米国Sonyから、なにやら新しいデバイスが発売されると報道されたのが8月の初め(参照)。最初はあまり注目していなかったのだが、Engagetの続報でOSがLinux+Qtopiaらしいと知り、がぜん興味が沸く。QtopiaにならすでにUIEngineも移植済みなので、アプリをインストールする方法さえ見つけることができれば走らせてみることができる。
そこで、すぐにSony Styleで予約しておいたのだが、それが届いたのが今日。さっそく遊んでみた。
大きさは一昔前の携帯電話ぐらい(900シリーズになる前のFOMAの携帯電話を思い出して欲しい)。ふたまわりぐらい小さくしたPSPという感じか。液晶はちゃんと今の携帯電話なみに明るくてきれいなものを使っている。液晶が安っぽいと全体が安っぽくなってしまうのでこれはとても重要。
最初に電源を入れると現在の日時の入力とユーザー登録をさせられる(少し不愉快)。名前(本名である必要はない)、誕生日、およびオプショナルのプロファイルだ。なぜ誕生日が必要なのかがどうも理解できないが、ひょっとしたらNintendo DSの様に誕生日をお祝いしてくれるのかも…と密かに期待してみたりする。「おもてなし」にこだわる人間として言わせていただければ、ユーザー登録は必要になったときにするように設計した方が良かったのではないかと思う。ちなみに、この段階でQWERTYのキーボードを使ってみたが、使いごこちは悪くない。ちょうど、RIMのBlackberryのキーボードと同じような使い心地だ。
次にしたのがWiFiの設定。ちゃんと我が家のWiFiを見つけてくれたし、WEPのセキュリティにも対応してくれている。当然といえば当然だが、このあたりでユーザーがつまづかないように作る事はとても大切だ。さっそくブラウザーを立ち上げて、このブログを見てみるが、画面が小さすぎてレイアウトが崩れて本文が表示されない。でも、米国で売られているデバイスにも関わらず、日本語のフォントがちゃんと内蔵されている点は評価。メニューからZoom->50%を選ぶと辛うじて本文が表示されるようになったが、今度はフォントが小さすぎて文字が読めない。携帯電話においてもそうだが、この手の携帯型デバイスにわざわざフル・ブラウザーを載せてパソコン用のウェブページを見る意味なんてあるのだろうか。ちなみにブラウザーはOperaだそうだ(参照)。
次に試したのがSkype(Communicationというメニューの下に、Skype、Google Talk、Yahoo! Messenger、Ad Hoc Application という四つの通信手段が提供されている)。QUERTYキーボードが付いているので、Skype名やパスワードを入力するのも簡単、あっさりと繋がった。スピーカーを耳に当てるとマイクが口元にくるので、携帯電話のように通話することが出来るのだ。さっそく別の部屋にいる妻と会話してみたが、スピーカーを耳にしっかり当てると、マイクがちゃんと音を拾ってくれないし、マイクを口元に近づけるとスピーカーからの音が聞きにくくなる。これで長電話をしようと思ったら、イヤホンは必須だ。でも、マイクは内蔵マイクを使わなければならないので、その場合はMyloをカラオケマイクのように持って話すことになるが、これはちょっと格好悪い(「カラオケチャット」だ)。
他にもパソコンから転送した写真を見る機能、音楽ファイルを転送して携帯型音楽プレーヤーとして使う機能などもあるが、写真はあくまでおまけ的なもの、音楽ファイルに関しては、iTuneで採用しているAACをサポートしていないので役に立たない(サポートしているのは、ATRAC、MP3、Windows Media Audioのみ)。SonyとしてはiTuneではなくSonicStageを使って欲しいのだろうが、それは無理というものである。
とりあえずの第一印象で言う限り、メディア端末としてはイマイチ(iPodにはかなわない)、唯一使えるのはSkype。パソコンに縛り付けられずに、家の中を歩き回ってSkype チャットできるのはすばらしい。ただし、スピーカーとマイクの配置が悪いので、それが致命的。せっかくここまでやるのなら、Skypeチャットに最適化された携帯電話に近いフォームファクターにして欲しかった。
そうは言っても、せっかく手にいれたのだから、次にSkypeで会議をする機会があったら使ってみようと思う(たぶん「カラオケチャット」モードで)。色々と使いこなすうちにもう少し良いところも見つかるかも知れない。
ちなみに、まだどうやって自分で作ったソフトをインストールするのかは分かっていない(というか禁止されている可能性も高い)ので、それも調べなければならない。UIEngineさえ起動することができれば、先日作ったテレビ番組表みたいなプロトタイプを簡単に走らせることが出来るのでそれは楽しそうだ。