Web2.0を活用する10の方法、その8
2006.03.02
「Web2.0を活用する10の方法」その8は、"Give Users the Right To Remix"、「ユーザーにリミックスする権利を与えよう」。
ここでいう「権利」とは、著作権法にのっとった意味で、加工したり別のメディアと組み合わせたりした上で再配布する法的な権利のこと。自社のコンテンツ、もしくは他社からライセンスして来たコンテンツをウェブサービスの形で提供するのは良いが、それをリミックスする権利をユーザーに与えなければだめだよ、ということである。
リミックスと著作権法に関しては、私も常々考えているのだが、今の世の中の人々が持つ「感覚や行動パターン」と現行の「法律とビジネスモデル」とがこれほど乖離(かいり)している分野は他に無いのではないかと思えるほど、そのギャップは大きい。
つい先日も、息子達が自分達で撮影したビデオにプロのミュージシャンの音楽をレミックスしたミュージックビデオのクオリティに驚かされたばかりだが、若い人たちの間でそんな創作活動が日常茶飯事になっているにも関わらず、それを合法的にブログなどで公開するのが事実上不可能な(可能ではあるが、莫大なコストと手間がかかる)のはどう考えてもおかしい。
音楽の楽しみ方がこれだけ変化して来たのだから、それに応じて提供する側のビジネスモデルも変化すべきなのだが、業界で力を持つ既得権者たちの抵抗のためにそこに一時的に大きなギャップが生じているだけの話である。資本主義経済の仕組みがキチンと機能するのであれば、いつかはこの問題は解決されるはずなので、いつかは「リミックスしたものを自由に再配布させてくれる音楽配信サービス」が主流になる、と私は楽観視している。
ただし、丸山氏の始めた「247music」ですらリミックス作品の再配布は認めていないので(私の誤解かも知れないが、「リミックス作品の再配布OK」という記述はどこにも発見できなかった)、まだまだ時間はかかりそうではある。この問題が解決されるまでの間は、リミックス作品は知り合いの間でこっそりと交換するか、違法を承知で匿名でインターネットに公開して楽しむしかないのだが、それを「近頃の若者は著作権を軽視してけしからん」と一方的に非難しているだけでは問題は解決しない。
そもそも法律というものは、人々の常識を反映したものであるべきで、もし人々の常識や行動パターンが大きく変わってしまったとすれば、法律を守らない人たちを批判するのではなく、法律の方を変更してしまうというのも一つの解決策ではないか、とちょっと過激なことを言ってみたくなるあまのじゃくな私である。
ミュージシャンの意向がそのままライセンス条件に反映されるようになれば、流れは変わってくるかもしれないですね。
今はまだ間に挟まっている人たちの意向が大きく反映されてしまってるから、難しいんでしょう。
Posted by: Baatarism | 2006.03.02 at 17:33
そのためのCreative Commonsでは?
Posted by: foxinthesnows | 2006.03.03 at 01:29
↓これですね。日本からはCorneliusとかも参加してます。
http://creativecommons.org
こういったクリエイター主導による著作権の線引きは
今後活発になってくると思います。
Posted by: ノト | 2006.03.03 at 04:06
>法律の方を変更してしまうというのも
ちっとも過激ではないと思いますよ。法律なんて人間が作った単なる道具ですから、変えて当然、人々が替えることが可能であることをもっと認識すべきものだと思います。
Posted by: イプログダイレクトの店長 | 2006.03.06 at 04:38