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Cooper River Salmon

レーズンサンドの謎(付録:登録商標の調べ方)

060528_230131  妻が日本からのお土産に持って帰って来てくれた小川軒のレーズンサンド。ほどよく冷やしたそれは、私の「死ねるスイーツ」のリストに加えても良いぐらいのおいしさだ(死ねるスイーツの定義に関しては「ミルフィーユの悩み」参照)。

 何気なく包み紙を見ると、Raisin Wich(レイズンウィッチ)と書いてあるではないか。レーズンサンドではなかったのか?これはぜひ調査しなければならない。こんな謎を抱えたままレーズンサンドをおいしく食べ続けることはもうできない。

 そこで仮説を立てた。

 「他の会社がレーズンサンドの登録商標を持っているに違いない」

 さっそく、Googleで「レーズンサンド 登録商標」でサーチをする。見つからない。「小川軒のレーズンサンドの本当の名前はレイズンウィッチです」などと書いてあるブログは見つけたが、この謎の核心に迫る答えを見つけ出した人はいないようだ。

 そこで前から一度勉強して見たいと考えていた、登録商標の検索を初めてしてみることにした。特許電子図書館の「おもてなし」があまり良くないので苦労してしまったが、これが私が見つけ出した手順である。

(1)まず、商品区分を調べるために、商品・役務名リストというページの「商品・役務名」に一般名称を入力し(このケースではクッキーと入力した)、検索実行ボタンを押す。するとほぼ同じ画面が表示され混乱してしまうのだが、注意深く見ると画面上部に「リスト表示」というボタンがあるのでそれを押す。すると、入力した一般名称に関連する商品のリストが表示されるので、そこの「区分」というコラムの数字を覚える(このケースでは30)。

(2)次に、呼称検索ページに行き、「呼称」に調べたい商品名を全角カタカナで(このケースだとレーズンサンド)、「区分」に上で覚えた数字(このケースだと30)を入力し、検索実行を押す。するとまたまた同じような画面で混乱させようとして来るのだが、このおもてなしの悪さにめげずに画面上部の「一覧表示」ボタンを押す。

(3)そうすると、指定した商品名を含む商標の一覧(このケースだと二つ)が表示されるので、出願・登録番号コラムの「商願XXXX-XXXXXX」というリンクをクリックすると、それぞれの詳細情報を読むことができる。

 レーズンサンドに関しては、商願2006-008937として株式会社グレープストーンという会社が商標登録していることを発見。グレープストーンという会社名には聞き覚えがないので、ググってみると、グレープストーンは「銀のぶどう」、「東京ばなな」などの複数のブランド名で和洋菓子ビジネスを展開する菓子大手。

 しかし、私の知る限り、「銀のぶどう」も「東京ばなな」もレーズンサンドは売っていない。すると今度は新しい謎、「グレープストーンはなぜレーズンサンドという登録商標を取得したのか?そしてそれで何をしようとしているのか?」が気になる。

 ここは「きっと『銀のぶどう』あたりからレーズンサンドを発売する予定なんだ」と素直に解釈しても良いのだが、最近MBAとの付き合いの多い私は、「きっと小川軒に買収を持ちかけているに違いない」と思ってしまうのだがどうだろうか。最近のグレープストーンは、「一店舗複数ブランド」というユニークな店舗展開をしているが、「小川軒」のブランドはそこに良くマッチするように思える。

Comments

narunallu

小川軒のレイズン・ウィッチは、サンドウィッチにヒントを作成・命名されたものと記憶しています。
それと宅急便での発送すら許さない(都内2店舗のみ販売)ので、M&A持ちかけられてもお断りするでしょう。
レイズン・ウィッチのコピーをグレープストーンが販売する予定という当初の読みが正解だと思います。

UIEngineだ

「商願2006-008937」のリンクは期待通りにたどれないのです。パーマリンクの概念が特許庁には無いんですね。
それから、"商願"ですからまだ登録はされていないかと思います。商標登録出願中ということですね。仕事柄このサイトを良く使いますが使いにくいことになれてしまいました。

UIEngineだ

連続コメント失礼します。東京ばな奈は「トーキョーバナナレーズン」を出願してますね。よく見るとレーズンサンドは「キャラメル\レーズンサンド」(キャラメルとレーズンの間に改行)での出願ですね。絵の雰囲気を見る限りではもう商品化されている感じもしますがどうでしょうか?

玉屋

初めまして。いつも興味深く拝読しております。少し気になった点がありましたのでしゃしゃりでます。
2~3年前あたり「銀のぶどう」の店頭でレーズンサンド風商品を見たような気がします。正しくは、「ついにこれ(レーズンサンド)にも手を出したか」と思った記憶があります。もっとも夏冬2回「銀のぶどう」を覗くのが慣習となって十有余年経ちますが、最近はあまりざっと見しかしていないので、あまり強くは言えませんが。

時代経験から申し上げると、「レーズンウィッチ」=小川軒が常識だった時代の後、段々と他社が追随商品を発売する際に、「レーズンサンド」と表現しました。その頃は「レーズンサンド」は普通名詞というのでしょうか、ホチキスに対するステープラーにあたる形で使われていたはずです。
ここはむしろ、グレープストーンの占有化と見る方が正しいのではないかと思いました。

「レーズンサンド」の商標登録の話は、「イナバウアー」を商標(だったと思いますが)出願したビール会社の件ほどではないにせよ、またよくあることとは言えどもやはり不快に思わずにはいられませんね。

shi-ta

(ざっと調べた限りでは創業は小川軒の方が相当古いようですが)横浜関内の「かをり」という元・老舗フレンチレストランも同様の菓子が有名で、それが「レーズンサンド」と言う名前です。
http://www.kawori.co.jp/yogashi/index.html

私には、かをり も 小川軒も 同じように美味しいです。

syaopairon

この手の商品では六花亭のバターサンドが有名ではないかと思っていました。
http://www.rokkatei.co.jp/
こちらもひとつご賞味のほど。

東京すいつ

小川軒のレイズンウイッチはあらゆるレーズンサンドの元祖です。
近江屋も風月堂もウエストも、そしてかをりもマルセイも銀のぶどうも、みなレイズンウイッチを真似て作った商品です。
なかでもマルセイはもっとも後発ですが北海道観光土産として知名度は高いです。

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