♪富士の高嶺に降る雪も~
風邪の治療法の最先端

天動説と地動説

Orbit_2 時差ぼけの解消のために早起きをして時間つぶしをしていると、こんな質問をネットに見つけた。

 地球から見ると太陽が動いて見えます.太陽から見るとおそらく地球は動いて見えると思います.一般的に言われている「地球は太陽の周りをまわっている」という現象は一体どこから見ているんでしょうか?絶対的な基準となる神様の視点みたいなやつがあるんでしょうか?

 子供のころにこの手の(一歩踏み込んだ)質問をして、ちゃんと答えてもらえずに終わってしまった経験が何度もある。質問の仕方も悪かったのだろうが、後で考えてみると「相手が何を質問しているのか理解すること」って結構難しいのである。この質問もまさにそうで、質問の意味を理解せずに、「太陽のまわりを地球がまわっているのに決まっているだろ。小学校は出たのか?」と答えてしまいそうだが、良く考えてみると実は(「科学うんちく」の大好きな私から見て)「とても良い質問である」。

  この質問の主は、(たぶん相対性理論の一部を聞きかじったのだと思うが)「この世界に絶対座標なんてものはないのだから、どちらを中心に考えても良いはず。どうして太陽を中心に考えるべきなのか?」という結構本質的な質問をしているのである。

 そこでこの質問に対する答えだが、「(月だとか木星だとかの)他の天体による影響を無視し、かつ銀河系規模での太陽系そのものの動きなどを無視すれば、地球と太陽を会わせた重心(共通重心)を中心にそれぞれがまわっている」というのが正しい。ただし、たまたま太陽の方が地球より遥かに重いので、その共通重心はずっと太陽より(太陽の中)になってしまっているのである。そのため、大まかな動きを説明する場合は、地球の重力が太陽におよぼす影響を無視して、地球が太陽の周りをまわっていることにしてしまっても大差はないということで多くの教科書はそう説明しているのである。

 二人の人が底の平らな靴をはいて氷の上で一定の長さのひもで相手のことを引っ張り会いながらぐるぐるまわっている姿を想像すると良く分かる。二人の体重が全く同じならば、二人はひもの真ん中を中心にしてまわる。もし、一人が体重200キロでの相撲取りで、もう一人が体重20キロの子供だと、見かけ上はほとんど相撲取りを中心に子供が振り回されているように見える。しかし、厳密にはたとえわずか20キロの子供とはいえその遠心力によって相撲取りを引っ張るので、その引っ張りに抵抗するために相撲取りもわずかに重心を子供と反対向きに保っている必要がある。それが相撲取りの重心の円運動を起こし、正確には「子供も相撲取りも二人の共通重心の周りをまわっている状態」になるのである。

 ちなみに、この手の「科学うんちく」は使う場をわきまえなければいけないのがつらい。例えばデートでスケート場に行ったときにそんな場面に出会っても、決して「あれは厳密には子供が振り回されているのではなく、二人の共通重心が…」などとは始めるのは絶対まずい。

Comments

shun

> ちなみに、この手の「科学うんちく」は使う場をわきまえなければいけないのがつらい。

私はここで良く滑っています。科学ではないのですが、一緒に映画やドラマを見ているとつい「あ、こいつが犯人だ」とか「これからこういう展開になるな」と言ってしまい、良く妻にヒンシュクを買っています。

meigara

はじめまして!私はこういう「科学うんちく」大好きです。

ちなみに、この画像にある太陽と地球の位置関係ですといわゆる「ロシュの限界」(元ネタは銀河鉄道999)を超えていますね(笑)

tosuzu

どうしてもデートで『共通重心』を説明したい時には、まず、「太陽のまわりをまわる地球のように僕は・・」と口火を切って、「でも地球も、太陽に地球のまわりをまわって欲しいと願っているんだよ・・」と展開を図るのは如何でしょうか?

Satoshi

shun さん、私も良く妻にヒンシュクを買っているというか、「話題を変えられて」しまいます(笑)。

meigara さん、これからもどんどん「科学うんちく」書いて行きますのでよろしくお願いします。meigara さんもブログ始められたらいかがでしょう?

tosuzu さん、そんな気が利いたことがとっさに言えるんだったら苦労しませんね。その手のことがさらっとアドリブで出せる人がたまにいますが、尊敬(状況に応じては嫉妬)してしまいます。

Satoshi

ちなみに、「ロシュの限界」ってちゃんと調べたことは無いのですが、潮力に地殻が耐えられなくなるから起こると理解していますが、合ってますよね。重心だけでみると遠心力と重力は釣り合っていても、部分部分で見ると、太陽に近い側は重力の方が強く、遠い側は遠心力が強いために、地球は常に引き伸ばす力(潮力)を受けているわけですが、ある程度以上近づくとその力に地殻が耐えられなくなり崩れてしまうというものです。

meigara

またまた、meigaraです。
「ロシュの限界」について調べていないのにここまでの「うんちく」を語れるなんてSatoshiさんはかなりの達人ですね。
私は銀河鉄道999の中ででそういう星を訪れる直前にこの単語を使っていたのを思い出しただけでして…お恥ずかしい。

conde

はじめまして。

> 地球から見ると太陽が動いて見えます.(中略)絶対的な基準となる神様の視点みたいなやつがあるんでしょうか?

は、私も不思議に思っていました。
で、この記事の、「絶対的な基準となる神様の視点」を持ち出さない説明に「確かにそういう説明はあるな」という程度までは理解したものの、やはり、根本的な疑問が解決されないように思います。

この説明中の、太陽と地球との運動の中心位置が、「絶対的な基準となる神様の視点」から見て、動いていないとは言えず、もしかしたら、地球を中心に周回運動をしている可能性もあるのではないか? というのが、その根本的な疑問です。

syouzu

太陽と二つの惑星A,B(公転周期Ta,Tb)が直線上に並ぶ周期(会合周期)Tを公転周期Ta,Tbであらわせ。科学が大好きなんですが、この問題がわかりません。誰かわかる人は即急に返事をお願いします。

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