UIEvolution Japan の設立宣言。そしてもちろん、人材募集はGoogle Baseで。
2005.11.28
今まで、私の会社(UIEvolution Inc.)は主に米国でのみビジネスを展開してきたのだが、携帯端末・ブロードバンドの普及率、今後2~3年で本格的に立ち上がると予想されるVOD(ビデオ・オン・デマンド)サービス、ネットと繋がり始めるカーナビやデジカメ、などを考慮すれば、そろそろ日本でのビジネスを本気で立ち上げる必要があると判断した。特に、パソコン、携帯電話、セットトップボックス、カーナビ、ゲーム端末、携帯型メディアプレーヤー、などさまざまなデバイス・ネットワークにまたがった形でのパーベイシブ・アプリケーション(参照)という世界を実現しようとしている弊社としては、日本市場は絶好の実験場でもある。
そこで、UIEvolution Japan(UIEJ)を設立することに決定した。ただし、通常のソフトウェア会社の日本法人のように、米国本社で作ったものを日本語化して日本で売る、という代理店的な組織を作るつもりは全くない。逆に、これだけネットワークが普及し、さまざまなデバイスがあふれかえっている日本だからこそ必要とされているアプリケーションやサービスを世界に先駆けて作る開発部隊を作りたいと考えている。
私は何年も前から、「パソコンで遊んでいたオンライン・ゲームを、パソコンの画面から携帯電話に取り出してそのまま遊び続けることが出来るようなサービスを作りたい」と社員(アメリカ人)に言い続けているのだが、日本人のようなモバイル・ライフスタイルを持たない彼らにはなかなか理解してもらえない。こんなアイデアをいくら持っていようと、それをアイデアのままに留めておいては何の価値も生み出さない。そこで、そのアイデアを実際のサービスとして作る開発部隊を日本に持とうという発想である。
UIEJのミッションは「ネットワークに繋がったあらゆるデバイスで動く、新しい形のエンターテイメント・サービス」を作り出すことにある。さまざまなデバイスが色々な形のネットワークに繋がり、一人のユーザーが複数のデバイスを通じてネットワークにアクセスすることが出来るようになった今だからこそ可能になった、新しい形のエンターテイメントを作り出して行くのだ。
エンターテイメントと言っても、親会社(スクエニ)の得意とする3Dゲームは作るつもりは全くない。あえて親会社が得意としない、「ネットに繋がっているからこそ、複数のデバイスで動くからこそ面白い」部分で勝負するコンテンツを作ることに価値があるのだ。ゲーム業界全体が「イノベーションのジレンマ」に陥りつつある今、「最新のゲーム端末向けの、ハードウェアの性能をギリギリまでに引き出したコンテンツ作り」をあえて徹底的に否定したもの作りをするには別組織の方が良かろうという発想である。
とは言っても、掛け声だけではビジネスは立ち上がらない。最も大切なのは人材である。そこで、UIEJの設立メンバーをこのブログを通して募集することにした。私がこのブログで何度も書いてきたように、ソフトウェアがすべてサービスとして提供され、コンテンツやアプリケーションが特定のデバイスにコピーされたりインストールされる時代から、本当の意味でユーザーに帰属する時代を実現するために一肌脱いでみたいという、「自分こそWeb2.0時代のスーパーエンジニアだ」と自負するようなエンジニアの方々にぜひとも来ていただきたい。
募集要項は、Google Baseを利用して人材募集ページを作ったので、そこの指示に従っていただきたい。そこにも書いてあるが、今まで書いてきたブログ、個人で運営しているウェブ・サイトなどは採用の際にかなり重視するので、ぜひとも積極的に利用してアピールしていただきたい。上から命じられたことをただ実行するだけの羊のような人よりも、頼まれもしないのに面白そうなサービスを勝手に作って立ち上げてしまうような一匹狼的な人こそ大歓迎である。「Web2.0的なもの作り」に関して幾つかエントリーを書いてきたが(参照1、参照2)、そんな開発環境を与えられる組織を作りたいと本気で考えている。
【追記】
Google Base へのエントリーが、一月で期限切れとなってしまうので、ご迷惑をおかけしている。別途に募集要項ページを用意する必要がある。それまでの間は、興味のある方は uiejapan(アット)uievolution.com まで連絡をいただきたい。履歴書だけでなく、ブログ、自分で運営しているウェブサイト、過去に作ったプログラムなどの情報も追加していただけるととても参考になる。新卒・中途のどちらでもかまわないが、とにかく「自分はプログラムを書くために生まれてきた」と思う人とか、「こんなサービスを作りたい」という強い意志を持った人を募集している。
通りすがりで申し訳ありませんが,募集要項のところPhysonでなくて,綴りはPythonです.
Posted by: rewind | 2005.11.28 at 17:05
米国IT企業社長ブログのHiroです。ご無沙汰しています。UIEの日本法人設立!おめでとうございます。Satoshiさんが仕掛ける日本展開、なんだかとっても面白いことになりそうですね。是非とも、何か協業させてください。(笑)
Posted by: hiro@米国IT企業社長 | 2005.11.28 at 18:18
はじめまして、mixiのUIEngineパートナーズをみてたら此処にたどり着きました。既にK氏殿とはお電話でお話させて頂いております者です。本当に面白そうでこれからが楽しみです。
Posted by: kajiya@oak | 2005.11.29 at 01:22
中島さん
>UIEJのミッションは「ネットワークに繋がったあらゆるデバイス
>で動く、新しい形のエンターテイメント・サービス」を
>作り出すことにある。
サービスを作ろうと趣旨はすばらしいと思います。
>「自分こそWeb2.0時代のスーパーエンジニアだ」と自負するような
>エンジニアの方々にぜひとも来ていただきたい。
サービスを造る会社を設立するのでしたら、エンジニアよりも
企画営業の採用にバイアスを置いたほうが良いと思いますが
如何でしょうか。
清川
Posted by: 清川康志 | 2005.11.29 at 08:13
>サービスを造る会社を設立するのでしたら、エンジニアよりも
>企画営業の採用にバイアスを置いたほうが良いと思いますが
>如何でしょうか。
私も、サービスの企画はとても大切だし、採用しなければ
いけないと考えています。募集要項は確かにエンジニアに
偏り過ぎてますね。今野さん、もう少し企画側の人も必要だ
ということが分かるように変更してください(こんなことを
公共の場で話し合って良いのだろうか、と少し疑問に思いつ
つ…)。
Posted by: satoshi | 2005.11.29 at 11:15
週刊エコノミストNov.29は、日本の「グーグル・チルドレン」-はてな、イー・マーキュリー、グリーを紹介し、今後、先発のネット企業(ヤフー、楽天、ライブドア)の牙城を切り崩していく可能性を秘めていると。確かに、Satoshiさんの日本支社の設立はタイムリーでしょう。ご成功を祈ります。
Posted by: snowbees | 2005.11.30 at 02:20
snowbeesさん、応援ありがとうございます。とても面白い時代が来たと思います、本当に。はてなのように小さな会社ががんばっているのを見ると、私もがんばらねばと思います。
Posted by: satoshi | 2005.11.30 at 08:36
中島さん、了解です。Google BaseをUpdateしました。
Posted by: 今野 | 2005.11.30 at 12:53
いつも楽しく読ませて頂いております。
応募時に自分の「ブログ」は敷居が高い。
ひとのブログにコメント残しながらウェブを楽しんでいる私はもはや新たな採用の流れについていけないのかしら?
それなら、自分が残したコメントをかき集めて「ブログ」を作ればいいのだろうか?と、しかし、世界中に書き残した私のコメントはもう探す方法も見当たらない。
Posted by: AKTK | 2005.11.30 at 17:06
ブログ等があれば参考にはさせていただきますが、必須ではありません。履歴書だけで人を判断するのはとても難しいので、より多くの情報を提供していただけると助かります、という意味です。
Posted by: satoshi | 2005.11.30 at 17:15