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小泉首相のアンディ・ウォーホール風似顔絵

Koizumi Okada

 日本行きの飛行機の中は、メールも入って来ないし、インターネットをついつい散策してしまう心配もない。ある意味で外界から隔離された王様空間。普段の仕事のリズムではなかなか出来ないツールの習得などに絶好の時間だ。そこで、今回はPhotoshopの機能で今までどうしても使えこなせなかったPathの機能を重点的に学ぶために、写真のベクトルデータ化を試みることにした。

 機内に持ち込んだ小泉首相と岡田(元)代表の写真をまずは「Cutout」の機能を使って限られた色数のポスター風の画像に変換する。この作業が最終的な画像の質を決めるので、大切な作業である。色数はできるだけ少なく、ポリゴンはできるだけ単純にしたいが、あまり単純化しすぎては誰だか分からなくなってしまうし、単純化が足りないとイラストっぽくならない。ちょうど良い具合なポリゴン化が出来るまでに、明度やコントラストを変更したり、元の画像にぼかしを入れたりしながら試行錯誤したので、かなりの時間を費やしてしまった。

 この作業が終わったら、同じ色のポリゴンを集めてPathを作り、それを元にFill Layerを作る。Pathの概念を全然理解せずに始めたために、始めはずいぶん手間取ってしまったが、3つ4つ作っているうちに慣れてきた。この時に注意すべきは、Pathを作る時に切り紙を重ねていくイメージで作ることである。その時に、ポリゴンを手作業でさらに少し単純化すると、よりイラストっぽくなる。そして、さらに似顔絵っぽくするために、その人の特徴を強調する。小泉首相の場合は鼻の幅広さを若干強調し、岡田元代表の場合は白目を強調した。

 そうやって作ったのが、バックグラウンドもあわせてそれぞれ9個、12個のベクターレイヤーから出来ている小泉首相と岡田(元)代表の似顔絵。最後に味付けとして髪と背広の色をサイケデリックなものに変えて、テキスチャーを追加して完成。アンディー・ウォーホール風の似顔絵の出来上がりだ。仕上がりを見ると、やはり後から作った岡田(元)代表の方が似顔絵風に仕上がっている。ポリゴン化の段階での思い切った単純化が良かったようだ。

Comments

森川和則

小泉首相と岡田(元)代表のポップアート風似顔絵を拝見しました。これらの作品はmasterpieceだと思います。ところで、これらの元になった写真を何とか見れないものでしょうか? 私も首相の顔で遊んでみたいのですが、いい写真が見つかりません。
Kazunori Morikawa, Ph.D.
Professor
School of Human Sciences, Osaka University
E-mail: [email protected]

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