ベストセラー・ブックス(4月~5月)
2006.05.31
私は昔から本屋に行くのが大好きだが、そんな時にどうしても見てしまうのがベストセラー・コーナー。売れている本が必ずしも面白いとは限らないのだが、どのみち本屋にある本を全部チェックすることも出来ないので、まずはベストセラー・コーナーにある本からチェックする、という行動についつい出てしまうのである。
そんな「本屋さんのおもてなし」を見習って、このブログでもベストセラー・コーナーを設けようと思い立った。当初はサイドバーに貼り付けようと考えたが、それだと時系列的に見ることが出来ないのが難点だ。ならば月に一度ぐらいの頻度で、ベストセラーをブログ・エントリーとして書くのが良いかも知れない。
そこで、さっそくの第一弾。5月だけだとサンプル数が少なすぎるので、4月分も合わせた2ヶ月間のベストセラーだ。
第一位 イノベーションのジレンマ
私が「マイクロソフトを辞めるキッカケを与えてくれた本」と紹介したビジネス書。アマゾンのアフィリエイトを始めて以来、コンスタントに上位に顔を出すロングセラーだ。今の職を離れてベンチャー企業に転職しようか(もしくは自分で起業しようか)悩んでいる人の背中をドンと後押ししてくれる本だ。
第二位 発想する会社―世界最高のデザイン・ファームIDEOに学ぶイノベーションの技法
インダストリアル・デザイン業界でダントツの地位を占めるIDEOのカルチャーに関する本。業界は何であれ、イノベーションに関わる人たちにが常に意識しておくべき幾つかの大切なポイントを分かりやすく解説してくれる。
第三位 ザ・サーチ グーグルが世界を変えた
グーグルというよりは、サーチというウェブ・サービスがインターネット黎明期からどんな進化を遂げ、どうやってグーグルという企業の誕生に至ったのかを包括的に書いた良書。グーグルですら最初はなかなかビジネスモデルが見つけられずに苦労していた部分の記述などはとても良い勉強になる。
第四位 文章表現400字からのレッスン
このブログを書くようになってから、「分かりやすい文章」「読んでもらえる文章」の書き方を意識するようになった。その過程で、多くの「文章の書き方」本を読んだが、これは第六位の「短い短い文章術」と並んで一押しの良書。ブログのような短い文章を書くべき時に頭に入れておくべきポイントが良くまとめられている。
第五位 ブルー・オーシャン戦略
血みどろの消耗戦(レッド・オーシャンの戦い)を避けるにはどんな発想でもの作りやサービス作りをすれば良いかを実例を数多く挙げて分かりやすく解説してくれるビジネス書。第一位の「イノベーションのジレンマ」とセットで読むと色々と考えさせられるはずだ。
第六位 頭の良くなる「短い、短い」文章術
題名はなんとも微妙だが、これからブログを書こう考えている人、ブログを書き始めたが何を書いて良いか悩んでいる人に絶好の本。「文章術」というよりは「文章を書く姿勢」を教えてくれる点がすばらしい。「書くように生きる―ブログ時代の文章術」と改題して再発行すればガンガン売れると思うのだが、いかがだろうか?
第七位 明日を支配するもの―21世紀のマネジメント革命
経済学者ピーター・ドラッカーの数多い書物の一つ。米国が推し進めているグローバル経済の根底にある価値観とかを理解するには絶好の書物。とにかく中身が濃いので、覚悟して読んだ方が良い。
第八位 「みんなの意見」は案外正しい
原文の題名は「wisdom of crowd」。ユーザー参加型のサービスに関わる人はぜひとも読んでおくべき社会心理学の本。この本を読めば、ソシアル・ブックマークにしろ、Googleのページランクにしろ、アプローチは異なるものの、「いかに大勢の人の意見を利用してネットにあふれる情報の中から有用な情報を見つけやすくするか」という試みだということが良く分かる。
第九位 ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる
このブログの読者には、紹介するまでもないと思うが、梅田望夫氏が「ネットを知らない人たち向け」に書いたビジネス新書。「ネットの世界では何かが起こっているらしいが、一度は勉強しておかなければ」と常々感じていた人たちの琴線に触れたのか、一躍ベストセラーに。
第十位 Life Hacks PRESS ~デジタル世代の「カイゼン」術~
私が読んでもいなければ、紹介もしていない本がなぜか第十位に。このブログの読者層がどんな人たちかが良く分かる。
こうやって並べてみると、第十位の「Life Hacks PRESS」以外は全て私自身が結構気に入っている本ばかり。巷には「アフィリエイトで儲けるノウハウ集」みたいな本があふれているが、結局のところ自分が本当に気に入ったものを素直な気持ちで人に勧めるのが一番の近道なのではないだろうか。