♪富士の高嶺に降る雪も~
2004.11.26
今日は早起きして、御殿場までドライブ。朝食を御殿場インターそばのジョナサンで食べた後、いつもの場所に富士山を見に行く。自衛隊の演習場と富士サファリパークの間のなんの変哲も無い場所なのだが、視線をさえぎる建物が無いので、私の一番のお気に入りの場所である。
雲ひとつ無い空に聳え立つ富士山はちょうど良い按配に雪をかぶっており、私が他の山だったら「参りました」とひれ伏してしまいそうな荘厳さである。
ちなみに、普段は人気のあまり無い場所なのだが、今日に限って車が数台止まっており、人が20人ほどいる。皆、三脚つきの望遠鏡で、何かを一生懸命見ているようである。望遠鏡は演習場の方(写真の右手)に向けているので、私のように富士山を見に来たわけではないのは明らかだ。
通りがかりに目が合った人がいたので、「何を見ているんですか」と聞くと、「とても珍しい鳥がいるんです」と答えてくれる。「何と言う鳥ですか」という質問がすぐ脳裏に浮かぶが、その人のあまりにも強い「いい人オーラ」に圧倒され、その言葉がだせなかった。 その「とても珍しい鳥がいるんです」と言う一言の裏に、「この人もバード・ウォッチングが好きだったら仲間にしてあげよう」、「この滅多にないチャンスを一緒に分かち合ってあげよう」という「愛」があふれており、「何と言う鳥ですか」という質問をしたとたんに鳥好きと勘違いされそうだったのだ。「君も見てごらんよ」と望遠鏡を貸してもらったりして、その「めずらしい鳥」が見えたときに、感動した演技が出来るとは到底思えなかったのだ。たぶん最初に頭に浮かぶ「あれは焼き鳥にするとおいしいんですか」という悪趣味な言葉で相手を傷つけないようにすることが精一杯だと思う。
通り過ぎながら、「あれが紅白歌合戦で有名な全国野鳥の会だね」、と横の妻に言うと、「日本にも結構いい人がいるのね」と返事が返って来る。彼女も全く同じオーラを感じていたようだ。