「登録ユーザー数100万人突破!」などという数字が素直に受け取れない私
2006.05.11
先月日本に戻った時に小田急線内で見かけた自社広告。一見数字とグラフで説得力があるように書かれているのだが、この文章で使われている「混雑率」の定義:
※全体(8両編成)の混雑を100%とした場合
の「混雑」の定義があいまいなのがものすごく気になる。
8号車が26%、1号車が6%となっている所を見ると、実際に乗っている人の数ではなさそうだ。立っている人の数にしてもおかしい。
たぶん、小田急線なりの「一両あたりの定員」が定義されており、それを超した人数を各車両で数えて、それを「混雑」と呼んでいるのだろうとは予想できるが、それならちゃんとそう書いて欲しい。
子供のころはこの手のものを見ると「きっと大人はみんな『混雑率』の定義を知っているんだろうな」など謙虚に世の中を見ていた私だが、大人になってまわりを見ると、結構世の中には定義があやふやなものがあふれているの。定義があいまいでも全然気にしないで使ってしまう人たちがたくさんいるのだ。
そしてもっと悪いのは、そのあいまいさを利用して数字でウソをつく会社までがあることで、そんなデータに毎日の様にさらされていると、「登録ユーザー数100万人突破!」などという数字を見ても、「登録だけして二度と来ないユーザーも数えているんじゃないのか」などと、どうしても素直に受け取れなくなってしまう私である。
【メモ】 E3関連のエントリーをもう一つ、CNetのブログに追加たのでそちらもよろしく。
技術指向のSony、ビジネス指向のMicrosoft、ユーザー指向の任天堂
いつも楽しく拝見しております。
『混雑率』なる意味不明な言葉を小田急ともあろう会社が平気で使うのは、それだけ言葉が軽くなってきたということでしょうか。嘆かわしいですね。
ところで、私がなんとか理解した『混雑率』ですが、
ある時点での全体(8車両)に乗っている人全てを100と捉えた時に、各車両に乗っている人の割合だと考えられますがいかがでしょう。
8号車:26%
7号車:18%
4号車:15%
6号車:14%
5号車: 7%
3号車: 7%
2号車: 7%
1号車: 6%
合計:100%
問題は乗客全てを100%と表記することだと思われます。
ところで私は昔水商売をしていたことがありまして、
その時の規則に
『税金:給料の10%』
『遅刻2回:給料20%引き』
『売り上げ目標額に足りなかった場合:30%-70%給料カット』
というものがあり、ある時体調を崩して月の3分の1を休んでしまった私に店長が言った言葉は
『おい、先月の給料は0やで、だってな
2回以上の遅刻で20%引き、
売り上げないから70%引き、
税金で10%引き、
で0やで』
私はその時、『給料が0やのに、2万円(固定給20万の10%)の税金を払うというのはどういうことや』と卒倒しそうになりました。
Posted by: 民兵 | 2006.05.11 at 19:07
最低賃金法・・・・
はっ、水商売はタテマエ上雇用関係じゃないからいいのか(マテ
Posted by: kosaki | 2006.05.11 at 22:47
「混雑率とは」で Google に聞くと、ちゃんと役所の決めた定義があるようですね。地震の震度のように『100%は定員乗車で「全員が座席につくか、つり革・柱につかまることができる状態」、150%は「肩が触れ合う程度で新聞は楽に読めるような状態」』とかありました。
これを広告に書けというのは、ちょっと辛いかも(笑
Posted by: Tiger | 2006.05.12 at 17:11
まあしかしコレの本意は「各車両を(同じ視点で切って)比較したい」という事ですよね。
要は「8号車は混んでるので1・2・3・5号車に乗ってよ」って事かと。
歳を取るとだんだん厳密なことはどうでも良くなってきて、「あーはいはい要はそういう事でしょ、ならもっとうまく書けよなあ、ま、分かりました」という事で終わっちゃう毎日です(笑)。
Posted by: ほりもとあきら | 2006.05.13 at 05:59
登録だけして二度と来ないユーザーを1登録として数えるのは素直ですよ(^^;
素直じゃないといえるのは
会員登録しなくてもユニークなユーザーごとに駆り会員登録と呼べるセッションを用意しておいて一登録と数えていたりすることですよ
Posted by: kokoromo | 2006.05.13 at 07:26
混雑率は「Tiger」さんの書かれた通りで、規定の定員に対してのパーセンテージのはずですね。たまに、NHKのニュースとかで、Uターンラッシュのニュース前後に解説してますよ。
問題は、混雑率の世間一般への浸透が悪いという事と、規定の数字を定義して、100%超えているにかかわらず、その対策が何にも無いことだと思っています。満員電車なんとかしろ~。
まあ、どこでも数字は大体作為的ですよね。大学では数値の評価手法に近いところで研究してたので、数字出される度に違和感の塊になってます。^-^;
Posted by: にゅ | 2006.05.13 at 09:30
ちょっとまった~!
よく見ると注意書きが書いてあるじゃないですか。頑張って定義しようとしてる様子ですよ。
#もっと早く気付け俺
※全体(8両編成)の混雑を100%とした場合
パーセントを全部足して100%になる当たり、「乗車客の全体に対する、各車両への搭乗割合」について規定したいと見ました。混雑とか混雑率と記載してしまってるから意味混ざって分かりにくいのでは?
Posted by: にゅ | 2006.05.13 at 09:45
中島さんのエントリ「技術志向のSony...を拝見しました。ソニーPS3の値決めについては、楽観、悲観両論がありますね。幸い、家電部門で、液晶ブラビアが大ヒットしているので、ソニーもPS3の販売戦略にリソースを集中できるのでは。ただし、中島さんが予測するように、MSが、あっと驚く大技で、対抗策を仕掛ける余地も十分ありますね。最後に残る問題は、24時間ー睡眠8時間=16時間を、仕事(学校)、携帯電話、IPODなどで配分すると、ゲーム時間が残るのか?
Posted by: snowbees | 2006.05.14 at 01:57
>最後に残る問題は、24時間ー睡眠8時間=16時間を、仕事(学校)、携帯電話、IPODなどで配分すると、ゲーム時間が残るのか?
ここが一番の問題でしょうね。消費者がそもそもゲームに時間を費やしてくれるか、問題になって来るという指摘ですね。もっともです。その意味では、「ゲーム」という狭い枠にはとらわれずに、広い意味でのエンターテイメントを考えて戦略を立てるべきでしょう。
Posted by: satoshi | 2006.05.14 at 05:29
自分も、開発の一部を担ったプロダクトが、ある定義の元、"100万"というポイントを超えた経験があるのですが、実際に自分が感じている市場の手ごたえとは乖離していました。その時の自分の解釈は、「数字はビジネス的意味しかないんだ」ということでしたね。
ただ「あるプログラムが、あるデバイスを介してユーザーの脳の電気信号となって伝わった。しかも100万人。」と考えると、自分がその開発の一部を担えたことに、おかしなスケール感の感慨を覚えたものです。
(たとえその電気信号が、その人の次の行動エネルギーに変換されることなく、どこかに昇華してしまったとしても...。)
Posted by: nico | 2006.05.14 at 07:34
CNETのE3の記事、楽しく拝見させて頂きました。
私個人の意見としては、任天堂が一人勝ちするのではないかと予想します。
satoshiサンの記事にもあったように、任天堂が若年・カジュアル層を取りこむのは確実でしょう。それは、同じく入力操作をタッチペンで直感型に切り替えたDSの成功を見れば明白でしょう。
次に、対ソニーでも勝つと思います。新しい入力操作が新しいソフト開発を促し、コアゲーマー層もWiiに流れると思うからです。なぜなら、コアゲーマー層も従来型の入力操作のゲーム機に飽き始めているからです。それは、従来型のコントローラーではアイデアが出尽くし、ソフトがマンネリ化してきているからです。実際、ヒットソフトに2とか3とかが付くものが増えています。
最後に、対マイクロソフトでも任天堂は勝つと思います。マイクロソフトが狙っているのは、ゲーム機をテレビをネットにつなげる端末にすることだと思います。つまり、Xbox360をテレビのウィンドウズにする気だと思います。ですが、そのテレビのウィンドウズにはWiiが最適ではないでしょうか。離れてテレビを見ている人がマウスと同じように直感的にネットを操作できるもの、Wiiのリモコンこそが最適だと思われるからです。Xboxのコントローラーより随分使いやすいと思えます。
任天堂はゲーム一本に絞り、ゲームの定義を広げることにより、Wiiをネットをもゲームの定義の中に入れてしまうゲーム機として誕生させるのではないか。そんな風に予想しました。
Posted by: burabura | 2006.05.16 at 07:27