UIE、会社設立以来初めての雑誌広告
2006.09.21
メディア企業、サービス・プロバイダー、デバイスメーカーを顧客もしくはパートナーとするうちの会社(UIE)は、今まで一度も雑誌広告というものをうったことがなかったのだが、今回のCTIA(米国の携帯電話業界のカンファレンス)にあわせて、RCR Show Dailyという雑誌に会社設立以来初めての広告を載せた。
とは言っても、広告代理店を雇うほどの予算はかけられないので、社内のクリエイティビティを動員しての手作り広告だ。
メッセージは、私の口グセでもある、「Content belongs to the user, not the device」。音楽、映像、ゲーム、アプリケーション、サービスなどのさまざまなコンテンツは、今のようにデバイスにダウンロードしたりインストールしたりするものではなく、それにアクセスする権利を持ったユーザーが触れた全てのデバイスから(ネットを介して)アクセスできるべきだ、という『パーベイシブ・アプリケーション』の思想を具現化した言葉だ。
マーケティングの担当者が女性だったからか、ハンドバック(=デバイス)を取り替えるたびに、その中の化粧品やら財布やら(=コンテンツ)をそっくり入れ替えなければいけない不便さを写真で表現しているのだが、なかなか良く出来ていると思う。
会社で作ったパワーポイントのスライドが家のパソコンで開けなかったり、自分の持っているミュージックCDの一曲を自分の携帯の「着うた」にすることができなかったり、昨日録画しておいた連続ドラマを次の日の朝に通勤電車の中でビデオiPodで見るという行動がごく一部のギークにしか出来ない芸当だったり、家のパソコンでしていたオンライン将棋の続きを携帯電話で続けることが出来なかったり、デジカメで撮った写真を自分の携帯の壁紙にするやり方が分からなかったり、などの「技術的には可能なはずのに『デバイスの呪縛』のために不可能になっていたり困難になっている」ものを、さまざまな企業とパートナーシップを結びながら一つづつ実現して行くのがUIEの役目。そのビジョンをひとことに凝縮したのが、「Content belongs to the user, not the device」。
とても清潔感のある広告ですね。ところで、この記事を見ながらしばらく考え込んでしまったのですが、「コンテンツを入れ替えなくてはいけないデバイス」ではなく、「コンテンツを入れ替えなくても良いデバイス」の広告イメージってどうなるのでしょう?私的には沢山あるハンドバッグの中から好きなのをひとつ選ぼうとする感じですが、なんかいまいちピンと来ません。ともあれ「ジレンマ=欲求」だと思うので、むしろ現状の問題点をイメージとして用意するほうが広告の形としては良いですよね。
Posted by: ねじくん | 2006.09.24 at 09:34
>「コンテンツを入れ替えなくても良いデバイス」の広告イメージってどうなるのでしょう?
良い質問ですね。私のイメージだと、ドラえもんの4次元ポケットをマルチデバイス化したようなハンドバッグでしょうか。朝どのハンドバッグを持っていっても、そこから4次元を通して、自宅においてある化粧品だとか定期入れだとかにアクセスすることができちゃうんです。それさえあれば、コンテンツを入れ替えなくても良いし、「あ、定期入れ忘れちゃった」だとか、「あ、ストッキングが伝線しちゃった」とかの心配もしなくて良いんです。
Posted by: satoshi | 2006.09.24 at 10:07