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JavaOne 2006

Javaone  今週はサンフランシスコでJavaOne。UIEvolutionとしてはJavaOneにブースを出すのは初めて。

 UIEngineはJava以外のプラットフォームの上でも動くが、こと携帯電話に関して言えば、過半数がJava(MIDPかDoJa)な上に、それぞれのVMの実装が結構異なるのでそれを吸収するレイヤーとしてのプロモーション。写真では小さくて見にくいが、右側のパネル(緑色)にはUIEngineの動くデバイスの名前をこれでもかという感じで並べていて、結構圧巻。

 JavaOneは各ブースの大きさも限られているので、比較的低予算で参加できるし、大企業の巨大ブースに押しつぶされたりしないので、投資効率の良いイベント。

 私自身は、火→水の一泊でSFに。ただし水曜日は別のミーティングがあるので、イベントには水曜日のみ参加。午後一にはUIEブース付近に出没予定。


時々悪さをする自動車のオートパイロット機能

060419_111655  「オートパイロット」というものをご存知だろうか。ジャンボジェットなどの旅客機に備わった、行き先と高度を指定すればパイロットに代わって自動操縦してくれる機能である。実は私の車にもこの機能が備わっているのだが、時々悪さをするので困っている。

 オートパイロットとは言え、100%自動操縦なわけではない。私の眼と体と、脳みその10%ぐらいを使うので、居眠りをしてしまうわけには行かないのだ。あと、オートパイロットの目的地として設定できるのは「会社」と「家」だけ、という制限付である。

 機能は限定されているが、通勤の途中で脳の90%を使って考え事をすることが出来るだけでもとても重宝している。

 ただ、一つ困るのは、時々勝手にスイッチが入ってしまうこと。週末に妻と買い物に出かけようとしているにもかかわらず思わず会社に向かってしまったり、などの事件は日常茶飯事である。

 今日も、オートパイロットのせいで美容師との約束に15分ぐらい遅れてしまった。彼女の美容室がちょうど会社と家の中間にあるものだから、会社を出発した私を家に帰るものと勘違いして、オートパイロットのスイッチが入ってしまい、気がついた時には家に着いていたのだ。

 遅れた言い訳に、「すいません、オートパイロットのスイッチが勝手に入ってしまって」と説明したのだが、どうも理解してもらえない。一生懸命に説明をしたのだが、「それって、考え事をしながら運転していて、ついうっかり家にまっすぐ帰っちゃったってことですよね」と軽くあしらわれてしまった私である。

 こんな悩みを抱えるのは私だけなのだろうか?他の人の車にはオートパイロットの機能は付いていないのだろうか?


「登録ユーザー数100万人突破!」などという数字が素直に受け取れない私

060413_213235  先月日本に戻った時に小田急線内で見かけた自社広告。一見数字とグラフで説得力があるように書かれているのだが、この文章で使われている「混雑率」の定義:

 ※全体(8両編成)の混雑を100%とした場合

の「混雑」の定義があいまいなのがものすごく気になる。

 8号車が26%、1号車が6%となっている所を見ると、実際に乗っている人の数ではなさそうだ。立っている人の数にしてもおかしい。

 たぶん、小田急線なりの「一両あたりの定員」が定義されており、それを超した人数を各車両で数えて、それを「混雑」と呼んでいるのだろうとは予想できるが、それならちゃんとそう書いて欲しい。

 子供のころはこの手のものを見ると「きっと大人はみんな『混雑率』の定義を知っているんだろうな」など謙虚に世の中を見ていた私だが、大人になってまわりを見ると、結構世の中には定義があやふやなものがあふれているの。定義があいまいでも全然気にしないで使ってしまう人たちがたくさんいるのだ。

 そしてもっと悪いのは、そのあいまいさを利用して数字でウソをつく会社までがあることで、そんなデータに毎日の様にさらされていると、「登録ユーザー数100万人突破!」などという数字を見ても、「登録だけして二度と来ないユーザーも数えているんじゃないのか」などと、どうしても素直に受け取れなくなってしまう私である。

【メモ】 E3関連のエントリーをもう一つ、CNetのブログに追加たのでそちらもよろしく。
 技術指向のSony、ビジネス指向のMicrosoft、ユーザー指向の任天堂


スターバックス2.0

060419_221836  さすがにスターバックス発祥の地だけあってシアトル近郊にはスタバがたくさんあり、どこも繁盛している。私が良く立ち寄るスタバも常に数人の人がレジに並んでいるのだが、それにも関わらずあまり待たされることはないのがすばらしい。

 レジに並んでいると、手が空いたバリスタが列まで来てくれて「あなたは何を頼むの?」と注文を聞き、レジでお金を払う前に作り始めてくれるのである。そのため、レジでお金を払った後の待ち時間が、従来よりずっと少なくなったのだ。

 ラテを飲みながら「これはパイプライン処理と呼ぶべきだろうか、それとも非同期通信と呼ぶべきだろうか?AJAX化されたスタバは今や2.0か?」などとくだらないことを考えてしまう理科系頭の私である。


E3 2006、心を打つ一言

060411_133007  二年連続で行っていたE3、今年はネット観戦。ここのところ毎週の様に出張しているので E3 はパスさせてもらうことにしたのだ。

 新しいゲームや次世代ゲーム機に関する記事やプレスリリースを読んだが、心に残るようなものは見当たらない。「やはり行く必要はなかったな」と感じていると、突然心臓をわしづかみにするような言葉が飛び込んでくる。

 ...ゲーム初心者の場合、例えばどうぶつの森で、自分が眠っている間に自分の村に友達が遊びに来て、メッセージやプレゼントを残していく、そんな、毎日電源を入れるのが楽しみになるようなことが実現できます。...(任天堂の岩田社長スピーチ

 この人は本当にすごい。

 「毎日電源を入れるのが楽しみになるようなこと

 あらゆるデバイスがネットに繋がり始めた今、ゲーム、ネット、AV機器、通信、メディア業界で働く全ての人たちが目指すべきものをこれほどまでにはっきりと分かりやすく示す言葉は、これ以外にはありえない。「ネットに繋げる」意味は、まさにここにある。常に「ユーザー視点」に立って語る岩田氏ならではのすばらしい言葉だ。


AJAXアプリは客のわがままを聞いてくれるレストラン

060421_202849  UIEngineの説明をする際に、「通常のウェブ・アプリケーションと異なり、非同期通信を使ってクライアント側でデータ・バインディングをするので、ストレスの少ないユーザー・エクスペリエンスを提供できます」と言ってきた私だが、「データ・バインディングとは何か」を知らない人が意外に多いことに気がついたので、ここで解説しておく。

 得意の食べ物にたとえれば、データ・バインディングは「調理」に相当する。定食屋のように全ての食材(データ)をキッチンで調理をしてしまってから一度に持ってくるのが「サーバー・サイドでのデータ・バインディング」で、紅花レストランのように食材をテーブルまで持って来て目の前で調理してくれるのが「クライアント・サイドでのデータ・バインディング」である。

 食材を一度にはテーブルに運ばず、客が一つ目の料理を食べている間に二つ目の料理の食材を運んで料理をしておき、一つ目の料理を食べ終わったらすかさず二つ目の料理を盛り付けてくれるのが「非同期通信によるクライアント・サイドでのデータ・バインディング」である。この非同期通信型のコース料理の利点は、あらかじめ全ての料理を指定しておく必要がないことで、「前菜のから揚げで口の中が油っぽくなったから、メイン・ディッシュをステーキから刺身に変更してもらう」などというわがままを言っても、決して必要以上に待たせたりしないのである。

 同じ豚肉でも「しょうが焼き」、「とんかつ」、「ゆで豚」と色々な調理方法があるように、同じデータでもグラフだったり表だったりと、さまざまな表示の仕方(view)がある。特に刻々と変化する株価情報やニュースなど「生のデータ」は、食材と同じく鮮度が命なので、あらかじめ調理しておくのではなく、客からの注文が来てから調理する必要がある。そこで通常のウェブ・サイトは、クライアントからリクエストが来た時に、データベースから取り出したデータ(data)と、HTMLのテンプレート(view)をサーバー側で結びつけて(バインドして)、完成したHTMLページの形でクライアント側に返す様に作られている。わずかなデータだけを表示する場合はこれでも良いのだが、大量のデータを表示したり、同じviewを使ってさまざまなdataを表示したい時などには、この方法では効率が悪いし、レスポンスが悪くてしかたがない。

 そこで、JavaScriptやUIEngineを活用した次世代型のウェブ・アプリケーション(広義のAJAX)は、まずはviewだけをクライアント側に返し、それが非同期通信でデータをサーバーから入手して表示する、という形で作ってある。こうすることにより、大量のデータを表示するウェブ・アプリケーションであっても、見た目の待ち時間を少なくし、ストレスの少ないユーザー・エクスペリエンス(=おもてなし)を提供することができるのである。


今回の日米同意、日本の負担は約3兆円

060409_100433 今回の米国の基地移転に関する日米合意。沖縄の8000人の海兵隊をグアムに移転するコストのうち、日本が59%の$6B(約7千億円)を負担することに対して国民の不満が高まっているが、本当に問題にすべき数字は、日本政府が米国に対して約束したトータルで約3兆円のコスト負担である。

 米国が発表した資料を見ると、今回の合意に基づく日本国内での戦力再配置の総予算は$30B(約3兆3千億円)で、そのうち日本国内での戦力再配置にかかる$20B(約1兆3千万円)に関しては日本が100%負担、沖縄からグアムに移転する海兵隊の移転費$10B(約1兆1千万円)についてだけは、日本が59%負担、米国が41%負担という内訳になっている。つまり、日本側が負担を約束したのは総予算の87%にあたる$26B(約2兆9千億円)なのである。

 4月の25日付で、この米国負担分の$4B(約4千4百億円)に関しての質疑応答が公開されている(参照)。

【引用】

           MR. LAWLESS:  The Japanese press has correctly characterized -- okay? -- that the cost for the relocation of 8,000 Marines to Guam, for the developmental costs to develop and deploy the new facilities there that will have to be built for that 8,000 Marine personnel contingent and families, probably 9(thousand) to 10,000 family members in addition to the 8,000 Marines, will be approximately $10.3 billion.

            Of that $10.3 billion, they are covering about 60 percent, technically 59 percent, and we are covering the balance

            MR.     :  The balance is about 4 -- or approximately $4 billion.

            MR.    :  Does that nail it?

            Q     That's not the number I'm looking for.  I'm looking for a big number.  You keep saying this is just a small piece of the big agreement.  You characterized the cost of the Japanese of the big realignment, the overall effort, and I'm looking for the, you know, attendant or related U.S. figure.

            MR. LAWLESS:  On the home islands of Japan including Okinawa, it's -- let us say, it's approximately $20 billion; add to that their costs on Guam, which are $6 billion, makes the total about $26 billion.  That's the bigger context I'm talking about.

            Q:  It would be shared by the U.S.?

            MR. GRONE:  No. No.

            MR. LAWLESS:  Japan sharing Japan?  It's their responsibility.

            MR. GRONE:  It's full.

            MR. LAWLESS:  It's -- (inaudible).  That's what I'm saying.

            Q:  I know.  But I'm asking what it's going to cost the U.S.

            MR. LAWLESS:  I just said the only cost is the $4 billion in Guam.

 質問者は、今回の日米合意での総予算のうち正確に米国の負担が幾らで、日本の負担が幾らかになるかを何度も問い直している。結果として、米国の負担はグアムへの移転費の41%である$4B(約4千4百億円)のみ、残りの$26B(約2兆9千億円)は全て日本が100%負担することになっていることが明確になっている(西日本新聞に解説記事有り)。

 3兆円近い税金をつぎ込んで実施する日本国内の戦力再配置。日本の政治家は、なぜこれほどの予算が今必要で、なぜそれをこれほどまでに一方的に日本側が負担しなければならないのか、をキチンと国民に説明する義務がある。

 これほどまでの負担をしいられるぐらいなら、いっそのことアメリカの52番目の州(51番目はイスラエル)になってしまえば、という過激な意見も完全に否定できなくなる。少なくともワシントンでロビー活動をしてアメリカの議会に影響力を持つぐらいのことをしないとだめな時代が来ているのかもしれない。


なぜか似ている二つのロゴ

Logo メディア・サーバー・パソコンを家庭のエンターテイメント・センターにしようという、インテルのviiv戦略。マイクロソフトとの微妙なずれを感じるが、アップルのインテルチップへのシフトも考慮すると、これから何が起こるのか、予断を許さない。その意味では、インテルが「viivはOS非依存、Mac OSでもOK」と宣言すればマーケットは大きくシフトし始めるかもしれない。

 wiiはひたすら高機能を追い求めるマイクロソフトとソニーに対する任天堂の「肩すかし作戦」。「非ゲーマー層」に受け入れられるコンテンツを提供することによりマーケットを広げるというDSでの成功を繰り返すことが出来るかが見もの。


ユーザー参加型サービスの力

060327_014146  ブログのエントリーというものは、その性質上、どうしても古くなったものは読まれなくなってしまう。当然、コメントやトラックバックが付くのもエントリーを書いてから高々一週間ぐらいのものである。しかし、5ヶ月前に書いたにも関わらず、未だにコメントやトラックバックが付く、驚異的にロングランなエントリーがこのブログに一つだけある。

 「コミュニティ型『今日のひとこと』」というエントリーである。

 今年の1月に書いたエントリーにもかかわらず、先週だけでも、3つのコメントが寄せられた。どれも、「こちらのブログパーツをブログに貼らせていただきました」という内容である。つまり、今だにこのブログパーツはブログからブログへと増殖中なのである。コメントとトラックバックの数から判断するに、すでに100近くのブログでこのブログパーツは採用されている計算になる(ことわざの数も既に3000を越している)。

 このブログパーツがどんなブログに張られているかを時系列的に観察するととても興味深いことが分かる。初期の段階でこのブログパーツを導入したブログは主にエンジニア系のもので、明らかに私のブログを読んでいる人たちのブログである。しかし、最近は、どう見ても私のブログの読者だとは思えない10代の女の子たちの書いているブログにまで増殖しており、明らかにブログからブログへの増殖、つまりバイラルマーケティングの効果が出ていることが分かる。これこそが、「ユーザー参加型サービス」ならではの力なのである。

 しかし、このようにサービスとして成功し始めると、「どうやってビジネスに結び付けようか?」と考えたくなる私はかなりダークサイドの影響を受けているのかも知れない。10回に一回ぐらいの比率で広告と差し替えるように作り変えるのは簡単だが、そんなことが可能だと想像もせずにこれをブログに貼り付けた女の子たちはショックを受けてしまうだろうし、それはまずい。うーん、どうするルーク?