色で温度を知らせるインテリジェント蛇口
2005.06.14
今日届いた日経エレクトロニクス(5月23日号)の特集は、「インビジブル・エレクトロニクス」。携帯電話やパソコンのように、「一人に一台」の時代の次には、「一人に数十~数百台」のエレクトロニクスデバイスの時代が来る、と言う話。
そこに紹介されていた技術で一番感動したのが、水温を光の色で表示するインテリジェント蛇口。MIT の Media Loboratory が開発したキッチン向けのユーザー・インターフェイスの一つだと言う。
早速、Googleで調べると、一発でMIT自身の発行している文献が見つかる。「The Kitchen as a Graphical User Interface 」というタイトルのエッセイである。やはり一度 Media Laboratory には見学に行かねばならない。
ちなみに、このアイデアを応用して温度センサー付き風呂桶を作るのはどうだろう。間違ってものすごく熱いお湯に飛び込んで後悔した経験は、誰しもが持っている。そんな事故を避けるために色で警告するのだ。熱すぎる風呂だと、風呂桶全体が真っ赤に、冷たすぎる風呂だと風呂桶全体が真っ青になるのだ。「そんなのは、温度計を入れておけば良い」と考えるのは違う。風呂桶そのものが色で教えてくれるところに大きな価値があるのだ。
と、勝手にもりあがったが、実際には、風呂桶の内壁に貼り付けておける温度センサーの方が実質的だろう。温度は数字ではなく色が良いので、NASAが開発した素材をそのまま使えるかもしれない。考えて見たら、もうそんな商品は東急ハンズあたりには売っているかもしれない。やっぱり発明は難しい…
ちなみに、この手の新しい形のユーザー・インターフェイスの商品を実際に作ってしまっている会社を知っている。Ambient Device という会社で、私もここの商品を一つだけ買ったことがある。Ambient Orb という観賞用の電気スタンドで、その日のダウ・ジョーンズ(株式市場の指数)が上昇した日は青、下降した日は赤、と色が変わるのだ。「枯れた技術」であるポケベル(Pager)のネットワークを使って信号を送ってくるのだ。まだ試したことは無いが、インターネット上のサーバーから自分の Orb に向けて特定の信号を送って色をコントロールすることが可能だそうだ。例えば、「自分のブログにコメントが入ると返事をするまでピンクになる」とか出来てしまうのである。
[追記]しげふみさんという方にコメントをいただいて判明したのですが、この温度を色で知らせてくれる蛇口、inax が既にルミナスサーモという名前で商品化をしていたようです。
写真?を見るとホラー映画を連想してしまうのは私だけでしょうか…。
たぶん実際の物はとても綺麗なんでしょうね。親子ずれなどが行く娯楽施設に導入すると受けそう…
Posted by: kazuyon | 2005.06.14 at 21:00
確かにこの写真、少し不気味ですね。せっかくの良い研究なんだから、もう少しイメージの良い写真を使って欲しいものです。
Posted by: satoshi | 2005.06.14 at 22:12
はじめまして。いつも記事を楽しみにしています。
光の色で湯温がわかるお風呂用水栓があるらしいですね。
実際に見たことはないので、どんな感じかは知らないのですが。
http://www.inax.co.jp/products/bathroom/system/precio/
2年ほど前にはルミナスサーモという名前でカタログに載っていましたが、我が家のお風呂への導入は見送られました。
http://inax.co.jp/products_qa/qa_detail.php?cid=ct000004&pid=pd000042&qid=qa000506
Posted by: しげふみ | 2005.06.15 at 08:57
はじめまして。
ご存知っぽい感じもしつつ書きますが…(^^;)。
Ambient Device社も、MIT Media Labの石井裕(Hiroshi Ishii)教授のグループ(tangible media group)からのスピンオフです。
Media Labつながりですね!
(Bonnanniさんはresumeに Context-Aware Computing Group とありますので、別グループかもしれません。)
Posted by: kawaguti | 2005.06.19 at 07:48
そうですか。たぶん繋がっているな、とは思っていたのですが、やっぱりです。
Posted by: satoshi | 2005.06.19 at 07:53