会社の卒業式?
2004.04.09
昨日は、UIEvolution の主要株主であった Ignition からランチに招待され、今回の「買収のお祝い」をしてもらった。当然、投資家としては、投資した額の何倍かのお金が入ったわけで、「我々株主のために苦労してくれてありがとう」、という意味合いのものである。ただし、会社の経営をいっさい知らない私を、経営のコーチとして、そして何よりも、精神的なささえになってくれたスティーブ・フーパー氏(左から2番目に立っている人)と私の間には、個人的なレベルでの強い師弟関係が生まれていたため、スティーブが卒業生を見送る先生のような少しセンチな目で私を見るのが、少し照れくさかった。
「日本と違って米国はベンチャー企業を育てる仕組みがある」と良く言うが、日本人でありながら米国で、「起業・資金集め」の段階から全て経験してみるとそれが良く分かる。単に、Venture captal という投資家だけでなく、法律もしっかりしているし、弁護士事務所も専門のところがあるし、日本とは大違いである。特に、経営陣は「株主の利益を最大にするべく会社を経営するために雇われた人たち」、取締役会は「株主を代表して、経営陣の監視・指導をする人たち」という、非常に明確なコーポレート・ガバナンスの仕組みは非常に良くできている。
起業家や社員の持つ一般株と、投資家たちが持つ優先株の仕組みなども、とても良く出来ており、システムさえ理解できていれば、起業家と投資家のバランスを適切に設定することができる。ただし、システムを理解しておらず、かつ、悪徳な投資家に出会うと、とんでもない investor agreement にサインさせられてしまうので要注意である。一生懸命に会社を大きくしたのは良いが、全てのリターンは投資家に行ってしまうという可能性もあるのだ。私は幸いにも、会社の創立時に非常に腕の立つ、かつ、信頼できる弁護士にめぐり合えたために、とても助かった。アメリカでビジネスをするなら、優秀な弁護士は必須である。ちなみに、その弁護士(Lou Gray)が今や UIEvolution の president である(写真の右から2番目に立っている人)。
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