一度も会ったことのない恩師
2005.09.21
成田エクスプレスに乗る前に、駅のキオスクで何気なく手に取った「週間ダイアモンド」に多湖輝氏の名前を発見。一度も直接合ったことはないが、私の大の恩師である。
多湖輝氏の『頭の体操』を片っ端から読みあさったのは小学生の高学年のころだ。解けない問題の答えを見るのが悔しくて、一冊読むのに何ヶ月もかかってしまったのを覚えている。
知的ゲームの楽しさ、既成概念に捕らわれない発想法、難しい問題に取り組む姿勢、柔軟な頭の使い方、など今の私を形作る上で幾つもの重要なレッスンを与えてくれたのが、この『頭の体操』シリーズだ。私は何につけても出来るだけ人と違う発想をしようと試み、誰も思いついたことがない事をすることに喜びを感ずるが、そのルーツは『頭の体操』にある。
ソフトウェアの開発効率は、開発の過程で生ずるさまざまな問題をいかに効率よく解決して行くかにかかっているが、『頭の体操』で鍛えられた頭の柔らかさに何度助けられたか分からない。私は常々、「大半のソフトウェアの開発には中学生程度の数学で十分」と言ってきたが、今度からそれに「ただし、『頭の体操』で柔軟な頭の使い方をトレーニングしておくこと」を追加しよう。これからソフトウェアエンジニアを目指す学生ならば、微積分の問題を解く能力よりも、金貨問題を解く頭の柔らかさの方が、実戦では何倍も役に立つことを覚えておいた方が良い。
今の日本の小学生は、低学年のころから塾で受験勉強をさせられるらしいが、そんな詰め込み型の教育が本当に日本の将来のためになるのだろうか、と不安になる。脳の発育にとって一番大切な時期を、極度にゆがんだ教育システムの中で過ごした子供達は、柔軟な発想が出来る大人になれるのだろうか?
そもそも、今の受験システムは「勉強して一流大学に入れば、一流企業や役所に就職できて、そこが退職後の天下り先まで世話してくれる」という社会構造を前提として作られてきたわけで、その社会構造そのものが崩壊しつつある今、そんな受験勉強で子供の頭脳を疲弊させるより、『頭の体操』でも読ませてどんな時代が来ても柔軟に対応できる大人に育ててあげた方が良いような気がする。
こんにちは、いつも楽しく読ませていただいてます。
多湖先生のような枠を越えた発想ができる子供が増えなければいけないと思います。そんな子供を育成する教材の開発に取り組んでいます。むちゃくちゃ勇気と力がわいてきました。
それと先日勝手にsatoshiさんのブログのことをとりあげさせていただきました。
けれど多湖先生が「一度も会ったことのない恩師」だとは思いませんでした。
おもしろいです。
Posted by: りんご(パズルと迷路で最強の塾をつくる!) | 2005.09.22 at 05:17
何度も申し訳ありません。
こちらで紹介させていただきました。
http://ringojuku.seesaa.net/article/7131485.html
Posted by: りんご(パズルと迷路で最強の塾をつくる!) | 2005.09.22 at 05:23
実は、りんごさんのことも少し意識して書きました。「パズルと迷路」を使って子供達を教育、という発想はすばらしいと思います。がんばってください、応援しています。
Posted by: satoshi | 2005.09.22 at 16:09
いつも楽しく見ています。
日本でもゆとり教育ということで変えようとしている
みたいですが、なかなか現存の社会の体制や説明不足
などで違う方向にいっているみたいです。
柘植先生の本にも書いてありますが、RTジョーンズ博士
との出会いよって子供の頃に以下を身に付けるため
勉強だけでなく自然で遊んだりすることの大事さが書かれていました。
自分で観察する力
想像する力
気持ちをまっさらにする力
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4006030150/250-8376373-3937861
ま~!自分はテレビばっかり見ていた子供時代でしたが!
Posted by: kyuppon | 2005.09.23 at 22:14
kyuppon さん、コメントありがとうございます。この本、面白そうですね。早速チェックしてみます。おっしゃるとおり、脳が発達する貴重な時期に、敷かれたレールの上を走らせるのはあまりにもったいないですよね。
Posted by: satoshi | 2005.09.23 at 23:01
あまりにこの本の一面的なことしかコメントしていませんので
よかったら読んで見てください。もっと多面的というか
いろいろ書いてありますので!
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読んでて
しかし初期のパソコン誌はでっち上げも結構あったのですか。
あのころ、結構大人もはまってプログラムしたりゲームしたり
ている人いましたよね。マイコンクラブなんて地方にもいっぱい
出来て。みんな熱くなってました。今考えるとすごかったな!
PC-8001とMZ-80ですかね主流は。タンディーなんて
持ってるとスゲーナー!金持ち!なんて思っていたし。
当時地方の大学生だったのですが、Intelの渋谷道玄坂の
事務所におのぼりさんしたとき、学生が来てどんどんさわって
ると聞いて都会ってすごい!と思った事思い出しました。
Posted by: kyuppon | 2005.09.24 at 17:40