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便器のハエ

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 話には聞いたことがあったが、実物を見るのは(そして使うのは)初めてである。アムステルダムの空港の男性用便器の内側には、実物大のハエの絵が描いてあるのである。ちょうど天井からの明かりが当たらない部分に書いてあるので、良く目をこらして見ないと、絵だとは分からない。実験によると、ここにハエの絵が描いてあると、そのハエを落としてやろうと集中するため、便器の外にこぼす人が減るそうである。

 確かに初めて使う時は本物のハエと勘違いする人もいて、そのために効果もあがるだろうが、一度絵だと知ってしまうと効果がなくなってしまうのではないだろうか?ここが、「実験」の難しいところである。「実験」では、なかなか、慣れてしまった人の行動まで測定するのは難しい。ちなみに、アムステルダムの空港では、これにより本当にこぼす人が減ったのだろうか?空港というのは、一元の客が多いので効果が多いのだろうか?ということは、他の公衆便所でもこれを採用すると、効果が下がってしまうのだろうか?

 ちなみに、便器に携帯電話を近づけて写真を撮っているときに人が入ってきて、とても気まずい思いをしてしまった。いったい何をしていると思われただろう…便器フェチにでも見えただろうか? ちなみに、有機型の電池には「ウンチ」をするタイプもあるそうであるから、「日本の携帯は進化しているから、ときどきトイレに連れてこないといけないんだ」とでもジョークを言うべきだっただろうか?知らない人にバカなジョークを言って許される(というか、それが社会の潤滑剤の役目をしている)シアトルでなら言えただろうが、初めての都市ではそんなことは出来なかった。そそくさと手を洗って出ただけである。ああ…


プレステとゲームの流通革命

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 いわゆる「ソニー本」と呼ばれるソニーに関するビジネス書は沢山読んだが、この本は抜きん出て良く書けている。他のソニー本が、「ソニー神話」の表面ばかり(例えば、大賀氏が「Do it!」と言っただとか)捕らえているのに対し、この本はプレステの成功ストーリーをしっかりと戦略の深部を捉えて書き込んでいるところが大きく違う。私が今まであっさりと聞き流していた、「プレステはCDROMを採用したから任天堂に勝った」という言葉の意味の重さが良く理解できた。

 この本によると、ソニーがCDROMを選んだ理由は、単に「CDだと作るのが安いので小さなソフトハウスも含めて沢山のゲームが作れる」などという表面的なものではなく、「大量の在庫を覚悟しながら売り上げの見込みに基づいてROMカートリッジを大量に生産・流通しなければいけなかったゲームの流通を、CDROMというわずか3日で増産が可能な媒体に買えることにより、オンデマンドでの生産が可能になる」という戦略的な理由からだそうである。これは、トヨタのカンバン方式、デルのインターネット通販、コンビニ革命、に匹敵する流通革命である。この流通革命が、この本に書いてあるように意図的に行われたのだとすれば、プレステの勝利は決して偶然ではなく、正しい戦略により必然的に導かれた勝利であり、久多良木氏に脱帽するしかない。

 それを踏まえた上で(つまり久多良木氏が天才的な戦略家だということを理解した上で)、久多良木氏の最近の発言(ソニーはチップビジネスに賭ける)を聞いていると、インテルの人たちは枕を高くして眠れないんじゃないかと思う。特に「CELLチップはHDTVなどの大量のストリーミングデータをさばくサーバー向けに設計している」というセリフはすごい意味を持っていると思う。もちろん、まずは HDTV のレコーディングが可能なホームサーバー(つまり次世代PSX)を作るっていうことを言っているのだろうが、インターネット側に置くストリーミングサーバーをPCではなく、専用のハードウェアで置き換えるっていうのは十分ありうる話じゃないだろうか?ソニーピクチャーズの今までの映画の資産が全てHDTVクオリティでインターネット配信されて、それをインテルチップの乗ったWindows や Linux マシンを使わずに、数千のハードウェアビデオサーバーがクラスター的に繋がって世界中の何億の人にオンデマンドで映像を提供するっていうのは、久多良木さんなら見そうな夢である。コンテンツも、ハードウェアも、サービスも全てソニー製である。これじゃ、Microsoft や Comcast の人たちも枕を高くして眠れない…


アムステルダム空港でインターネット

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 ちょうど今、アムステルダム空港のオランダ航空のラウンジでこれを書いている。残念なことに(アラスカエアーのように)無料のインターネットは提供していないが、インターネットの自販機があり、クレジットカードでワイアレス(WiFi)接続を「買う」ことができる。24時間使い放題で10ユーロ(約1300円)である。米国で同じようなサービスをしている Wayport より少し高い(Wayport は $6.95、約750円 だったと思う)が、自販機で買えるという所が良く出来ている。少なくともサービスがあるということが自販機により良く分かるし、クレジットカード番号をブラウザーで入力するという抵抗感が無い。

 カンヌで催される GSM コンファレンスに行く途中なのだが、乗り継ぎが悪く6時間もここにいなければならない。インターネットがあって大助かりだ。最初の2時間(米国が起きていられるぎりぎりの時間)で、米国・日本の色々な人とメールの交換が出来たので、とても仕事がはかどった。特に今週は取締役会議が火曜日にあるので、その下準備で大忙しだったので、大助かりだ。10年前にはスパイ映画でもこんなことは出来なかった。次の10年はどんな進歩があるのだろう。


高輪のマンションからの夜景

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 携帯のカメラでは、さすがに夜景はうまく撮れないので、あまりきれいな写真ではないが、これは先日見に行った高輪の新築マンションからの夜景である。ルーフバルコニーが広く、品川のビルの夜景がなかなかきれいな良い部屋であったが、結局は「高輪で生活するのは不便」という結論に至って、今回は見送りである。一つ勉強になったのが、「新築でも値切れる」ということである。こちらから聞く前に、セールスの人が先に、「○○万円ぐらいなら勉強できると思います」と言って来た。景気の回復を先取りして、マンションが大量に供給されているため、「買い手市場」になっているようだ。


梅の花

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 カメラ付き携帯のなんともすばらしいところは、持つ人を全て、にわか「カメラ小僧」にしてしまうところである。ちょっと記憶に残したい映像を、いつでも簡単に写真に残せるというのは本当にすばらしいことだと思う。これは世田谷の家の近くで散歩しているときにドコモのSH505iの接写モードで撮った梅の花の写真である。


犬の散歩は冬の朝が一番

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 普段は米国シアトルで単身赴任中の私であるが、日本に戻ってきた時には、犬の散歩をほぼ毎日するのが日課である。夏の散歩は例え早朝でもあせびっしょりになってしまい、仕事に行く前にシャワーを浴びなければいけなくなるほどだが、冬の散歩はとても気持ちが良い。からっと晴れた冬の寒い朝にコートを着て、サクサクと歩いていると段々ポカポカしてくる。その時に背中にあたる朝日の気持ちいいことといったら無い。気がついたら散歩のコースはいつも家から東の方へまず歩くコースになっていた。そうすると、戻りの道で背中に日があたるのである。


「ブタにやさしい」韓国の爪楊枝

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 韓国の爪楊枝は、木ではなく、でんぷんで作った爪楊枝である。今はやりの「地球にやさしい」爪楊枝かと思いきや、実は、「ブタにやさしい」爪楊枝だそうである。先に述べたように、韓国ではレストランが競って「おかず」をサービスするため、食べ残しが多く、それを無駄にしないために、分別ごみとして収集し、ブタのえさにするそうである。このとき、木の爪楊枝が混ざっていると、一緒に食べたブタの胃袋に穴が開いてしまうそうである(考えただけで痛そう)。でんぷんで作った爪楊枝なら、唾液や胃液で柔らかくなるので、安全だそうである。


紫の炎

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 ユンポカルビは炭焼きだが、炭に肉の脂がしたたらない様に工夫がしてあり、それに感動してとった写真がこれである。すると、驚いたことに炭の炎が紫に写る。原因を色々と考えてみたのだが、同席していた山本さんの意見が最もそれらしいので、紹介する。山本さんによると、初期のデジカメのCCDは赤外線に敏感すぎ、薄着だと中が透けて写ってしまうという問題があったそうである。その反動で、今のデジカメのCCDは、あえて赤外線に鈍感に作ってあり、そのせいで肉眼に見える赤でも周波数の低い(つまり赤外線に近い周波数を持つ)赤には反応しにくいと予想できる。炭の炎は、周波数の低い赤が強いために肉眼には赤く見えるが、周波数の高い赤は弱いため、周波数の低い赤に反応しないCCDには、青みがかって見えるのだろうとの予想である。


ユンポカルビ

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 黒川さんの持ってきた、観光グルメ本でやたらと褒めてある焼き肉屋、「ユンポカルビ」に行ってきた。カルビ発祥の地、水原(スーワン)に来たら、ぜひ寄るべき店だそうである。確かにおいしかった。韓国の料理屋は「おかず」をサービスで付けてくれるのが特徴だが、この店の「おかず」は上の写真で見ても分かるとおり特に豪華であった。これで25000ウォン(約2500円)は安いと思うのだが、肉がおいしいので、つい肉を3回もお代わりしてしまった。3人で1.8キロも肉を食べた計算になる。思い出すだけで、おなかがいっぱいになる。


模範タクシー

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 現地の人に聞いたのだが、韓国でタクシーに乗るときは、「模範タクシー」に乗るべきだそうである。韓国では、15年無事故でタクシードライバーをすると、この「模範タクシー」という個人タクシーのドライバーになれるのだそうだ。少し割高だが、安全だし、ボられたりすることがないとのことである。今回の出張では、何回か「模範タクシー」を利用したが、皆、確かにとても感じの良いタクシードライバーであった。