UIA: ペンシルバニア駅
浜崎あゆみは実はCGタレント?

日本語とオブジェクト指向

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 先日、日経BPの出版局の方と話をする機会があったのだが、私がマイクロソフトでウィンドウズ95の開発に関わったことに触れた際、「ユーザーインターフェイスの設計において、日本人であることで何か役に立ったことはありますか?」と聞かれた。日本人であることがプラスになったとは思わないが、ふと思い出したことがある。当時、「日本語はオブジェクト指向な言語だな」と思ったことである。

 その当時(90年代初頭)、アップルの方が使い勝手に関しては一歩も二歩もマイクロソフトより進んでおり、そのためには、もともとゼロックスが提案しアップルが商品化した、「オブジェクト指向ユーザーインターフェイス」の考え方を、より推し進めるしかないという戦略で、ウィンドウズ95のユーザーインターフェイス(当時は Object-Oriented Shell と呼ばれていた)の開発をしていた。

 「オブジェクト指向ユーザーインターフェイス」の考え方とは、一口で言えば、文書ファイルや音楽ファイルといった対象物(オブジェクト)を先にユーザーに選択させることにより、実行できるメニューコマンド(編集する、印刷する、演奏する、など)の幅をせばめ、使いやすくしようという発想である。例えば、ユーザーが文書ファイルを選択すれば、コマンドの選択枝はおのずと、「編集する」、「印刷する」などに絞られる。これが、音楽ファイルの場合は、コマンドの選択枝は、「演奏する」、「CDに転送する」となる。これを逆に、コマンドを先に選択させようとすると、「編集する」、「印刷する」、「演奏する」、「CDに転送する」、「撮影する」、「接続する」などの膨大なリストから選択させなければならず、使い勝手がずっと悪くなってしまう。

 この「ユーザーにオブジェクトを先に選ばせることにより選択の幅を狭くして使いやすくする」、という考えをもう一歩進めて、ある操作をしている場の状態(例えば、どのフォルダーにそのファイルが置いてあるか、など。英語では context と言う)も、選択枝をせばめる際の情報として利用し、ユーザーがそのオブジェクトに対して実行しようとしていることを可能な限り類推すると、よりいっそう使い勝手が良くなるのである。ウィンドウズにおいて、文書ファイルをダブル・クリックすると自動的に「編集する」が選ばれ、音楽ファイルをダブル・クリックすると「演奏する」が選ばれるのは、まさにこの例である。つまり、ウィンドウズ・ユーザーが日々何気なく使っているダブル・クリックには、「私がこのオブジェクトに対してやりたいだろうことを類推して実行してくれ」という意味が含まれているのである。

 この考え方を念頭においてみると、日本語はまさにオブジェクト指向である。テーブルの上の塩をとって欲しい場合、たいていの日本人は、「すいません、塩を...」まで言ったところで一呼吸置く。「塩」というオブジェクトを指定した時点で、「とって欲しい」ことは自明であり、ここまで言えば、99.9%の日本人は塩をとってくれる。「え、この塩で何をしろって言うんですか?」と聞き返す人はよほどの変人である。エレベーターに乗って、階ボタンの近くにいる人に、「すいません、12階を...」まで言えば十分なのも同じである。つまり、日本人が「塩を...」とか「12階を...」とかで一呼吸置いて相手に類推を促すのは、ウィンドウズにおけるダブル・クリックと同じことをしているのである。

 これに対して、英語の場合は、"would you please pass that salt to me" とか、"please push the twelveth" と、必ず pass や push といった動詞を先に言わなければならない言語構造になっている。中学の英語の時間に習った、例の 「V-O」 (Verb-Object)である。

 私は言語学者でも脳神経学者でもないが、この名詞を動詞より先に言う、というユニークな言語構造(韓国語もそうらしい)が、日本人の脳みそ内での言語の処理方法を欧米人のそれとは大きく違うものにしているのではないかと考えている。

 "I have a pen" (私はペンを持っている)という文章が耳に入って来てそれを解析する場合、欧米人は、"I have" まで聞いたときに、「この人は何かを持っているらしい、いったいなんだろう」ととまでは考えることができるが、「持つ」ことの出来るもの(オブジェクト)の種類はあまりに多く類推することは不可能で、試みようともしない。ところが日本語の場合、「私はペンを」まで聞いた段階で、「この人はペンを『持っている』と伝えたいのかな、『買いに行きたい』と言いたいのかな」、などの類推を始めることが可能なのである。特に前後関係が明確な場合は、かなりの確率で動詞として何が来るかを類推することが出来るのである。

 先日も、深夜に口もききたくないぐらい疲れきってタクシーに乗ったときに、この「オブジェクト指向」言語である日本語を理解する運転手(平たく言えば、「普通のタクシーの運転手」)に助けられた。

「すいません、経堂まで...」
「はい、経堂までですね。道はどうしましょう?」
「あ、環七経由で...」
「はい、環七から赤堤通りですね。」
...(しばらくして)...
「その信号を左に...」
「はい、ここを左ですね。」
「それで、そこの行き止まりの所で...」
「はい、かしこまりました。」

 ちなみに、オブジェクト指向の話とは関係ないが、言語学者の金田一春彦氏によると、目上の人に塩をとって欲しい場合の、最も丁寧な言い方は、「すみません、それはお塩でしょうか?」だそうである(『日本語を反省して見ませんか』角川書店)。それを読んだときに、まさに「言語は文化である」と感動した。 

[追記]最近になって、この記事へ訪れる人の数が尋常でないぐらい増えている。ありがたいことだ。そんな人達に、ぜひ他の記事も読んでいただきたいと思い、関連する分野の記事を幾つかピックアップしておいたので、気軽に楽しんでいただきたい。足跡代わりにコメントでもトラックバックでも残していただければ、筆者としては本望である。

Longhorn は Cairo か? マイクロソフトの次世代OSが、90年初頭にマイクロソフトが作ろうとしていた Cairo に色んな意味で似ているという話。
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Comments

chalice

コメント有難うございました。そうですね。Windowsは98か98SEくらいでしょね。XPも操作は少々覚えた程度でしょうか。非営利でかなり重要な作業をしたこともありますが、でき上がる寸前に再起動がいやでWindowsを手放したという経緯がありまして、今はLinuxをメインにしています。

tk

アメリカに僕より長くいらっしゃる方に、英語のお話をするのは気が引けてしまいますが、文中で指摘されている英語の context switch について僕は違った考え方を持っています。
経験として、例えば日本語で「塩を…」と言えば通じると期待できる程度の状況ならば、“Ah... salt?”と言って大抵の場合、塩を取ってもらえるでしょうし、エレベータ内でも同様だと思います。日本語との大きな違いはイントネーションも語法の一つとして存在感がある事でしょうか。

satoshi

確かに、"Ah...salt?" でも、"Salt please" でも通じますね…誰かが指摘してくるかな、とは思っていました。

yutaka821207

こんなにわかりやすかったオブジェクト指向の説明は初めてでした。
ありがとうございました。身近な例が多くてわかりやすかったです。

ryutei

一見でおまけに時期外れですが面白かったので。
日本語がオブジェクト指向という見方は正しいと思います。西洋語の本質は動詞の位置よりもむしろ「主語を指定しなければならない」という点にあります。理念上全ての名詞が神の名の元に平等であるため、SとOを示して間で起こる事をV(関数)でつなぐという構造になっており、極端な場合「It's fine.」としてでも動作の主体を示さないと座りが良くない(ハズ)です。
一方「日本語には主語がない」という話は、先頭に暗黙のselfとかthisとかが自然に補えるんですよね。で、これは八百万の世界観=みんな神様でいいじゃん、とマッチしてるわけで。でっかいOS=唯一神が全部を決める代わりに、オブジェクトが勝手に決めるという。つまり、常にその場に「暗黙のself」をとることができて、どんどんメッセージを後接した最後にメインの動詞をくっつけるという形になるわけで、まさにオブジェクト指向そのままと言えます。(そういう意味では語順によるというより、最適化の結果こういう語順になったと見る方が自然ですね)

satoshi

ryuteiさん、古いエントリーにでもコメント大歓迎です。確かに、英語は「主語を明確にしないとすわりが悪い」言語ですね。日本語の場合は、「自明な主語は省いても良い」だけでなく、「主語を省くことによりあえてあいまいにする」文化すらありますね。

幸之介

右クリックに「これを」というあいまいなメニューを用意してはどうだろうかという提案です。
http://knoa.jp/memo/?id=2005-10-19+12:14
(コメントを利用した手動トラックバック)

とんび

 はじめまして…と、思います。
 ゲームにおけるオブジェクト指向的手法を使った解決策のひとつとして、コマンド入力式のゲームを作っています。
http://www.tonbi.jp/Game/IF/

 まさに、このエントリーに書いてあるようなことを念頭に置いて開発しました。CUIのカレントディレクトリの概念、とも似てます。
 このゲーム群を開発しはじめてから、日本語に限らず、言葉というものの奥深さを再認識する日々です。

shige-zo

このエントリを読むまで、オブジェクト指向は英語圏の発想そのものだなぁと思っていました。その根拠は(英語にはあまり明るく無いのですが・・)スーパクラス~インスタンスの関係と、"dog"~"a dog"~"the dog"の関係に類似性を見ていたからです。
日本語との類似性という観点は気がつきませんでした。なるほど。

# wa-renさんのBlogを経由してたどり着きました。今後も読ませていただきます。

midoka

すべての言葉はobject指向ではないでしょうか。
 日本語の「は」を[is]と等価と見れば容易にわかることですが、文法学者と英語教育関係者は認めないでしょう。
 でもなぜ日本語散文の元祖が「春はあけぼの」なのでしょう。そして、もっとも一般的な挨拶は「こんにちは」でしょ。

発明屋

日本語がオブジェクト指向という見方は正しいと思います。
コンピュータのプログラミングに限らず、特許請求の範囲(クレーム)のドラフティング等にもオブジェクト指向の利用が可能だと思います。

下記URLのページに、「オブジェクト指向クレームドラフティング」に関するPCT出願の国際公開公報へのリンクがあります。ご覧いただければ幸いです。
http://hatsumeiya.exblog.jp/i8


一日一発明
発明屋店主
佐藤 謙治

発明屋

㈱発明屋はオブジェクト指向クレームドラフティングを提案します。
世界統一特許制度に最適!
特許出願中!

例1. is_a関係 (~は・・である。)
【書類名】特許請求の範囲
【請求項1】 ☆☆と★★とを備えた自動車。(スーパークラス)
【請求項2】 Sedanであることを特徴とする請求項1の自動車。(サブクラス)
【請求項3】 Sports Carであることを特徴とする請求項1の自動車。(サブクラス)
【請求項4】 Recreational Vehicleであることを特徴とする請求項1の自動車。(サブクラス)

例2. has_a関係 (~は・・を備えている。)
【書類名】特許請求の範囲
【請求項1】 ☆☆を備えたchassis。(サブクラス)
【請求項2】 ★★を備えたengin。(サブクラス)
【請求項3】 △△を備えたtransmission。(サブクラス)
【請求項4】 ▲▲を備えたtire。(サブクラス)
【請求項5】 請求項1のchassisと請求項2のenginと請求項3のtransmissionと
       請求項4のtireとを備えた自動車。(スーパークラス)

一日一発明
発明屋店主
佐藤 謙治

ぴろすけ

参考にさせて頂きました.

tksogt

>ウィンドウズにおいて、文書ファイルをダブル・クリックする自動的に「編集する」が選ばれ、音楽ファイルをダブル・クリックすると「演奏する」が選ばれるのは、まさにこの例である。

上記の部分で、《ダブル・クリックする自動的に》は《ダブル・クリックする《と》自動的に》の方が適切ではないでしょうか
私の勘違いであればごめんなさい
私の考えが適切でもそうでなくても、このコメントは消していただければ幸いです

satoshi

>《ダブル・クリックする《と》自動的に》の方が適切ではないでしょうか

ご指摘の通りですね。修正しました。

Gan

モンゴル語の構造も同じだよ。

xax

住所の書き方に関しても似たことが言えるのかなと思っています。
知っての通り日本では大きい方から、つまり都道府県→市区町村→番地のような順で書きますが欧米ではまるで逆。
どう考えても大きい方から書いた方がわかりやすく効率もいいことは明らかななのに。郵便屋さんも先に番地なんかわかったところで、どこに送ればいいかなんて全くわからない。
これは言語構造として A of B in C なんてのをまんま反映しているだけだとは思うのですが。これだって日本語なら「CにあるBのA」でまるで逆。
やはり「俺だ俺」と言いたいのでしょうかね。逆に日本語は「なるべく言わない」。どっちもどっちか。

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面白いことに、英語圏の人でもジェスチャーの場合は
主語、目的語、動詞の順番になるそうです。

「英語式語順は、自然な思考の順番に反する」研究結果
http://wiredvision.jp/news/200807/2008070921.html

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Makoto

こんにちは。いつも興味深く拝見しております。

今度自分が行うローカルミートアップのトークでこのブログの内容を引用したいのですが、聴衆がイギリス人なので、英訳した内容を
http://github.com/makoto/japanese_fine_software_writings/wiki
に転載してもよろしいでしょうか?

よろしくおねがいします。

heso

この記事に刺激を受けてブログに書かせていただきました(http://d.hatena.ne.jp/soh506/20101201)。単なる素人の思いつきで、アクション指向ユーザーインターフェース(私の造語です)というのは?とひらめいたので。今回は中島様のアプリの紹介ではないのですが(失礼)、PhotoShareからneu.Drawにいたる素敵なアプリ群はもちろん使ってます!中島様のアプリのおかげでiPadに触れるのが楽しい!本当にありがとうございます!

RIKi

日本人は(基本的に)単一民族単一言語だからこそ互いのコンテキストを共有できていて、コミュニケーションにおいて阿吽の呼吸、行間を読むということが成り立っているとだけ思っていました。
言語にもこんな体系の違いがあるんですよね。
オブジェクト指向には直接関係ない感想ですが、興味深く読ませていただきました。

Cie

日本語の語順に関しても、オブジェクト指向に関してもあれこれ考えたことがある自分ですが、この考え方は全く発想になく、とても興味深く読ませて頂きました。おもしろい記事をありがとうございます(時期はずれ甚だしいですが…)。

リュウ

こんにちは、はじめまして。池田氏の原発関連から中島さまの存在を始めて知りました。
中島さまのようなIT関連で偉大な業績をした実力ある日本人がいたのかと感心しました。
池田氏の見識には私も一目おいていますが、池田氏は慢心が過ぎる人なので、多くの他者をアフォ呼ばわりするコミュニケーション・カタワであると分析しています。哲学者カントは、ジャンジック・ルソーの本を読んで他者を侮蔑する慢心の愚を悟ったとされ、他者を侮蔑することはありませんでした。アルバート・アインシュタインも彼の知能指数からすれば、他者は愚者に見えたかもしれませんが、そのような侮蔑は決してしませんでした。そういう知恵がなく、自分を頭が良いから優れていると勘違いして他者をゴミ扱いするのが、コミュニケーション・カタワです。経済的には、池田氏は自由主義者のようなスタンスですが、しかし彼の本質は、一種の悪しき権威主義者なのです。

さて、中島さまの「日本語とオブジェクト指向」の記事に関して、ご存じかもしれませんが、次のような記事がありますので、お知らせします。
英語をはじめとする、主語(S)、動詞(V)、目的語(O)の順に文章が構成される言語は、人間の自然な思考の流れに反しているかもしれない――ジェスチャーと言語について比較検討した論文が『米国科学アカデミー紀要』(PNAS)に掲載された。
http://wired.jp/wv/2008/07/09/%e3%80%8c%e8%8b%b1%e8%aa%9e%e5%bc%8f%e8%aa%9e%e9%a0%86%e3%81%af%e3%80%81%e8%87%aa%e7%84%b6%e3%81%aa%e6%80%9d%e8%80%83%e3%81%ae%e9%a0%86%e7%95%aa%e3%81%ab%e5%8f%8d%e3%81%99%e3%82%8b%e3%80%8d%e7%a0%94/

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