AdSense と アフィリエイトが可能にする「チープ起業」革命
2005.08.03
先日梅田望夫氏と会食をする機会をいただいただのだが、彼の話の中で最も興味深かったのが、「『はてな』のビジネスがVC(ベンチャー・キャピタル)から全く資金調達せずに回っている」と言う話である。インターネット・バブルの崩壊後にGoogleやYahooが広告収入で黒字化した、というだけで偉いのに、「はてな」のような所が、(自分で広告主を集めるのではなく)Google の AdSense と Amazon のアフィリエイトでそれなりの売り上げが上がって、その資金でさらなる開発投資ができてしまうという事実は、私にとっては「目からうろこ」の衝撃であった。
私の知り合いにも、自分のブログに楽天の商品の紹介をちりばめて月180万円もの売り上げを誇るすごい人がおり、私も実験と思い楽天やアマゾンのアフィリエイトに入ってこのブログに少し広告を出してはいる。しかし、私はあくまでその手の広告から得られる収入は「ブロガーの小遣い稼ぎ」ぐらいにしかならないと完全に誤解していたのだ(もっと両目を良く開けて世の中を見ていなければならない…反省、反省)。
私も早速 Google AdSense に申し込み、試してみたのだが、これがなかなか面白い。Permalink(固定リンク)で個別のブログ記事を開くと、きちんとその内容にマッチした広告を表示してくれるのだ。テクノロジーの記事には転職情報、食べ物の記事にはグルメ情報、英語うんちくには留学情報、の広告が出るのだ。これは効果がありそうだ。
[例]以下の各ページを開いて、記事の内容と画面左の広告を比べて見るといかに Google の AdSense がすぐれものかが良く分かる。
・Ajaxの本質 (エンジニアの求人広告)
・ミルフィーユの悩み (各種スイーツの広告)
・Lexus RX330 (トヨタ車の査定や中古車の広告)
・個室露天風呂気分で入浴 (貸切露天風呂の広告)
・シアトル豪邸ツアー (リフォームや輸入家具の広告)
・101回目の開眼 (ゴルフ用品の広告)
・恋のブックマーク (もて方、口説き方の広告)
これだけのシステムを自分で作るには膨大なコストがかかるし、十分な数の広告主を集めてくるには大勢の営業部隊が必要である。それを全てGoogleが代行してやってくれるのだからすばらしい。ブロガーだけでなく、「はてな」のようなウェブ・サービスを本業とするところが、主たる収入源として利用するに足るサービスである。
つまり、この手のアフィリエイトやAdSenseのようなサービスは、「はてな」のようなウェブ・サービス・ビジネスの収入サイドでの参入障壁をものすごく低くしてしまったのである。ユーザーにとって役に立つウェブ・サイトを作り、ページ・ビューを増やすことが出来れば、設立後からすぐにそれなりの収入を得ることも可能な時代になったのだ。サーバー運営のコストを抑え、広告を適切な位置に配置した魅力的なウェブ・サイトさえ作れば、比較的早いうちに黒字化することも夢ではないのだ。
今まで、「インターネット・ビジネスはそれなりの資金が無ければ始められないので、その点ではベンチャー・キャピタルからの資金が集めやすい米国のベンチャー企業の方が圧倒的に有利」と頭から信じ込んでいた私が、この事実を認識してから少し見方を変えた。こんなチープな(=巨額な設立資金を必要としない)ビジネスの立ち上げ方が可能であれば、日本の起業家たちにもまだまだチャンスはあるように思える。
アフィリエーター愛用の短縮URL
一部サービスにのASPで報酬カウントされないところがあります。
カウントされないと当然報酬は0です。・・・
http://zakupura.livedoor.biz/archives/50352096.html
Posted by: 高野裕 | 2006.11.11 at 08:35