布石と世界観の話
2006.04.09
先日も「松下電気産業とスクエニの提携」についてのエントリーを書いたが(参照)、CNET Japanの読者にもキチンと説明しておこうと、「シームレス・コンテンツ」というエントリーをCNETのブログに書かせていただいた。
以前からの私の「パーベイシブ・アプリケーションの世界観」などのエントリーを読まれている方には、特に目新しい話ではないかも知れないが、こうやって具体的なパートナー企業の名前まで上がってくると、今まで点と点でしかなかったものが、しだいに一つの絵として形を見せ始めるのでそれがとても楽しい。
最近は一エンジニアとしてではなく、CEO(UIEvolution)、チーフ・ソフトウェア・アーキテクト(スクエニ)というポジションでしかもの作りに関われずにいるため、どうしても囲碁で言うところの「布石を打つ」みたいな役目どころが回ってくるのだが、まわりの人たちに「なぜこんなところに石を置いたか」をキチンと説明しておかないと、その布石が生きて来ない。
かと言って、私みたいな立場の人間が、あまり細かく「この布石はこう利用して、ここをこう責めなきゃだめじゃない」などとあまり細かなことに口を出すと、マイクロ・マネージメントになってしまうし、ビジネスにスケーラビリティが生まれないので、その辺りのバランスがものすごく難しい。
結局のところは、「こんな世界が実現したい」という世界観を共有できる人を会社の内外に増やし、その人たちと信頼関係を築きながら一つの目標に一歩一歩着実に進んで行くしかないのかな、と思う。
細かく説明しなくてもわかってくれる人と仕事が出来たら楽しいだろうな。
いや、楽をしてはいけませんね。
Posted by: Gromit | 2006.04.13 at 08:06