ユーザー・インターフェイスの設計に大切なのはデザイン・ポリシー
セキュリティ面から見た「ウェブページ」と「保険の勧誘員」の共通点

「プロダクティビティ・アプリケーションのウェブアプリ化なんてナンセンス」という考え方がマイクロソフトをだめにした

 月刊asciiのコラムにAdobeのPhotoshopのウェブアプリ化に関しての感想を書いていて思い出したのが、90年代の終わりに私が「Microsoft Officeをウェブアプリ化してサービスとして提供したい」と提案した時のビル・ゲイツの反応。

 ”プロダクティビティ・アプリケーションのウェブアプリ化なんてナンセンスだ!使い勝手が良いものなんて絶対にできない。ユーザーが必要としているのは、リッチ・クライアントなんだ。

 マイクロソフト在籍時代にはビルからは沢山のことを学んだし、ほとんどのケースでビルの方が私よりはるかに色んなことが見えていたし正しかったが、この件に関してだけは今でも私の方が正しかったと信じている。あの時点でNetdocsをウェブアプリ版Officeとしてリリースできていればもっと面白いことになっていたはずだ。

 そうは言っても、ビルを説得できずにNetdocsのリッチクライアント化を止めることができなかったのも私なので、一方的にビルを責めることも出来ないのだが、マイクロソフトの株価の推移を見るたびに、やはり90年代の終わりごろの戦略ミスが今でもたたっているのだな、とつくづく思う(下の図はYahooの株価情報ページからの引用)。

Msft

Comments

dach 【アメリカ生活を快適に過ごすちょっとしたコツ】

はじめましてこんにちは。いつも楽しく拝見させていただいています。

さて、TechCrunchによるとMSがアプリのサービス化に動いているようですね。
「MicrosoftがGoogle Apps/Zoho競合を開発中」
http://jp.techcrunch.com/archives/confirmed-microsoft-building-google-appszoho-competitor/

さすがにマイクロソフトも時代の潮流に逆らえなくなったのでしょうか。

私も事情により駐在先の借用マシンでMS Officeが使えないので、閲覧はビューアー、作成、編集はGoogle Apsを多用していますが、レポート作成程度であれば、Google Apsで十分ですね。

団長

 こんばんは。当時からOfficeのウェブアプリ化を考えていたなんて、すごいですね。もし、実現していたら、違ったネットライフになっていたでしょうね。
 個人的には、ジャストシステムに一太郎をウェブアプリ化して提供して欲しいです。関西の人間なので、地元応援ということで。
 ビジネスとしては、以下のような感じなら成り立つのではないかと思っています。
 ターゲットは学生などのライトユーザー。提供する機能は、基本に絞り込み、パッケージソフトとすみわけをはかる。無料で提供する代わり、ユーザーの作成した文書のフッターに三行ぐらいの広告文を入れる。
 素人考えですから、夢の世界ですが。ただ、ジャストシステムがパッケージソフトという土俵ではジリ貧なのは明白であると思っています。ですから、新しい土俵を作って勝負してほしいです。

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