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新車購入

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 今朝、予定していた通り BMW 325ci を購入した。来週から日本に出張なので、その後でも良かったのだが、一度買うと決めてしまうと、なかなか待つのは難しい。色とオプション両方ともにちょうどぴったりな車がたまたま近所のディーラーにあったのも何かの縁である。

 ちなみに、最近の米国での車の値段交渉は、Invoice(ディーラーの仕入れ値) に幾らプラスするかという交渉である。昔からその手の本はあったのだが、最近はインターネットで簡単に全ての車の Invoice 価格が細かなオプションまで含めて調べられる。そのため、「MSRP(標準小売価格)から幾ら値引くか」という値段交渉より、「Invoice 価格に幾ら上乗せして払うか」という値段交渉の方が、圧倒的にポピュラーな値引き術となっている。

 この車の場合は、早々にディーラーが Invoice+$2,500 を提案して来たので、「出張前に買いたい」という弱みもあり、その値段で決着。粘れば、Invoice+$2,000 もしくは Invoice+$1,500 ぐらいまでがんばれたのかも知れないが、まあいいか…

 ちなみに、後継車種に買い換えたのは初めてだが、オーナーしか気がつかないような細かなところに改良が加えられているのに気がついた。後ろの窓がビニールからガラスになったのは特にうれしい。ビニールはすぐに透明度が落ちてしまうので、最近は後ろがほとんど見えなかった。前の席のシートベルトがドアの後ろにではなく、シートについているので、ずっと装着が楽になったし、後ろの席への乗り降りが楽になった。トップを閉じているときに(この車はオープンカーである)後ろのトランクスペースを大きくすることができ、中くらいのスーツケースなら2つ入るようになったのもうれしい。今までは1つが限界だった。

 今日はあまり時間がなかったので、夜になってから高速道路を一周して来た(520ブリッジ、I-5、I-90コース)。地面に吸い付くような BMW 特有の走りは、とても心地が良い。一度 BMW を持つと、ずっと買い続ける人が多いと聞くが、納得できる。


BMW 645 のまゆ毛

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 最近、愛車(BMW 323Ci、1999年モデル)の調子が良くない。オイル漏れがあったし、タイヤもパンクしたし、ハンドルの皮カバーを止めている糸がほつれ始めた。それも、偶然にも製造元保障が切れてわずか3・4ヶ月後に待っていましたとばかりに集中して始まった。そろそろ買い替え時かも知れない。

 ちょうどそう思っていると、先週、うちの社員の一人が、「サトシにぴったりの車が出た。買うしかない!」と言って、BMWのディーラーに私を無理やり連れて行った。BMW 645 である。出たばかりで、とても Hot らしい(Hot = 「人気があって、手に入れるのが難しいほど良く売れている」の意)。幸いにも、ちょうどその時にはまだ入荷しておらず、無理やり買わされずに済んだ。

 そろそろ入荷するはずだと聞いていたので、今日はこっそりと一人で見に行った。誰かと一緒では、自分のペースで買い物が出来ない(ちなみに、英語では、"I can't do ~ if somebody is looking over my shoulder" と言う。口語では良く使うので、覚えておくと良い表現である。これを聞くたびに、右の耳のあたりがゾッとする)。セールスマンは、私が 645 と言ったとたん、目を輝かせた。まるでネギをしょったカモの気分だ。既に買い手が付いて引き取るばかりの1台と、まだ展示場に飾ってある一台を見せながら、丁寧に説明してくれる。このモデルは、まだ発売したばかりで、このディーラーにもまだその2台しか入荷しておらず、「偶然にも」まだ1台残っているの所にちょうど来た私は、とても幸運だそうである。たぶん、あまりにも幸運で、私の背中にはネギが輝いていたことだろう。

 確かに、今の車よりは、ふた回り大きいし、馬力もスピードも格段に優れている。後ろの座席もたっぷりしており、家族4人でゆったりとドライブが出来そうだ。

 しかし、一つだけ大きな欠点がある。正面から見た顔つきが良くない(写真参照)。323Ci の属する「3シリーズ」とは違い、645の属する「6シリーズ」は、ヘッドライトの上に横に「まゆげ」のような細長いライトが付いており、それがこの車の顔を妙に攻撃的な、「ファインディング・ニモ」に出てくるサメのような顔にしているのだ。毎日付き合う車の顔が気に入らなくては、どうしようもない。

 馬力がどうの、インテリジェント・ステアリングがどうのと、一生懸命にセールストークを繰り返し、懸命に試乗を進めるセールスマンに、「いい車だけど、んー…顔が気に食わない」と言う。「まゆげ」のことを言うと、「高速で前の車をあおる時に、このライトだけ付けると効果があるんです。すごく威圧感があって」と、まったく逆効果なことを言うセールスマン。

 「ということで、645は買うのはやめた。でも、新しい車は欲しいから、3シリーズの新しいモデルを見せて。」と言う。この時点で、主導権は私に移る。「これ試乗させて」と店頭にある一台を指定して試乗すると、さすがに運転し心地は今の車とまったく同じだ。ただ5年もたっただけのことはあり、各所に細かな改良が加えられている。面白みは無いけど、ほとんど同じ車を買うことになりそうだ(新しいモデルは、325Ci)。ちなみに、今履いている靴は、まったく同じものを7-8足続けて買っているが、それと同じだ。

 試乗の後、一気に売り込みにかかるセールスマンに(試乗した客には帰る前に売りつけるのがセールスの鉄則)、今の車の引き取り査定だけしてもらい、「後はメールで値段交渉しよう」と言って店を出る。私は結構扱いにくい客かもしれない…


今日は鉄板焼き

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 今日はシチューを作ろうと近所のスーパー(Larry's)に行った。いつものように野菜のセクションから始め、芽キャベツ、たまねぎ、カブ、マッシュルーム、にんじん、と、シチューの材料をそろえて行く。次にシチュー用の肉を探しに牛肉のセクションに行くと、とてもおいしそうなステーキ肉(Rib eye)が目に入る。ここ数日、菜食主義者の様な食生活をしていた反動か、どうしても食べたくなってしまい、急遽メニューを変更した。この肉は、ステーキとして食べるよりも、薄切りにしてもらい(とは言っても、アメリカ人のできる薄切りは7-8ミリがせいぜい)、フライパンで鉄板焼きで食べるのが一番うまい。もちろん、タレは大根おろしとエバラ焼肉のたれである。

 強火で両面をさっと炒め、アツアツのうちにご飯といっしょに口に含むと幸せが広がる。少し不便なのは、フライパンで作るので、一枚目を食べ終わってから、キッチンに行って、二枚目を焼くという作業をしなければいけないことだ。でも、アツアツでなければいけないので、そのくらいの不便さは気にならない。

 ちなみに、日本で大騒ぎになっている米国での狂牛病事件(ちなみに、私の住むシアトルのあるワシントン州で発生した)に対する米国の消費者の反応は、はっきり言ってゼロである。ニュースではたまに取り上げられるが、それで牛肉の売り上げが落ちたり、ステーキ屋がつぶれたりという話は聞いたことがない。雑談中に話題に上ったこともない。マーサ・スチュワートのインサイダー取引事件の方が、ずっと話題になる数が多い。

 「そんなことを気にしては生きていられない。おいしければいいんじゃないの。」というアメリカ人のおおらかさが良くでていると思う。こういった人生に対するおおらかさは見習うべきだとう思うが、仕事の時に「今週中に仕上げるって約束したけど、週明けでも構わないよね。」と平気で言うおおらかさはやめて欲しい。


会社の卒業式?

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 昨日は、UIEvolution の主要株主であった Ignition からランチに招待され、今回の「買収のお祝い」をしてもらった。当然、投資家としては、投資した額の何倍かのお金が入ったわけで、「我々株主のために苦労してくれてありがとう」、という意味合いのものである。ただし、会社の経営をいっさい知らない私を、経営のコーチとして、そして何よりも、精神的なささえになってくれたスティーブ・フーパー氏(左から2番目に立っている人)と私の間には、個人的なレベルでの強い師弟関係が生まれていたため、スティーブが卒業生を見送る先生のような少しセンチな目で私を見るのが、少し照れくさかった。

 「日本と違って米国はベンチャー企業を育てる仕組みがある」と良く言うが、日本人でありながら米国で、「起業・資金集め」の段階から全て経験してみるとそれが良く分かる。単に、Venture captal という投資家だけでなく、法律もしっかりしているし、弁護士事務所も専門のところがあるし、日本とは大違いである。特に、経営陣は「株主の利益を最大にするべく会社を経営するために雇われた人たち」、取締役会は「株主を代表して、経営陣の監視・指導をする人たち」という、非常に明確なコーポレート・ガバナンスの仕組みは非常に良くできている。

 起業家や社員の持つ一般株と、投資家たちが持つ優先株の仕組みなども、とても良く出来ており、システムさえ理解できていれば、起業家と投資家のバランスを適切に設定することができる。ただし、システムを理解しておらず、かつ、悪徳な投資家に出会うと、とんでもない investor agreement にサインさせられてしまうので要注意である。一生懸命に会社を大きくしたのは良いが、全てのリターンは投資家に行ってしまうという可能性もあるのだ。私は幸いにも、会社の創立時に非常に腕の立つ、かつ、信頼できる弁護士にめぐり合えたために、とても助かった。アメリカでビジネスをするなら、優秀な弁護士は必須である。ちなみに、その弁護士(Lou Gray)が今や UIEvolution の president である(写真の右から2番目に立っている人)。


サンドラ・パーマー

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 土曜日に私の属するゴルフクラブ(サハリ・カントリークラブ)で小耳に挟んでいたのだが、クラブからのニュースレターが今日届き、確認できた。今月から、元LPGA(全米女子プロゴルフツアー)のサンドラ・パーマーがレッスン・プロとして参加するそうだ。サンドラ・パーマーは、全米女子オープン、賞金王、プレーヤー・オブ・ザ・イヤーなどの輝かしいタイトルを持つ、岡本綾子クラスの選手だ(ただし、歳は一回り以上上だと思う)。プライベート・レッスン料は、ヘッド・プロフェッショナルと同じく、30分$35、60分$60ドルである。

 シアトルに住んでから気がついたのだが、この手の一流どころのスポーツ選手が引退後、普通の人の身近に来てレッスンをしてくれたりするのがここでは結構あたりまえのようだ。いつも行っているスポーツジムに、元金メダリストが水泳のコーチに来ていたということもある。米国ではオリンピックのメダリストは一生食うに困らないと聞いたことがあるが、納得できる。

 日本の「元スポーツ選手」というのは、いったい何処へいってしまうのだろう?ごく一部の選手は、バラエティ番組に出て稼いでいるが、他の選手はどうしているのだろう?日本のゴルフ場でも、倉本あたりをレッスン・プロとして招待して、魅力あるコースにするなどのことをしても良いのではないだろうかと思う。ひょっとして、「レッスン・プロなんかに身を落とすわけにはいかない」という、日本特有の変な美徳のようなものが働いているのだろうか?「元プロゴルファーのXXの経営するスナック」なんかよりは、レッスン・プロの方がずっとかっこいいと思うのだが…


今日から夏時間

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 今日から全米は夏時間(day-light saving time)である。つまり、今日から日本との時差は1日マイナス8時間である(日本のお昼が、シアトルの前の日の夜8時)。新聞やニュースなどで、「皆さん、今夜は寝る前に時計を一時間進めましょう」と言ってくれるので、大抵の人はきちんと時計を進めるのだが、たまにそれに気がつかずに月曜日のミーティングに遅刻して来たりする人はいる。幸い、今年も土曜日の夕方のニュースで言っているのに気がつき、昨日のうちから準備をしておいた。今日は、朝の9時からゴルフの約束があったので、気がついて良かった。

 日本で、何年か前に夏時間の採用をするか否かの議論があったときに、「年に2回とはいえ、一時間も時間をずらすのは体にストレスだ」とか、「社会的に混乱をまねく」、といった反対意見があった。私からみれば、年に10回近くも日本との往復で7・8時間の時差で酷使されている体にとっては、一時間の時差は無いに等しいし、「社会的混乱」は少しはあるが、「それがどうした」とおおらかに生きていれば何てことは無い。夏時間の最初の月曜だけは、ミーティングに遅れてきても、「今日から夏時間だよ、気がつかなかったの?」の一言で許されてしまう。例え本当は夏時間に気がついていて、単に遅刻したのだったとしても大丈夫である(笑)。日本では通じないのだろうか?

 ちなみに、今日のゴルフは、昔スクウェアUSAのCEOをしていた Rich Silveila 氏とした。私の会社がスクエニ(スクエニは、スクウェアとエニックスが合併してできた会社)に買収されたことを聞き、話をしたかったとのことである。「ミーティングをしよう」でも、「飲みに行こう」でもなく、「ゴルフに行こう」と誘われれば喜んで出て行く私である。

 以前スクウェアは任天堂のみにゲームを作っていたのだが、その時に、任天堂アメリカのあるシアトルに支社を作ったのである(今はロスにある)。そのときに最初のCEOが斉藤さんという人で、この人とも昔ゴルフをしたことがある。斉藤さんがCFOとして雇い、続いて自分の後任のCEOに指名したのが Rich である。Rich と私はたまたま同じゴルフ・クラブに属し、前から何度か話す機会はあったのだが、ゴルフはしたことがないという関係であった。世界は狭い。

 ゴルフは、Rich が 84(44-40)、私が 89(47-42) だったが、6ストロークのハンディキャップを貰っていたので(ハンディキャップは、Rich が9、私が15)、ナッソーはかろうじて私の勝ち、ただしバーディ賞は Rich が2つ、私が1つ、ニアピン賞は4つとも Rich が取ったので、トータルで$2の勝ちであった。


「プライド」

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 初対面の人に「趣味は?」と聞かれると、「ゴルフ」だとか「プロトタイプ」などというが、実のところ最も好きなのは「日本のトレンディ・ドラマ」を見ることかも知れない。しかし、日本のサラリーマン社会でそんなことを言うのは恥ずかしいし、アメリカ人には「トレンディ・ドラマ」の定義から始めなければいけないから大変だ。

 そもそものきっかけは、10年以上前だが、シアトルに住み始めてまだ年数も浅い時に、「東京ラブストーリー」のビデオを人づてに手に入れた時である。日本にいた時は、帰りも遅かったので、ドラマなど見る暇もなかったのだが、アメリカに住み始めてから、「日本の連続ドラマをビデオとして入手して一気に見る」というのが趣味になってしまった。

 昔は、人づてにビデオのコピーを手に入れて見ていたが、今は日本人向けのビデオ・レンタルショップもあるので、どんな番組も2-3週間遅れで見ることができるので非常に便利だ。きちんと、「放番協 認定ビデオ」のシールも貼ってある「お墨付き」である。

 ちなみに、この「プライド」であるが、まるでキムタクをかっこよく見せるために作った番組のようだ。確かに良い役者だし、男から見てもイイ男だが、これだけ良い役がまわって来るのは、ジャニーズの力だろうか?「ロンバケ」、「ラブジェネ」、「ヒーロー」、「グッドラック」、そしてこの「プライド」と、全てはまり役だし、脚本そのものがとてもよく出来ている。キムタクの地位はしばらく揺らぎそうに無い。