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「ウェブ進化論」はなぜ「書籍」として出版されなければならなかったのか

 梅田望夫氏の「ウェブ進化論」は、「次に日本に出張した時に読む本」としてアマゾンのウィッシュリストに入れておいたのだが、昨日になって梅田氏本人から本が贈られて来た(感謝、感謝)。ついこの前もSixApartの「ブログオンビジネス」でほとんど同じようなことを経験したので、妙なデジャブ感覚を味わいながらの一気読みである。

 梅田氏とは一度だけ食事を一緒にしたことがあるのだが、その時に一番印象に残った言葉は、「コンサルタントという商売は並大抵の忍耐力ではできない商売ですよ」という言葉。この本を読んでも伝わってくるが、「今ウェブの世界で何が起こっているか、何が起ころうとしているか、なぜGoogleがあれほどの株価総額を持つのか」というごく単純なことを理解できない、理解しようともしない人がこの世の中にはたくさんいて、そういった人たちに本当の意味で有意義なコンサルタントサービスを提供したり、説得したりするのは限りなく大変な作業である、ということを身にしみて実感しているからこそ出てくる、いかにも梅田氏らしい言葉。

 この本を読む前は、「梅田氏はなぜ(ブログではなく)本を出版するのだろう」と思っていたが、結局のところ、「今の時代になってもブログから情報を得ることをしない(できない)ような経営者、エスタブリッシュ層が日本にはたくさんいるので、その手の人たちに彼のメッセージを伝えるには古典的な書籍という手段に頼らざるをえない」という悲しい現実を良く知っている彼だからこそのアプローチなのであろう。普段から梅田氏の考え方に触れている私には、ビシバシとメッセージが伝わってきたが、初めて彼の文章に触れる人たちにどのくらい伝わるものかとても興味がある。

 ちなみに、個人的に嬉しかったのが、本の中ほど(Web2.0・ウェブサービス・API公開の章)で、このブログのエントリー「Goolge OS を妄想すると未来が見えてくる!?」が引用されていること。Microsoftという「こちら側」の代表選手である会社で14年近くOSやブラウザーの開発をしていた私が、なぜある時点で「こちら側でのソフトウェア開発」に一切興味を無くしてしまったのか、を私なりに表現した結構思い入れのあるエントリーなので、こういう形で引用していただけるととても嬉しい。

 梅田氏は(OSのAPIと比べてウェブ・サービスのAPIの方が)「可能性空間が圧倒的に広い」という巧みな言葉を使って表現しているが、まさにその通りである。常に最先端を走っていたいエンジニアとしては、より可能性空間が広い方で働きたいのは当然である。米国において、「こちら側」から「あちら側」へ(局所的にはMicrosoftからGoogleへ)ものすごい勢いで頭脳の流出が起こっているのはまさにこれが理由である。

Comments

Maki

Satoshiさん、自分も当初は全く同じ感覚を抱いておりました。「ウェブ進化論」はなぜ(ブログではなく)本を出版するのだろうと思っていました。その裏には、ブログの方が「リアルタイム」であるし、「インターラクティブ」であるからだと・・・。そういえば、最近、ITベンダー経営者の方々が、Web 2.0など「新しい技術」や新しいネットワーク競争社会に向けた「オンデマンド・ビジネス戦略」に関する本を出版しております。従来、「マイクロソフト」「シスコ」「デル」といった新興企業のサクセス・ストーリーが多かったのですが、昨年11月のIBM Linda Sanford氏が執筆された「LET GO TO GROW」、今年2月に国内で発行されたIBM「お客様の経営に全力を尽くす経営」など、IT業界での本の出版が目立ってきていることが理解されます。なぜなのか・・・・。おそらく、IT(情報技術)が進歩したとしても、出版はなくならない。いや、それ以上に各媒体ごとに、熱狂的な愛好者がいることに気が付きます。ならば、すべてを利用すれば効果も大きいはず・・・。インターネットは利用形態にかかわらず自由に利用することができます。まるで電源のコンセントに似ています。これまで垂直統合されてきたメディアなどのコンテンツと異なり、掲示板、ブログなど、新しいアプリケーションを利用することによって、最上位のコンテンツ・レイヤーまでもが水平統合へと進化しています。何と魅力的なことか! しかも、それ自身が独自に、ものすごいスピードで変化している!! きっと、頭脳が国境を越えていくのも時間の問題かもしれませんね。

beni

Good job, here and there!a

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