ゲーム端末バトル-笑うのは誰?
2005.03.10
今週開かれた GDC(ゲーム・ディベロッパー・コンファレンス) で、マイクロソフトと任天堂が次世代ゲーム端末の仕様を初公開した。気が付いた人も多いと思うが、すごいことが起こっている。気が付かなかった人のために、関連記事から注目すべき点を抜き出してみた。
MS、次世代Xboxに関する情報公表
…次世代XboxはIBMと共同開発したマルチコアプロセッサアーキテクチャを採用し、ATI Technologiesと共同設計したカスタム仕様のグラフィックスプロセッサを搭載。テラフロップ以上のターゲット型コンピューティング性能を実現できる、バランスの取れたシステムを目指す。…
任天堂・岩田社長がGDCで次世代ゲーム機の概要を発表
…Revolutionは、IBMのCPU「Broadway」とATIのグラフィックチップ「Hollywood」を搭載している。これは、エンターテインメントの本場である「ブロードウェイ」と「ハリウッド」の地名から名前が取られたことは言うまでもなく、ここから新世代のエンターテインメントが輩出されるように、という意味が込められれている。…
ソニー:「PlayStation 3ではゲーム開発者の作業負荷を軽減する」
…ソニーは、IBMおよび東芝と提携し、4年前からCellの開発に取り組んでいる。先月には、同社のエンジニアがそのアーキテクチャの詳細を明らかにし、IBMのPowerアーキテクチャに基づくマルチコアプロセッサになると説明していた。…
つまり、据え置き型の次世代端末に関しては、IBMが100%のシェアを持つことがほぼ確実になったのである。それも、単なる「チップの採用」などという生易しい話ではなく、どれも「共同開発」をうたっている点がすごい。
少し前は、PowerPC support on tap for Red Hat Linux だとかの記事もあったし、IBMが着実に駒を進めているのが見える。IBMが今後市場に投入してくるサーバーの多くがPowerPCを使ってくることは目に見えている。
極めつけは、PCビジネスの売却で、これはどう見ても確信犯である。ここまで戦略的に駒を進めてくれば、「詰めの一手」はこれしかないだろう。
「Dell Computer が PowerPC ベースのウィンドウズマシンを発売」
もしこれが実現してしまえば、過去20年間誰もが崩すことのできなかったインテルの牙城を一気に突き崩すことができる。インテルのCEOは枕を高くしては眠れないはずだ。
もう一つ心配なのはソニー。大きなリスクを負ってCELLチップをIBMと共同開発したのは良いが、そこで得られたノウハウが他のゲームメーカー向けのチップに流用されないようにプロテクションはかけてあるのだろうか?世界最強の知的財産管理部門を持つ IBM とそんな契約ができたとは思えないのだが、それは杞憂だろうか?チップの開発はIBMに任せて、プラットフォームとツールの開発に集中投資しているマイクロソフトの戦略とは好対照である。
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