最多安打に続いてノーベル賞
「おまかせ」文化論

北米産マツタケ

Matsutake

 シアトルといえばイチローしか浮かばない日本人が多いと思うが、実はシアトルは「北米産マツタケ」は産地でもある。日本の八百屋さんに並ぶ色の白っぽいマツタケは、シアトル近辺もしくはもう少し北の松林で採れるのだ。いつもこの時期になると、私の一番のお気に入りの日本食レストラン Nishino に行って「マツタケのどびんむし」を楽しむのが恒例であるが、なぜか今年は行く機会がない。日本にばっかり言っているのもあるし、接待すべきお客さんがいいタイミングに来てくれないのである。

 そこで仕方がないので、宇和島屋(近所の日本食スーパー)でマツタケを買ってきて自分で料理をすることにした。できるだけカサが開いておらず(香りが良い)、かつ茎の部分の硬いもの(柔らかいのは虫喰いの証拠)を選んできた。以前、良く選ばずに買ってきたら、半分は虫喰いで食べられなかった経験からである。

 会社の帰りに思いついて買ったので、今日はマツタケご飯にはできない(正確には私の胃袋は待ってはくれない)。そこで半分だけ使って、とりあえずマツタケのお吸い物と網焼きを作って食べることにした。網で焼いているときの香りは最高で、それだけで半分満足してしまう。日本産には負けるが、コスト・パフォーマンスを考えれば北米産も悪くない。丁寧に選んだだけあって、歯ごたえも良いなかなかのマツタケであった。

 これを食べながら日本のドラマを見ていたら、一人暮らしのサラリーマンが家で寂しそうにカップラーメンを食べるシーンがあった。私にとって、あれは「絶対にありえない」風景だ。単身赴任だろうと、どんなに忙しくても、「三度の飯」だけはちゃんと食たべるのが私のモットーだ。「何はなくとも三度の飯」である。

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