米国の貿易赤字に関する素朴な疑問
背中にあてた手のひらのぬくもり

理科系人間にも分かる「小泉改革の本質」

050831_094403_1   以前にも、「Ajaxの本質」などのエントリーを書いたことがあるが、エンジニアにとって、物事の本質をしっかりと把握して、絶対に必要なものとそうでないものを見極める力を付けることは非常に大切である。

 そこでその練習も含めて、小泉首相がやろうとしている構造改革の本質を私なりに解釈して、理科系人間の私にも納得できる形で解説してみようと思う。

 今の日本が抱える一番の問題は、財政赤字である。支出が税収を大きく上回る状況を何年も続けて来たため、国債という形の大量の借金を抱える悲惨な状況になっているのだ。誰が考えても、この「支出が税収を上回る状況」は早急に解消すべきなのだが、それがとても難しいのである。

 なぜ難しいかと言うと、それは政府の支出をコントロールする立場にいる政治家や官僚が、「支出を多くしたほうが自分自身が得をする」立場にいるためである。つまり、地方にどのくらいダムや道路を作ったら良いかを決める立場にある人達が、地方にダムや道路を作れば作るほど(つまり地方に金をバラ撒けばバラ撒くほど)、地元からの票が集められる、引退後の天下りポストが保障される、などの恩恵を受ける構造になっているのである。こんな構造になっていれば、政府の支出がどんどん増えていくのは当たり前である。

 そんな政治家や役人の行動を、「それは彼らのモラルが低いからだ」と批判するのは簡単だが、とんだ勘違いである。私も含め、世の中の99.9%の人間は、お金を使えば使うほど自分が得をする環境に置かれれば、お金を使うに決まっている。人間とは元来そういうものだ。そんな状態に彼らを置いてしまっている構造そのものに根本的な欠陥があるのである。つまり、これはモラルの問題ではなく、インセンティブ(動機付け)の問題なのである。

 この問題の正しい解決方法は、その構造そのものを壊してしまうこと(=構造改革)にあるのだが、それがまた難しいのである。なぜなら、そういった構造を決める立場にいる政治家の多くが、同時に今の構造から多くの恩恵を受ける立場にあるからである。彼らとしては、構造改革をすることイコールその恩恵を失うこと、なので、当然のように構造改革に反対する抵抗勢力となるのである。

 悲観論者は、「そんな状況では決して日本の国はまともにならないじゃないか」と嘆くかも知れないが、必ずしもそうではない。我々有権者には、『票』という武器がある。この武器を最大限に生かして、抵抗勢力を国会から追い出し、自分自身の目先の利益を犠牲にしてでも構造改革を進めてくれると信じるに値する政治家に票を投じれば良いのである。

 小泉首相は、自分こそそんな政治家であり、郵政民営化という踏み絵を使って抵抗勢力を追い出した自民党に票を投じて欲しいと主張しているのである。小泉首相を信じるも信じないも、我々有権者の自由であるが、彼のこの問題に関する立場が10年前から一環している点は評価に値する。後は、我々有権者が、小泉首相に本当の構造改革を起こすだけのリーダーシップがあると判断するかどうかである。

[参考文献]
小泉内閣総理大臣記者会見、衆議院解散を受けて
郵政民営化をわかりやすく理解するために
なぜ、郵政公社を民営化するべきなのか?
自民党の政治システムと郵政民営化と小泉純一郎
米国政府の「年次改革要望書」を読む
ぐっちーさんの金持ちまっしぐら、心理戦

Comments

nyajila

はじめまして。いつも鋭い視点での記事を楽しんで読ませていただいています。米国の貿易赤字の記事は、「うーん、なるほど」と思いました。
ところで、ほんの30分くらい前までは、Wash meじゃなかったような…。

satoshi

>ところで、ほんの30分くらい前までは、Wash meじゃなかったような…。

よく気が付きましたね。最初はお札だけでよかれと思っていたのですが、何か物足りないので、Photoshop でイタズラしました^^;

匿名

>今の日本が抱える一番の問題は、財政赤字である。
財政赤字問題は確かに重要な問題ではあるが、
一番の問題ではないと思います。
貴兄は、もう少し、マクロ経済学を学ばれた方が
よろしいかと。私も、専門ではないですが。
国家財政と家計とは、根本的に異なるもので、
日本の場合、国債の調達先は、外国人ではなく、
国内の民間部門の貯蓄ですから、赤字自体は、
実は、それほどの問題ではありません。
おそらく、より、根源的な問題は、
我が国において、人的資源の配分が失敗していること、
つまり、適材適所の配置がなされずに、
国民のエネルギーが経済活性化に生かされていないこと
であると、私は思います。
ちょっと独断じみていて、失礼しました。

satoshi

 匿名さん、コメントありがとうございます。出来ることなら次回からできるかぎり実名(少なくとももうすこしまともなニックネーム)でお願いします。私のエントリーに関する反対意見も大歓迎だし、議論も大好きですが、「誰と議論しているのか分からない」状況では2チャンと同じ状況になりかねません。

 私は経済の専門家ではありませんが、少なくとも他人の言っていることを聞いて理解する能力は持っているつもりです。このエントリーは、小泉首相の主張していることを、私なりに理解し、解釈して、要約したものです。私は彼の言っていることを頭から100%信じるつもりはありませんが、少なくとも彼の主張は首尾一貫していると思います。

 我々の様に経済の専門家でも政治の専門家でもない一般の有権者にとって、最善の方法は、「どんな国にしたいか」というビジョンが共有でき、かつ、それを実行する力のある人に投票することだと思います。現時点では数ある党のトップの中で小泉首相がもっとも明確で首尾一貫したビジョンを打ち出していると思います。私としても、他の党の言っていることをもっと理解したいのですが、勉強不足のためか、まだまだ彼らのビジョンが見えてきていません。

 匿名さんのおっしゃる「赤字国債は問題ない」という発言は私には初耳だし、その発言のバックグラウンドが見えていないので、何ともいえませんが、「無駄使いによる赤字が膨らみ続ければ、いつかは誰かが痛い目に合う」のは私には当然と思えます。そして、その「誰か」が日本国民だと言うこともほぼ確実に正しいと思います。

通りすがり

匿名さんは「赤字国債は問題ない」とは書いていないと思いますが。赤字国債の問題を解決するのに、人的配分を考え直し、経済を活性化し、税収を増やし、結果として、国債の解消をはかったほうがよいというご意見のように思いますよ。

自民党がもっとも首尾一貫したビジョンを打ち出しているとのことですが、そんなことはないと思いますよ。

Chaborin

匿名さんの「あなたはもう少し勉強したほうがよい」というコメントは、匿名で発するコメントとしては最低の部類に入ると思います。もし本気で議論したいのであれば、この言葉だけはやめたほうが良いです。
また、通りすがりさんの「自民党が~そんなことはないと思いますよ。」も同義です。理由が全く書かれてないから、これもまた「もっと勉強しろ」と言ってるのと同義です。
説得したい気持ちもわからなくもないけれど、どちらのコメントもフレームの元にしかなりえません。

今回の小泉首相の最もうまい点は、自民党を変革した政党として仕立てあげたことだと思います。だが、政党として実際になったかどうかは投票後にわかる、と。これはちょっといただけないと思いますが...
つまり、自民党が首尾一貫したビジョンを打ち出してるのではなく、小泉首相が限定した分野でのみ、考えにぶれがないことを強調している、と。自分の土俵で有利に戦うことにとても長けているなぁ、というのが私の感想です。

グワッシ

「小泉改革の本質」?う~ん。むずかしくてわかりませ~ん、、、自民党を改革してることかな?

これだけ自民党を変質させてきたところはスゴイと思う。会社を変革する経営者と似ている。ただ説明責任は果たせていません。郵政民営化が必要か?って言われてもわかりませ~ん。

票を入れるかどうかは相対評価で。誰か、小泉を貶すのではなく、日本を再生するビジョンを実現可能な形で示してくれないかな?そうでないと、小さい土俵で比べることになります、、、

RDM45/WHM45

satoshi

Chaborin さん、コメントありがとうございます。私もまだ小泉支持と決めたわけではありませんが、現時点ではもっとも良いポジションにつけていることは確かだと思います。ビジョンも分かりやすいものを出しているし、民社党は郵政民営化に反対するという大失策をしたために、革新政党というイメージが薄れてしまいましたからね。何でも与党の言うことに反対するのが野党の役割ではありませんからね。

グワッシさん、確かに「誰が実現できるのか」という部分で私も悩んでいます。ビジョンとしては小泉さんの出しているものが一番明確で分かりやすいのですが、じゃあ彼に出来るのか、という部分では不安が一杯です。しかし、野党は野党で相も変わらず与党批判ばかりが目に付いて、ビジョンが見えて来ないところが、悩みです。

ひろ

挙げられた構造改革についての理解が、
http://www.tetsu-chan.com/05-0622yuusei_rijikai2.pdf
(竹中平蔵が頼んだマーケティング調査)に
勧められている(IQの低い人向け)マーケティング戦略の方法と
ほとんど同じなのに驚愕しました。
「理科系」というのは「IQが低い」ということと
同じ意味だったのかと一瞬誤解しそうになりました。

という話はともかくとして、
「構造改革」は必ずしも赤字減らしに必要ではありません。
普通の家庭と違って、政府は合法的に赤字を減らす方法が
借金を返済する以外にもいろいろあるからです。
(リフレ派あたりの話も調べてみてください)

satoshi

 ひろさん、興味深い資料へのリンク、ありがとうございます。勉強になります(しかし、この資料が主婦とシルバー層をIQ軸で下に置いている部分は私には許せませんね。)。小泉首相が最近とても分かりやすいメッセージを発信していることには、こんな調査が役にたっているのかな、とも思えますね。政治家が国民に対して話す場合、どんな人たちにも明確に伝わるメッセージを送ることは非常に大切ですから。

 私を含めた多くの理科系の人たちは、普段あまり政治のことや経済のことに目を向けていない(というかひまがない)というのが実情だと思います。しかし、そんな我々も貴重な票を持った有権者なので、政治家の人たちには、もっと分かりやすくて納得できるメッセージを発信するようにお願いしたいところです。しかし、ノイズだらけのメッセージの中で、小泉さんの主張する「構造改革の必要性」の部分だけは、私にもものすごくはっきりと理解できたし納得できたので、ここに私なりの解釈を書いてみたしだいです。

 ちなみに、「リフレ」に関して色々とフィードバックをいただいたので、少し勉強してみようかとも思います。

kino

リフレは3,4年くらい前がweb上では最も盛り上がってたと思います。

論点がほぼで尽くした事と日銀総裁選択(2003年3月)の際にリフレ派であった中原伸之氏が選ばれず、福井俊彦(現日銀総裁)氏が選択され、勢いは収まったと思います。

景気が良くなっていまさらと思われるかも知れませんが、Web上ではまずこれを読むべきだと思います。
http://cruel.org/krugman/babysitj.html
構造問題との関連についてはこの辺でしょうか。
http://cruel.org/krugman/ryoma/nopaintext.html

クルーグマンはリフレ派の"グル"です。
リフレ派の戦いについてはこの辺でしょうか。
http://hotwired.goo.ne.jp/original/noguchi/index.html

satoshi

 kinoさん、資料へのリンクありがとうございます。勉強になります。おかげさまで、リフレ派の主張することも少しは理解できたように思えます。

 現時点での理解に基づいた発言ですが、確かにリフレ派の人たちの言っていることも一理あるようにも思えるが、構造改革派とリフレ派の主張は少し別の次元にあるように思える、というのが正直な感想です。

 リフレ派の主張は、対処療法の議論で「この患者は肺炎にかかって高熱を出しているから、熱さましを飲ませて氷まくらで頭を冷やそう」と言っているようなものです。これに対して、構造改革派は、「この患者が肺炎にかかっているのはそもそもエイズウィルスに犯されて体の抵抗力が弱っているからだ、まずはエイズウィルスを体から追い出そう」と病気の根本原因の話をしています。

 その意味では、医者がそんな患者をさまざまな手法で救おうとするのと同じように、リフレなどの対処療法も必要に応じて使いながら、根本の原因である利権構造を破壊していくのが大切なのではないか、と私には思えます。

okuda

上のkinoさんの書き込みとかぶります。。

田中秀臣氏の以下のページで“インターネット経済論壇”が解説されています:
http://reflation.bblog.jp/entry/95171/
これを読むと、「リフレは3,4年くらい前がweb上では最も盛り上がってた」様子が
よく分かると思います。

リフレ派については、黒木玄氏のサイト:
暗闇への跳躍:クルーグマンによる日本の経済政策批判 http://www.math.tohoku.ac.jp/~kuroki/Readings/leapinthedark.html#krugman
に、様々なポインタがありますので、たどっていくと便利かと思います。

northCountry

「本質」で議論するのは結構危ういと思います。いわゆる「総論賛成,各論反対」で,名ばかりの改革になってしまうことが過去から多々あります。今回の郵政民営化論議でも小泉総理の主張する総論ばかりが先行していて,肝心の「じゃあ何をどう改革したのか」が置き去りになっています。民営化しさえすれば,無駄遣いや国債の引き当てが減るほど単純な議論ではないはずです。構造改革の必要性に引っ張られすぎると,自民党的マーケティング(あるいは小泉的ワンフレーズ・ポリティクス)に乗せられることになります。郵政民営化のその路線は,あくまでも象徴にすぎないのです。本質はその「中身」にあるべきです。
実のところ,構造改革の必要性は橋本龍太郎が総理をやっていたころから言われています。それで増税を表明したから自民党が大敗して,小渕・森の「大きな政府」路線が借金をしまくったという流れがあります。その森派が今や自民党の筆頭派閥でしょ。小泉の本質が自民党の本質ではない,という可能性を考慮すべきだと思います。

mojimoji

>satoshiさん

はじめて書き込みします。

感冒薬(リフレ策)は風邪(不況)を治すためにやるのであり、
リハビリ(構造改革)は機能回復(不当な利権構造の解体等)のために行うのです。
その意味で、別次元というのはまったく正解です。
小泉総理は、リハビリが風邪を治すためのものであるといっている点で、これはまるっきり間違っています。
kinoさんが指摘しているのはまさに、小泉が別次元のものを混同しているのだ、ということです。

>医者がそんな患者をさまざまな手法で救おうとするのと同じように、リフレなどの対処療法も必要に応じて使いながら、
>根本の原因である利権構造を破壊していくのが大切なのではないか

というのは、「風邪を治してからリハビリするのも、リハビリしてから風邪を治すのも同じではないか」
といっているも同然の暴論(失礼)です。別次元のものですが、その順番が決定的に大事なのです。

そして、無駄遣いであろうと何であろうと、今、我々の所得を支えているのは財政赤字です。
(そもそも全部いっしょくたにして無駄遣い呼ばわりはまったく正確ではありませんが。それはこの際、措きましょう。)
政府支出が減らされれば、あるいは増税されれば、需要はさらに減り、
人員整理したり倒産したりする企業が増え、私たちの所得は減るのです。
これはTBしているbewaadさんが丁寧に説明してくれています。
多くの人を路頭に迷わせた後で、小泉氏は一体何をしたいのでしょうか?

彼のスローガン、「改革なくして景気回復なし」は経済学的にはまったくの間違いであり、
実に悪質なプロパガンダです。
「景気回復なくして改革無理」というのが正しい認識です。
この順序は「どちらからでもよい」ものではなく、人々の生活を大事にするなら、
どちらを先にすべきかは明らかだといいえるものです。

satoshi

northCountry さん、mojimoji さん、分かりやすいコメント、ありがとうございます。ご指摘の通り、小泉首相は総論(=構造改革)の部分では正しいことを言っていながら、何をどんな順番でやるべきかに関して、ちぐはぐな部分があると、私も感じています。しかし、小泉首相以上に明確なメッセージを送り出している党が無い以上、このままだと自民党圧勝になるような気がします。お二人のコメントぐらいきちんとしたことを民主党あたりが言ってくれれば、もう少し状況は変わるとは思いますが。

babie

中身のある構造改革ができるかについては、「道路公団」という先行事例から評価できるのではないでしょうか?

mojimoji

>小泉首相は総論(=構造改革)の部分では正しいことを言っていながら

先のコメントではポイントを絞るためにあえて書きませんでしたが、
小泉政権の政策は構造改革論としてもいささか的を外しているように思います。
まぁ、構造改革で景気回復を、と述べているのは民主党も同じのようで、
こと景気対策に関する限り、的外れぶりは勝るとも劣らないですけどね。

違いは、一応民主党は国民生活を「良くする」ことを公約に掲げてることと、
社会福祉全般は与党が今国会で進めてた「障害者自立支援法案」という悪法には反対、といったあたりは、
個人的には重要な違いではあります。

nq

拙見によれば、小泉改革の本質は、現状破壊の決意だけあって、その先の目標が不明確なことです。みんな誰でも現状には完全には満足しておらず、変えたいとは思っているので、目標が明らかでないだけに、万人に「改革は是」という総論において支持を受けているのでしょう。私もひところ期待していましたが、今は小泉改革は害の方が多いと覚りました。極端な例えですが、小泉改革に期待するのは、フセイン政権を壊せば直ちにイラクの民衆が救われると期待するのと同じようなものです。
 改革後の目標が実は決まっているけれどわざとぼかされているのか、本当に小泉さんの目標が空っぽなのかは判断が難しいところです。ただ、道路公団改革を見る限り、小泉さん自身は改革後の内容はどうでもよいと思っているのではないか、と私には思われます。
 そこをうまく利用する周辺が、既得権益の横取りする(たとえば、橋本派を弱める一方で森派が権勢を伸ばす、郵便局を弱めて大手銀行が顧客・預金をさらう)というのが、派生効果となっているように思います。
 

でむらま

はじめてコメントします。

こうやってブログを立ち上げて、意見を表明されていることに
敬意を払いつつ、一点だけ。

「主張が明確で、一貫性がある」というのは、
必ずしもプラスの評価にならないかなと思います。

状況は、いつも激しく変わるので、それに対応して、
考え方を柔軟にかえる方が好ましいという論も成り立ちませんか?

少なくとも、主張の内容は(状況によって)変わりえます。

むしろ
「何を」主張しているのかではなく、
「どういう風に」主張しているかに、
その人の本質があらわれると
わたしはおもっています。

小泉さんの主張の仕方は、
「明確で一貫性がある」ものですが、
別の視点で見れば、それは、
「説明が単純すぎて、丁寧ではなく」
「がんこで人のいうことに耳を貸さない」
という特性を持つように、私にはみえます。
#この特性は、むしろ、これまでの4年間
#「一貫している」といってよいかもしれません。

わたしには、これらの特性は、
鋭い利害対立を乗り越えていかなければならない
これからの難しい局面にとって
ふさわしいとは思えません。

・・・と、はじめてお邪魔するのに、長々と失礼しました。
こういう意見もあるということで、
ご参考になれば幸いです。

satoshi

 色々な意見をいただき、大変勉強になります。確かに、「景気回復より、まず構造改革ありき」という小泉首相のやりかたを「強引」「現実的でない」「国民の苦しみを理解していない」と批判する人たちの意見ももっともだと思います。

 しかし、私としてそういった意見に必ずしも100%同調できないのは、「今、小手先の景気回復をすることは、問題の先送りに過ぎないのでは?」という不安があるからです。競争原理の働かない所には、必ず利権や効率の悪さが生じます。そういったものを壊さずに問題を先送りすることは、長い目で見て良いこととは思えないのです。

 一つの極端な考え方としては、勢いのある小泉首相にとにかく今の構造を壊してもらって、一度悪い部分を全部出してから、別の首相の元に日本を作り直せば良い、というのもあるとは思います。郵貯の320兆の資産の投資先の中にも焦げ付いてしまっているものがあるのであれば、早いうちにフタを開けておかないと、大変なことになるような気がします。

でむらま

お返事をありがとうございました。

satoshiさんのおっしゃる考え方も、わかるなぁと思いました。
壊すなら、小泉さん!。

ただ、その考えで気になるのは、次の首相を私たちが選べないという点です。
小泉さんが任期通りやめるとすると、次の首相は選挙無しで決まることになります。
それは、ちょっとなぁ、というのが正直なところです。

どうも、いつもそうではあるのですが、
どの方面からみても傷のない選択はありませんね。

最後まで悩んで、投票しようと思います。

おつきあいありがとうございました。
#このネタがきっかけで、satoshiさんのほかのブログも読みました。
#ああ、なんだかお友達になりたい方だと、(年下ながら生意気にも)
#そんな感想を持ちました。
#これからも、楽しみにしています。

モジモジ

satoshiさんが真剣に考えておられることは疑いませんし、その姿勢に敬服しますし、そうそう簡単に意見を変えるものでもない、ということも当然ですし、そのあたりは理解します。その上で、そのお考えに対して批判させていただきます。

>「今、小手先の景気回復をすることは、問題の先送りに過ぎないのでは?」という不安があるからです。

というのは、まだ問題の区別がついていないのだと思います。
satoshiさん自身が最初におっしゃったように、景気回復と構造改革はまったく別次元の問題なんです。

と同時に、郵政民営化という策は、構造改革の手法としても極めて乱暴な手法であることをごまかし、
数々の代替案が出ているにも関わらず、小泉政権は国会での答弁を実にいい加減に済ませてきました。
そのあたりは、
http://d.hatena.ne.jp/mojimoji/20050821/p2
http://d.hatena.ne.jp/mojimoji/20050822/p1
でも書きました。
まぁ、僕の駄文を読むより、TBされているbewaad.comの8月後半以来の記事を読めば明白なことです。

>とにかく今の構造を壊してもらって、一度悪い部分を全部出してから

とおっしゃいますが、言葉は悪いですが、実に乱暴だと思います。
今の構造を全部壊してもらって、たとえば、障害者の人たちは路頭に迷ってもらいましょうか?
http://d.hatena.ne.jp/mojimoji/20050904/p1

今ある構造の中でやっとかっとで生きている人たちへの責任も想像力もなく、
簡単に「全部壊してから考えましょう」などといってもらっては困ります。
それが「理系的発想」なんですか?僕にはちょっと信じられません。

satoshi

 モジモジさん、コメントありがとうございます。最初に誤解の無いように言わせていただけば、私も多くの有権者と同じく、「色々な問題があるのは分かるが、どの政治家が本当に解決してくれるのか」と悩んでいます。私なりに、小泉陣営の主張する「構造改革」と「郵政民営化」の必要性に関しては理解したつもりです。しかし、だからと言って、「絶対に自民党に投票すべきだ」とも、「社会の弱者が路頭に迷ってもいい」とも思っていません。民主党あたりが、「方向性としては小泉首相と同じだが、私達はこんな方法で実現します」とより具体的な政策を出してくれるともっと良いのですが、小泉批判とイメージ作りばかりに貴重な時間を使うので、そのあたりがなかなか見えてきません。

 私も含めて、色々な人がこうやって自分の意見や解釈をブログの形で表明することにより、より多くの人が「今回の選挙はとても大切なんだな、投票しよう」と思ってくれるだけでも価値があると思います。

モジモジ

結構きつめの発言をしているのに冷静に受け答えいただいて恐縮です。
正直、ここははてなブックマークの登録数など見ても結構注目を集めているエントリなので、ここまでしつこくつっかかっている、というところはあります。僕としての希望は、せめて小泉改革の本質を理解してから支持してほしい、ということです。「障害者は死ね」、「金がない奴は医療も教育も我慢しろ」、「政府はユニバーサルサービスに責任を持つべきではない」と言いながら支持して欲しい、ということです。語られている「改革」を、改革であると誤解したまま意思決定するのだけは勘弁してくれ、ってとこです。それを理解できるだけの材料は多分揃っていると思います。

それでは、ひとまずこれにて。

satoshi

 モジモジさん、確かにきつい発言ですね。「構造改革を実行する過程において、弱者を例え一時的にでも切り捨てないようにするにはどうしたら良いか」、という部分に関して十分な考慮がされているかどうかに関しては確かに疑問を挟む余地はありますが、「小泉首相が初めから弱者を切り捨てる気で構造改革を進める気だ」という批判は、あまりにも一方的で感情的な発言で、私としてもどう答えて良いものか返答に困ります。

Baatarism

satoshiさん、はじめまして。
私も自称リフレ派なのですが、仕事はソフトウェア・エンジニアで、根っからの理系人間です。そして我流で政治や経済について勉強しました。私はbewaadさんの影響を強く受けたのですが、ぐっちーさんや雪斎さんのような構造改革派のブログでもコメントしていますし、その主張も理解しています。
ネットでは構造改革派vsリフレ派という図式で論争が行われているので、一般にはこの2つが対立した意見のように思われていますが、私はそうは考えていません。
構造改革派が主張してきた民営化、規制緩和、不良債権処理といった政策は、供給側の効率化を目指したものでしょう。
一方、リフレ派が主張するインフレターゲットや国債の買いオペ増大、政府通貨の発行などは需要の増大を目指したものでしょう。
経済成長のためには需要と供給がバランスを取って増加する必要があります。だから、この2つはどちらも必要な政策でしょう。ただ、需要不足ならば需要の増大、供給不足ならば供給の効率化を優先するべきですが。
構造改革派、リフレ派のどちらの考え方を重視するかは人それぞれですが、特定の考え方にこだわらず、日本経済をよくするためにはどういう政策が良いか、常に柔軟に考えたほうが良いと思います。経済への処方箋は、そのときの経済状況によって違ってくるわけですから。

okuda

一連の議論と関係のない話で恐縮ですが、satoshiさんにお願いがあります。直接メールをしようと思いましたが、satoshiさんの連絡先を見付けられませんでしたのでここで。

以前このエントリにコメントしたokudaです。
http://satoshi.blogs.com/life/2005/08/post_19.html#comment-9068297

コメントした際、メールアドレスが公開されるとは思わぬままアドレスを記入してしまいました。(メールアドレスかURLを記入しないことにはコメントを拒否されるようでしたので。)しかし、ここでは自動的にアドレスが公開される仕組みなのですね。以来、スパムメールが多量に来るようになりました。

そこで大変お手数ですが、私のメールアドレスをこのページから削除していただけませんでしょうか。公開したくないアドレスでしたもので。

なお、当コメントは一連の議論と全く関係ありませんので、削除していただければ幸いです。

大変勝手で恐縮ですが、どうぞよろしくお願いいたします。

世の世

小泉改革は、勝ち組と負け組みをはっきり分けてしまうという人道無視の冷たい改革です。結果的に国民の善良なほとんどの人々を負け組みにして負担を増やし、一部の悪辣極まりない者共を勝ち組にして大金持ちにはどんどん資産が増える仕組みと負担が減る仕組みを作った。このような悪政は日本の政治史の中で足利義政の時代を除きほとんどなかった。戦国時代の下克上でも戦国武将は領民を大事にした。小泉、竹中、谷垣は銀行や金貸し、悪徳建設・マンション業者、ライブドアや村上ファンド、トヨタが儲かるようにのために政治をした。同時に田舎を切り捨て都市中心にした。

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