アクセスの豪華ヨット?
2004.02.25
GSMコンファレンスならでわの名物は、コンファレンス会場の横にならんだ豪華ヨット(日本語では、帆の無い船はクルーザーと呼ぶが、英語では帆があろうとなかろうとヨットである)。ワイアレス業界の色々な企業が、顧客との商談・パーティー、および、マーケティングのためにコンファレンス期間中借りきるのである。冬の間はどのみちヨットを使わないヨーロッパの金持ちたちにとっては、とても良い副収入元である。
今日は、アクセスのパーティーに顔を出した。ヨットを借りるのは今年が初めてだそうだ。今年は、ヨーロッパでの売り上げを、アクセス全体の35-40%に引き上げる予定だとのことで、ヨーロッパでの「本気度」を見せる意味でも、ヨットを借りたのだろう。うちの会社も、早くヨットを借りられるぐらいになりたいものだ。
ちょうど、Openwave の Thomas Reardon と話した後だったので、Openwave との競争などに絞って話を聞いたが、ビジネスへの取り組み方からして、対照的である。ドコモにどこまででも「着いて行く」ことによりビジネスを広げようとする姿勢、プロトコルスタックから Java VM まで、売れそうなものならなんでも幅広くいろんなものを提供する姿勢など、日本のソフトウェア会社によくありがちなビジネスへの取り組みである。「顧客の喜ぶことならなんでもする」アクセスの下請け的姿勢は、Openwave の「世界を変えてやる!」という戦略的姿勢とは、好対照である。日本以外での、アクセスとOpenwaveの対決は見ものである。
ちなみに、アクセスによると、Openwave が 「iMode の牙城を崩した」と言っているのは、本当ではないそうである。いくら WAP 2.0 で XHTML が標準化されたとは言え、iMode のコンテンツプロバイダーは、皆、アクセスのブラウザーでのみテストしてコンテンツを出しているので、 Openwave のブラウザーで iMode のコンテンツが全てちゃんと見えるとは限らないそうである。「あるヨーロッパの携帯メーカー」との契約の件もまだ交渉中で、Openwave に決まったわけではないそうだ。
ちなみに、Openwave の Thomas Reardon によると、独占状態のアクセスは、ブラウザーにデバイスあたり非常に高い値段を付けているそうだ(具体的な数値も知っているのだが、さすがにこんなところで公開するのはまずいだろう)。Openwave がメーラーも含めて約3分の1の値段を付けているそうで、一度牙城が崩れ始めたら、アクセスに対するプライス・プレッシャーはものすごいのではないだろうか。この戦いは見ものである。
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