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二次利用の売り上げの方が大きい映画産業

Tetris 飛行機の中でもらった日経新聞(5月7日付け)に気になった記事があったので、ここにメモ。

 ソニーやウォルト・ディズニーなどの米国の映画配給大手の昨年の売り上げ(448億ドル、約4兆7千億円)のうち、映画館での公開による収入は、わずか17%にすぎないとのこと。DVD・ビデオ化による収入が売り上げ全体の47%を占めており、その割合は上昇中。テレビ放映からの収入は28%。

 子供を持つ親として米国に15年ほど暮らし、米国ディズニーは、コンテンツの二次利用がものすごく上手になったと実感していたのだが、ここまで来ているとは驚きだ。

 例えばライオン・キングだが、我が家の場合、(1)まずは公開と同時に一家4人で映画館で見る、(2)映画の感動の冷める前にCDを買い車の中でさんざん聞く、(3)ライオンキングの絵がらの筆箱・カバンなどをねだられて買う、(4)数ヵ月後にビデオ化されると早速買いもとめ、子供が何度も何度も見る、(5)ミュージカル化されると4人で見に行く、という具合にディズニーの戦略にハマりきっている。特に我が家が特別な家族なわけではなく、これがごく一般的な米国の中流家庭の行動だからすごい。ライオン・キング一つでいったい幾ら使ったのか分からないが、それぞれの段階では毎回「まっとうな対価」を払ったと納得させるクオリティを保っているから偉い。

 聞くところによると、ディズニーはDVDの発売時期や流通させる数量などを絶妙にコントロールすることにより、DVD・続編・リバイバルに常に新鮮味も持たせることにより、コンテンツの陳腐化を上手に避けているそうだ。考えて見ると、ディズニーのDVDやビデオはある一定の期間は店頭にならぶのだが、しばらくすると姿を消してしまう。三次・四次攻撃の時にもコンテンツの鮮度を失わせないための工夫なのだろう。見習うべきところは沢山ある。

 ちなみに、今日の挿絵は内容とは関係ないが、米国の携帯コンテンツ・プロバイダーJamdat がテトリスの携帯電話用配信の全世界独占的権利15年分を約135億円で買ったことを記事にしようとして用意した Photoshop 作品。しかし、書こうと思っているうちに三週間も経ってしまったので、ここで流用。一つのコンテンツからどこまで売り上げが上げられるか、という観点から言えば同じことである。135億円というのは、1コンテンツのライセンス料としては破格だが、「ポケモン」クラスのコンテンツだとそのまわりに「一兆円産業」ができてしまうことを考えれば、必ずしも高すぎはしないのかも知れない。

Comments

naotoj

ディズニー、小出しに商品を出してくるのもさることながら、その宣伝も絶妙なものがありますよね。
うちの子どもたちがまだ小さい頃、やはりディズニービデオを子どもたちのために買っていたんですが、”今買わないともう手に入らない”という気持ちにさせる宣伝はすばらしいと思いました。どのビデオか忘れましたが、90年代後半に出たものの宣伝文句に、
”今世紀中はもう販売されません!”
というのがあり、そうくるか…、と思ったことがあります。

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