からの受注というのは、いわば「案件指向型」です。タイプが異なるので、必要な人材も多少異なるのは当然だと思います。
そこでですが、シアトルでは官公庁や銀行などから請け負う「案件指向型」というビジネスは存在しないのでしょうか?もし存在するのであれば、日本のゼネコン型とはどこがどのように異なって成立しているのでしょうか?
米国にも、日本のITゼネコンと同じ様に、「案件指向型(英語だと Engineering Service)」のビジネスをしている会社はあります。IBMとかAccentureが良い例です。私がシアトルに作った UIEvolution Inc. も...