知らない町での散歩
カンヌはフランスの熱海か?

セント・ポールの町

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 今日シアトルに戻ろうとしたのだが、飛行機が土曜までいっぱいなので、今日はカンヌで一休みである。モンテカルロ、ニース、マルセーユなどのメジャーなところに観光に行く手もあるのだが、カンヌの渋滞と人ごみで懲りたので、欲張らずにのんびり過ごすことにした。とは言っても、貧乏性なので、「ホテルで一日のんびりと本を読む」なんていうのは性に合わない。そこで、車で30分ぐらいのところにある、小さなセント・ポールという町に出かけた。城壁に囲まれた石造りの町で、丘の上に立っている。道も全て石だたみであり、なかなか雰囲気のある町だ。

 「芸術家の町」と呼ばれるだけに、沢山の画廊が絵を売っている。ちらちらと覗きながら道を歩いていると、目を引く色彩の油絵の飾ってある画廊があり、足を踏み入れる。どれもプロバンスの海や花が明るい色彩で描いてあり、見ているだけで楽しくなる。よく見てみると、どれも Sultan という作家の絵である。「いらっしゃい」という声のする方を見ると、いかにも上の作業場で絵を描いていましたという様子で、作業着を着た初老のフランス人が階段を下りてきた。Sultan 氏本人である。つまりここは、アトリエ兼画廊で、Sultan 氏本人が絵を売っているのである。

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 絵も好きなタイプだし、背広を着た画商ではなく絵描き本人が売っているというという所も気に入ったので、値段さえ手ごろなものがあれば記念に絵を一枚買うのも悪くない。そう伝えると、何枚も絵を持ってきてくれては、それぞれの絵に込められた思いなどを説明してくれる。「僕の絵は、一枚一枚ぜんぶ違うんだ。ぜひとも気に入ったもの時間をかけて選んで欲しい」と言い、すごく時間をかけて絵を選ばせてくれた。親切なのはありがたいのだが、今更「買うのはやめた」とは言えない雰囲気になってきてしまった。

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 やっと一枚選ぶと、値段交渉が始まった。向こうは「町で私の絵を画商から買うと倍ぐらいするんだ」と言い、私は「こんな高い絵を買うつもりはもともとなかった」と言い、適当なところで折り合いを付けて契約成立。絵の目利きではないので、高い買い物をしたのか安く買えたのかは分からないが、プロバンスに来た記念の品と考えれば、まあ許せる値段だ。

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 お昼は、町の一つだけあるパン屋で、チョコレートクロワッサンを買い、見晴らしのよい場所にあるベンチで景色を見ながら食べる。このときに、「ああモンテカルロにしなくてよかった」と思った。シアトルに住んでから、しっかりと田舎ものになってしまったようだ。

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