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携帯電話サービスのユーザー・エクスペリエンスは誰が責任を持つべきか?

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 携帯電話業界で世界最大のイベントは、毎年初めにヨーロッパで開かれる「GSMカンファレンス」。今年は、その北米分科会がシアトルで開かれるのだが、そこでしゃべる機会をいただいた。「せっかくの機会だから、少し刺激的なテーマを」と考えたのがこれ。スティーブ・ジョブズのプレゼンにならい、文字の羅列を避け、画像中心の資料を私のスピーチで補足して行くスタイルだ。

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 まずは得意のユーザー・エクスペリエンス(=おもてなし)の話から。「リッツ・カールトンなどの高級ホテルに一歩踏み入れるとそこは別空間。そのユーザー・エクスペリエンスを提供しているのはいったい誰でしょう?」と始める。「おもてなしの責任者は、ホテルを設計したアーキテクトでもなければ、ホテルを建てたゼネコンでもありませんよね。それはサービスを提供しているリッツ・カールトンそのものです。」と話を進める。

 そこで、一呼吸おいて、「では、携帯電話サービスの場合はどうでしょう?」と言ってスライドをめくる。

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 「これ、おかしくありませんか?ユーザー・エクスペリエンスで最も重要な役割を果たすユーザー・インターフェイスが、どの通信事業者のサービスを使おうと同じだなんて。」

 ここで、会場の人々の顔を見回す。観客の心をここまでに掴むことに成功していれば、「よくぞ言ってくれた!」という顔の人もいれば、「なんて失礼なことを言うんだ!」という憤慨した顔の人もいるはずだ。ひょっとしたら、ここで少しぐらいは拍手ももらえるかもしれない。

 「でも、通信事業者の中にも、ユーザー・エクスペリエンスを重視している企業があります。最近、北米でさかんになったMVNO(Mobile Virtual Network Operator)が良い例です。」と言ってスライドをめくる。

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 「このどの画面を見ても、一瞬にしてESPN mobileの携帯電話のUIだってことが分かりますよね。これがUIEvolutionとESPNが協力して作った、スポーツファンのために最適化されたユーザー・エクスペリエンスなんです。」

 ちなみに、ESPNは全米で2000万人の視聴者を持つスポーツ専門のテレビ局。Sprint から電話網を借りて、MVNOとして自社ブランドの携帯電話サービスを始めたのだ。

 本当は、ここでプレゼンを終わりたいぐらいなのだが、主催者から「技術資料を必ず入れて欲しい」といわれてるので作ったのがこれ。

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 UIEngineを含めたアーキテクチャ・ダイアグラムで自社製品の宣伝をさせてもらう(でも、主催者から「宣伝ばかりのプレゼンは歓迎しない」とクギを指されているので、ここはあくまでさりげなく…)。

 携帯電話業界には技術指向の人が多いので、"Web Service"、"XML"などの彼らの心をくすぐる言葉をちりばめながら、「これからの携帯電話のUIは、Web Serviceを利用したネットワーク・アプリケーションとして作るべき」などと言ってみる。このスライドのタイトルを「携帯電話2.0」にしてみようかと一瞬考えたが、たぶんWeb2.0という言葉すら聞いたことがない人が大半だろうから、今回は遠慮しておく。

 そして、まとめのスライドがこれ。

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 そして、「携帯電話のユーザーインターフェイスは、今までの様に、携帯電話メーカーの作ったものをそのまま使うのではなく、ターゲットセグメントに最適化したものを、通信事業者自身が責任を持って提供すべきではないでしょうか」と締めくくる。

【私信】 海部さん、今度はこのテーマを酒の肴に「無線ギークの会」っていうのはどうでしょ?ぜひともNTTドコモの方でもご招待いただいて…。


リモコン・バスケットとリモコン・ロケーター

060630_084633  IDEOのTom Kellyが彼の著書で何度も繰り返すのが、ユーザーを観察することの重要さ。

 先のエントリーとも重複するが、日本の家電は、何かというと「新技術」にばかり着目して、「AIエアコン」、「カオス洗浄」などとテクノロジーを全面に出した製品を毎年の様に市場に投入しているが、もういいかげんにして欲しい。

 そんな新技術や新機能の導入よりも、「今あるテクノロジーの恩恵をどうやって普通の人たちが満喫できるようにすべきか」を考えるべき時代が来ている。

 特にAV業界が最初に解決すべき課題は、毎年のように増え続けるデバイス同士を「どうやって繋ぐか」と、「どうやって操作するか」である。

 「どうやって繋ぐか」に関しては、IP化と無線技術(たぶんBluetoothとUWB)の進歩が解決してくれそうだが、「どうやって操作するか」に関してはまだまだやることがたくさんある。

 写真は私の家のファミリールームにおいてある「リモコンバスケット」。リモコンの数があまりに多く、何をするにもまず部屋の中から適切なリモコンを探さなければならないのが大変だったので、この「リモコンバスケット」を導入して、「使ったリモコンは必ずこのバスケットに戻すこと」というルールを作ったのだ。

 これで少しは改善されたが、相変わらずDVDを見る時には、(1)テレビのリモコンで入力を3に切り替え、(2)アンプのリモコンで音声入力をDVDに切り替え、(3)DVDのリモコンで映像を操作、と三つのリモコンをバスケットの中から探し出して操作しなければならないので不便極まりない。

 ちなみに、最近カタログで眼にしたのが、リモコン・ロケーター。それぞれのリモコンにあらかじめ無線で起動するブザーを取り付けておき、リモコンが見つからなくなった時にはリモコン・ロケーターの対応するボタンを押しとリモコンに貼り付けておいたブザーが音を発して場所を教えてくれるというものだ。「でもリモコン・ロケーターそのものがなくなったらどうするの」と心配するかも知れないが、そこはちゃんと考えてある。リモコン・ロケーターはなくしようがないほど大きいのだ(笑)。


世界の中心で「Contents is King!」と叫ぶ

 古川さんのブログで知ったのだが、「トイレ進化論、本当の大変化はこれから始まる!?」で紹介した「The Ten Faces of Innovation」の日本語訳が、「イノベーションの達人」という題名で出版された。Tom Kelleyのもう一冊の本、「発想する会社!」と会わせて読むことをお勧めする。

 Tom Kelleyを初めとするIDEOの人たちが発信するメッセージの中で一番重要なのが「ユーザー指向」のもの作り。エンジニアが集まると、とかく「CPUがどうだ」とか「3Dがどうだ」という個別の機能面にばかりフォーカスが集まってしまい、ユーザー不在のもの作りが進んでしまう。

 私の一番の興味の対象である「ネット家電」で言えば、BMLによるデータ放送や、テレビに搭載したHTMLブラウザーが典型的な失敗例。明らかに「新技術の導入」だけが先行して、その上で提供されるサービスがないがしろにされているため、「誰も使っていない」に等しいのが現状だ。

 技術の話はさておいて、まずは「ユーザーにどんなことをして欲しいのか、どんなライフスタイルを提案したいのか」をしっかりと考えるべきである。メーカーの人たちと話をすると、十中八九、彼らは「UIEngineはFlashやJavaとどう違うのか」という個別の技術論ばかりしたがるので困る。そんな価値観でテレビやハードディスクレコーダにUIEngineを載せてもらっても、ブラウザーと同じ運命をたどるだけだ。

 対照的なのはハリウッドの人たち。彼らの考え方は思いっきりユーザー指向で、「技術のことは君たちに任せるから、すばらしいユーザーエクスペリエンスを提供することだけを一緒に考えよう」という態度で来てくれるので仕事がはるかに進めやすい。こうなったらまずは彼らと手を結んで、UIEngineを使ったコンテンツ・ポータルを先に作ってしまおうかと真剣に考えてしまう今日このごろである。"Contents is King"!


Microsoft Media Center PC

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 日本に設置してあるSharpのガリレオで録画したテレビ番組をこちら(シアトル)で視聴している私だが、そろそろ専用のメディアサーバーが欲しくなって来た。色々と調べた結果、HPのPavilion Slimline s7410nに決定。決め手は、

1.コンパクトサイズ(普通のデスクトップパソコンと比べて体積比で約6分の1)
2.Intel Celeron M Processor なので低消費電力で静か
3.十分なメインメモリー (標準で1GB)
4.十分なストレージ(標準で250GB)

 これで実売価格が約500ドル(5万円強)なのでお買い得だ。ボーナスは、MicrosoftのMedia Centerが付いてくること。昔の同僚が作っていることもあり、一度は遊んでみたいと思っていたのでちょうど良い。

 しかしいざ家に持って帰ってみると、単なるメディアサーバーとして私の仕事部屋の片隅においておくのはもったいなく思えてきた。そこで、試しにテレビ(42インチプラズマ)に直接繋いでみた。結構きれいである。「この場所には、本来Mac Miniが来るはずだったのに」と思いつつ、Microsoft性のMedia Centerリモコンとキーボードを追加で購入して、設置した(大きさが分かるようにDVDケースと並べてみたのだが、見て分かるとおり、テレビの横のCD/DVD用の本棚にきれいに収まってくれた)。

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 ちなみに、使い勝手は「Media Center内にとどまり、リモコンで出来る範囲のことをしている限りはOK」。それ以外のことをしようとすると、とたんにワイアレスキーボードを持ち出さなくてはならないし、それについているポインティングデバイスが最悪。試しにブラウザーを立ち上げてYouTubeビデオを見てみたが、これもダメ。あのクオリティを42インチのプラズマで見る気にはなれないし、ブラウザーのメニューやHTMLで記述されたページはテレビでの視聴には適していない。

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映画「プラダを着た悪魔」

 夕べは妻と「Superman Returns」を見るために映画館まで足を運んだのだが、あいにくチケットが売り切れ。しかたがないので、隣で上映している「The Devil Wears Prada」を見ることにした。ぜんぜん期待していなかったのだが、これが大当たり。最初のタイトルの部分で、ニューヨークのファッション業界で働く女性たちの出かける前の洋服選びや化粧の様子を絶妙のカメラワークで見せてくれるのだが、それをあたかも戦場に出かける前の戦士たちの様に描く監督のセンスにいきなり脱帽。ひさびさに思いっきり楽しませてくれる映画であった。

 日本では、「プラダを着た悪魔」の邦題で11月に公開予定だそうなんで、詳しくは公式サイトを参照いただきたい。

 ちなみに、「ひょっとしたら」とYouTubeをチェックすると、やはりトレーラー(英語版)がアップロードされている。ブログで映画評を書く時に、こんな感じでムービー・トレーラー(映画の宣伝映像)を貼り付けることができるとは良い時代が来たものだ。


YouTubeに動画をアップロードしてみた

 最近は、YouTubeに関してのエントリーばかり書いている私だが、今まで自分自身でYouTubeに動画をアップロードしたことがないことに気が付いた。これではいけない。ちょうど庭の木にAmerican Robinが巣を作り、そこに小鳥が二羽生まれたのを発見したところなので、それをビデオに収めてアップしてみた。

 Quick Time Proで見せたいシーンを抽出したMPEG4の動画(約40MB)を(画質の調整やフォーマット変換などせずに)そのままアップロードして、YouTube側でフォーマット変換させたものがこれ。

使用ビデオカメラ: Sanyo Xacti DMX C5 (MPEG4 640x480 30fps で撮影)
編集ツール: Apple Quicktime Pro for Windows (シーンの抽出のみ)
撮影時間: 三脚で放置して約20分。そこから親鳥が来たシーンだけを抽出。

 とても簡単だ。ただし、アップロードしたファイルが40MBもあったため、アップロードにやたらと時間がかかった(他のことをしていたので全部見ていなかったが、数十分かかったと思う)。

 ちなみに、無料の動画編集ツールを色々と試してみたが、どれも好きになれないので、Apple から Quicktime Proを購入したが、ことMPEG4の編集に関してはフォーマット変換せずに直接編集できるので、使い勝手抜群。「コーデックがどうの」とか一切考えなくて良いのが最高。


YouTubeが違法なら、ソシアル・ハードディスク・レコーダではどうだろう

 昨日の「YouTubeを使ったテレビ番組の『引用』の合法性に関する一考察」には予想通り賛否両論が寄せられたが、今日は視点を変えて、「YouTubeにアップロードしたテレビ番組の一部を皆で見るのがこんなに楽しいのならば、そんな遊びを合法的にさせてくれる商品やサービスがあっても良いじゃないか」という観点からのプロダクトデザインをしてみよう。

 「もの作りは常にユーザーの視点から」をモットーとする私としては、まずは「ユーザーから見てどんな商品なのか」を明確にするために、スクリーンショット付きプレス・リリースのプロトタイプを作ってみた。

米UIE、ソシアル・ビデオ・クリッピング機能付きハード・ディスク・レコーダを発表

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 米UIE(正式名称 UIEvolution Inc.、 米国ワシントン州シアトル本社)は、200○年○○月、世界初のソシアル・ビデオ・クリッピング機能付きハード・ディスク・レコーダのリファレンス・デザインを発表。家電メーカーに対するOEM提供を開始した。

 ソシアル・ビデオ・クリッピングは、テレビの視聴者が、テレビ番組中の自分が気に入ったシーンを切り出して、YouTubeに代表される映像共有サービスやブログを使って、批評したり、個人的体験の共有をする行為。2006年の前半にYouTubeとともに急激にインターネットユーザーに普及したが、当初から著作権法上の問題点が指摘されており、それを解決するサービスの必要性が叫ばれていた。

 今回、UIEが発表したのは、実際のビデオはユーザーの持つハードディスク・レコーダーに蓄積し、クリッピング情報のみをネット上のサーバーを介して共有することにより、現行の著作権法に触れずに、自分が面白いと思ったシーンを公開したり、他の人がクリップしたシーンのみを見ることを可能にするものである。

 ユーザーは、テレビの番組を見ているときに(タイムシフト中も含む)、面白いシーンに出会ったら、リモコンの「クリップ」ボタンを押すだけで、その前後のシーンを自分のビデオクリップとしてアーカイブできる。EPG(テレビ番組表)を開けば、それぞれの番組が他のユーザーにどのくらいビデオ・クリップがされたかが一目で分かるので、「たくさんの人がビデオ・クリップした番組のみを見る」、「最新の人気ビデオ・クリップを順番に見る」などが可能になる。

 ただし、今回UIEから発表されたものは、ユーザー向けの小売商品ではなく、家電メーカー向けのリファレンス・デザイン。一般ユーザーは手に入れることが出来るのは、それを採用した家電製品が市場に出てからのことになる。ちなみに、このリファレンス・デザインは、UIEの組み込み機器用ミドルウェアUIEngineの上に作られており、OSやCPUは家電メーカーが自由に選べるところが特徴である(UIEngineは既に、μiTron、embedded-Linux、vxWorks、Symbian、BREW、WinCEなどの各種OSに移植済み)。

 うーん、自分で書いていても欲しくなって来た。UIEngine上のEPGは既に作ってあるし(上の画像はそれを少し加工しただけのもの)、ハードディスク付きのembedded Linuxの開発環境は整ったし、ちょっくらプロトタイプでも作ってみるかァ…(ちなみに、こんな物を一緒に作ってみたいエンジニアの方々を募集中。詳しくはこちら)。


YouTubeを使ったテレビ番組の「一部引用」の合法性に関する意見募集

 CNetのブログに、「YouTubeを使ったテレビ番組の『引用』の合法性に関する一考察」というエントリーを書いたので、まずはそれを読んでいただきたい。ここ数週間ばかり、私なりに「なぜSequoiaのような一流どころのVCがYouTubeに資金を提供したのだろうか」、「一見お金を垂れ流しているようにしか見えないYouTubeの本当の狙いはどこにあるのだろうか」と考えて来た結果、やっと少し「著作権法との関係の落としどころ」のようなものが見えて来たような気がするので、それを自分なりにまとめて書いてみたのだ。

 結局のところ、「テレビ番組の一部を『個人的体験の共有』のためにアップロードすることぐらい許容範囲」と多くの人が思うようになるのか(もしくは、既になりつつあるのか)が鍵である。CNetのエントリーに書いたように、人々の常識や良識が変化した時には、法律の方を変更すべきだ、というのが私の考え方である。当然、現行の法律にのっとってビジネスを営んでいる人たちは急激な変化を嫌うが、同時にそれをビジネスチャンスと見て、新しい形のビジネスを生み出そうとする人たちが現れるのも資本主義ならではの面白さである。

 そこで質問である。テレビ番組の一部をYouTubeに上げてそれに関しての自分の意見を表明することは、ブログに新聞の記事の一部を引用して自分の意見を表明するのと同じように許されるべきなのだろうか。ただし、現行の著作権に照らして合法かどうか、という質問ではないので誤解しないでいただきたい。あくまで、「良識的に見て許容範囲かどうか」という質問である。

(注)このビデオクリップは2006年4月に放送されたNHK教育の人気番組「おかあさんといっしょ」の一部を抜き出したもの。

 サンプルとして、CNetの記事でも引用した「スプー事件」のYouTubeビデオを上に貼り付けておくので、これも参照していただきたい(真ん中の矢印をクリックするとビデオを見ることができる)。この様に、テレビ番組の一部をテレビ局の許可なくYouTubeにアップロードして、ブログなどで意見を述べることを、(必要であれば法律を変更してでも)許容範囲として認めるべきだろうか、という質問である。

 コメント欄、ソシアルブックマーク、トラックバックなどを利用してぜひとも意見を表明していただきたい。賛成意見、反対意見、どちらも大歓迎である。

【追伸】 読者の方からご指摘をいただいたので、初期のエントリーに二つの変更を加えた。(1)embedタグの外側にblockquoteタグを付けた(ネット上で引用をする場合の礼儀だそうである)。(2)どの番組のビデオクリップであるかを明確にした(ただし4月の何日に放送されたものかは不明)。


スパムメールに関する一考察

060703_123210  今週は、UIEJのメンバーの間で、ユーザーから取得したメアドの扱いに関してさまざまな議論が交わされた。特にスパムメールに関する意見交換が興味深かったので、私なりのスパムメールに関する考え方をまとめてみた。

・内容は何であれ、ユーザーにスパムだと思われたらそれはスパム
・スパムだと思われたら読んでもらえない
・読んでもらえないメールを送ってもしかたがない

 ここで問題となるのは「ユーザーに一度スパムを送る企業だと一度思われてしまうと、メールを一切読んでもらえなくなる」点である。

 例えば、私は、mixiGREEはてなシマニティの4つのSNSサービスに登録しているが、送られてきたメールを読むのはmixiとはてなのみである。Greeとシマニティからのメールは内容を確認せずに削除している。なぜこんな行動をとるのか、自分なりに解析してみた。

・Greeとシマニティは毎日メールを送って来るが、mixiとはてなは何かイベントがあった時にだけメールを送ってくる。情報量がゼロのメールを何度も送られていると、その企業からのメールを開くのがだんだんおっくうになり、しまいには一切読まなくなってしまう。
・Greeとシマニティからのメールは、あくまでサービス主体者からのメッセージである。それに対してmixiとはてなからのメールは、ほとんどが「○○さんからコミュニティへの参加申し込みがありました」、「○○さんからはてなポイントを受け取りました」などの、他のユーザーからのメッセージを代行して伝えるメールである。サービス主体者からのメッセージは平気で無視できるが、他のユーザーからのメッセージは無視できない。

 ささいな違いだが、この違いが、私に「mixiとはてなからのメールは毎回読む」が「Greeとシマニティからのメールは一切読まない」行動をとらせている点は注目に値する。この辺りの微妙なユーザーの心理に注目してサービスを作るかどうかが、実はものすごく大切なのではないかと思っている今日このごろである。


ゲイツとクリントン、「アフリカをエイズから救う」ために協力

Bill_and_clinton  ビル・ゲイツの引退宣言については、少し前のエントリーでも書いたが、2年後の正式引退を待たずに、すでに精力的な活動を開始している。

 最近の話題は、元大統領のビル・クリントンとのアフリカの視察。二人とも既にエイズ患者・孤児の救済、医療設備の整備、エイズ防止キャンペーンなどでさまざまな形での援助の手をアフリカに差し伸べているのだが、こうやって協力体制を作ることにより、メディアの注目を集め、一般の人々のアフリカでの「エイズ危機」に関する認知度にも貢献しようとのねらいである。

 普段はこの手のニュースにあまり注意を払わない私ですら、彼らのねらいどおり、ウェブで検索をしてエイズ関連の記事を読んだり、こうやってブログに書いたりしているのだから彼らの影響力は計り知れない。

【参考文献】
エイズ、もっと良く知る国際保険
エイズでアフリカの平均寿命が急落
図録、世界のHIV感染・エイズの状況
On tour with Bill Gates and former President Bill Clinton (NBC News)
Gates Foundation
Clinton Foundation