アップルにして欲しい次の革命
「ロングテール的な地デジ批判」の呼びかけ

スティーブ・ジョブスに学ぶプレゼンのスキル

051009_123844  先月の「プレゼン専用、平置き液晶モニター」というエントリーに対しては沢山の人からフィードバックをいただいたのだが、そのほとんどがこの液晶モニターに対してではなく、私がなぜそんなデバイスが欲しいかの理由として挙げた、以下の文に対するものであった。

 多くの人が勘違いをしているのだが、プレゼンの主役はパワポのスライドではなく、プレゼンをしている本人である。社内の企画会議であれ、顧客に対するセールスであれ、一番強く印象付けるべきは、提案する企画や商品ではなく、プレゼンをする自分自身なのだ。もちろんプレゼンの中身も重要なのだが、本当に重要な情報はどのみち文書で別途提出することになるので、プレゼンの段階で重要となるのは、とにかく自分を印象付け、「こいつの提案する企画に社運を賭けてみよう」、「こいつを見込んでこのテクノロジーを導入してみよう」などと思わせることである。やたらと文字ばかり並べたスライドを読み上げるだけの人がいるが、それでは、貴重な時間を使ってプレゼンをしている意味がない。スライドにはわずかなキーワードと画像データ(商品の写真、グラフ、ブロックダイアグラムなど)だけを置いておき、大切なことは自分の口でしゃべる、というのが正しいプレゼンの方法だ。それも、話す内容をあらかじめ丸暗記などしてはだめで、相手の理解度や興味に応じて、適切に言葉を選んだり重要なポイントを繰り返したりしながら進めなければいけない。

 それ以来、私が理想としているようなプレゼンのビデオをどこかで見つけて紹介しよう思っていたのだが、やっと絶好の題材を見つけた。12日のスティーブ・ジョブスによる新型iMacの発表である。

 英語で申し訳ないが、我慢して最初の5分だけでも良いから後ろのスライドに注目して見ていただきたい。注意して見るべき点は、

(1)文字が極めて少ないこと、
(2)画像が効果的に使われていること、
(3)ほとんどの情報は文字ではなく、スティーブ・ジョブスの口から伝えられること

である。日本の会社で良く見かける、「文字ばかりのスライドを順番に読み上げるだけ」の退屈なプレゼンと比べて、どのくらい効果的か、どのくらいプレゼンターが魅力的に見えるか、をじっくりと観察して欲しい。スティーブ・ジョブスほどのプレゼンスキルを身につけることは簡単には出来ないが、少なくともプレゼンのスライドを作る時の参考にはなるはずだ。

Comments

snowbees

プレゼンの達人は、HPのフィオリナ前会長と、日本人では、ソニーの出井前会長だと思います。(私が、ネット画像で観た範囲ですが)

naotake

ずいぶんと前の自分のエントリを使ってTB打ってしまいましたが、私も「資料でなく話し手が主役」というアプローチの信奉者です。勤務先によっては中々使わせてくれないのが残念ですが、私用でプレゼンするときはなるべく心がけています。

つまらない例ですが、こんなものなど:
http://naotakeblog.typepad.com/sottovoce/2005/03/the_twoflag_sli.html

satoshi

snowbeesさん、確かに、出井さんは日本人にはめずらしくプレゼンが上手なタイプですね。

naotakeさん、TBありがとうございます。数年前に Tufte さんの講演を生で見たのですが、確かにすごい人でした。「情報の見せ方」の大切さを強く意識させられる講演でした。

Kashi

プレゼンをする人としては若干拡大解釈気味なのですが、みのもんたこそプレゼンの達人のように思います。
もんたメソッドが流行った頃、実際におもいッきりテレビを見て唸りました。あいつはすげえ。

satoshi

>プレゼンをする人としては若干拡大解釈気味なのですが、みのもんたこそプレゼンの達人のように思います。

確かにそうですね。それを言えば、ニュースステーション時代の久米弘も超一流でした。

Satoly

Steeve Jobsのプレゼンみて私も感動しました。appleのウェブからquick timeで見れるやつですね。なんというか、会場に一体感があって拍手喝さいに暖かい雰囲気が感じられるところがMac Userの集まるイベントという感じですね。

一度で良いから実際にMac Worldに参加してみたいものです。

satoshi

>一度で良いから実際にMac Worldに参加してみたいものです。

今まで考えてもみませんでしたが、私も一度参加してみたくなってしまいました。何とか理由を付けて行くかな…

aguri

sonyの安藤前社長も素晴らしいプレゼンをします。
しかも日本語でも英語もです。共通して言えるのは、常にプレゼンの中で「笑い」が得られるということでしょうね。

satoshi

「笑い」は、観客の注意を引き付けておく意味でも、ものすごく大切ですよね。安藤さんのプレゼンも見てみたかったですね。そういったものがもっとネットからアクセス可能になって欲しいものです。

mgr

おっしゃることはごもっともだと思いますが、これはプレゼン時の相手に意思決定者(上役)がいるかどうかで大分異なるかと思います。上役がいれば、その場でその人を説得できればいいので資料を細かくする必要はありません。逆に、担当者が聞いて上役に後ほど説明することが想定される場合はその場の余韻より、企画書単体の説明力が重要です。(意思決定者に説明するのは自分ではありませんので。)ですから企画書を細かく書くかどうかは正しい正しくないではなく、状況や商慣習により決めるべきものだと思います。

みんの

起伏大行進。

pierre

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pierre

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