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日本は世界経済にとってのガラパゴス諸島

Hatebu

 渡辺千賀さんの「日本は世界のブラックホールか桃源郷か」というエントリー。「そう、そう」とうなずきたくなるようなエントリーだが、私が数年前から使っている表現は「日本は世界経済にとってのガラパゴス諸島」。

 2000年ごろから始まった、日本特有の「ケイタイ文化」の進化は、主に言語と人種と非関税障壁の壁により隔離された日本だからこそ起こったと言え、文化人類学的に見ても、グローバル経済の面から見ても、とても面白い。だから、米国のワイアレス関係の人たちの中でも目利きの人たちは、あいかわらず日本を特殊な実験場のような目で注意深く見ている。

 隔離されているからこそ、独自の変化を遂げることが出来ているのも一つの特徴だが、それゆえに「外来種」にあっという間に駆逐されてしまったり、海外でまったく勝負できないなどの例も後を絶たない。最近ではスターバックスが良い例である。昔良く見かけた「マイアミ」とか「カトレア」は、ほとんど姿を消してしまった。保護されていたがゆえに、国際的な競争力をなくしてしまった日本の携帯電話メーカーも良い例である。

 しかし、逆にこの隔離された環境で、誰も気が付かないうちに急速な進化を遂げて一気に世界市場を席捲してしまうような例も少ないながらもあるので(アニメとかゲーム産業はその良い例)、あながちこれが悪いとは言えない。

 私のように日本人でありながら海外に暮らしていると、その立場を利用して、「日本という特殊なマーケットだからこそ可能な『何か』を作って、それをこの隔離された環境で急速に進化させてから世界に羽ばたかせて、一気に世界を制覇する」みたいなことはぜひともやってみたいと思うのだが…さてその「何か」とは一体なんだろうか。

Comments

noname

日本から見るとアメリカも相当特殊な市場に見えますね。
むしろアメリカの方がちょっと異常なくらいです。
ちなみにドトールがスタバの何倍くらい利益を稼いでいるか、ご存知ですか?

けけら

はじめまして。
私としては小型の個人用2足歩行型ロボットが来ないかなぁ、と期待してます。
今のこの日本のロボティクス技術って、正に日本独自でつっぱしっている分野だと思います。

Average

仰っている趣旨は同意できるのですが、この議論を敷延すると「世界は単一な文化圏であるべきだ」「日本人は英語をしゃべるべきだ」という所までいってしまうのではないでしょうか。
日本人が日本語を喋る事を肯定するのであれば、やはり(やせがまんでも)「多様性は善だ」と言うしかないのではないでしょうか。

なお、「カトレア」や「マイアミ」がつぶれたのは、土地バブルのせいで、「スターバックス」が来る前にすでに絶滅危惧種でしたが・・・・

deric

>noname

スタバもドトールも利益はほとんど変わらないんですが・・・

chika

こんにちは

トラバどうもでした。トラバといえばスタバ。

スターバックスUSのnet income:564百万ドル=670億円超
ドトールの当期利益:21億円

ということで、ドトールの利益はスタバの0.03倍。

こんなことを反射的に見てしまう私はADD気味。

umitanuki

> chikaさん

比べるならスタバ・ジャパンでは??
http://www.starbucks.co.jp/ir/highlight/index.html/
http://www.doutor.co.jp/ir/jp/financial/index.html
ということで、1.07倍。

hg

異常発生したタニシよろしく
繁殖力の優れた外来種のほうが勝っていることのほうが多いでしょうか。

passer

>umitanukiさん
アメリカのスタバと比較するのは間違いではないでしょう。
このポストはマクロ経済で飛躍できない日本の商習慣について斬っているのですから。ちなみに単純な人口比率でアメリカは日本の2.5倍いるわけですから、フェアに見るならば
スターバックスUSのnet income:564百万ドル=670億円超
ドトールの当期利益:21億円×2.5(係数)=52.5億円
なので、企業力は0.07倍だと言えます。もっと細かくいえば、これに日本とアメリカの個人平均所得比率と生活習慣(外出先でのコーヒー消費量など)を考慮する必要がありますが、マクロ経済的に見れば、どう考えてもドトールの惨敗ですね。
日本は世界的にもリッチな国民が1.2億人もいるのですから、半鎖国的に経済運営していくことは可能です。ただ、世界の流れはFTAなので、折り合いをつけるのはかなり政治的に苦労するでしょうね。

ぐりんぐりん

通りすがりですが、
財務状況の精査なし、税制、利益報告書書式の違う
企業を比較するのがマクロ経済なんですか?
つーか、マクロ経済的に企業の当期利益を比較することができるのかとか
素人としてはいろいろ聞いてみたいのですが。

 

この例では駆逐する例としてスタバを上げているので
その点では、やはり明確に間違いなのでは。

ただ、クルッグマンの「良い経済学・悪い経済学」に詳しいですが
疑いもなく「国際競争力に勝たなければ、国の衰退を招く」
といった論調が使われますが、論拠としても実証としても
あやまりなんですけどね。

たとえ、今後スタバが流行って、ドトールがシェアを大幅に奪われたとしても、それは日本の衰退を意味するわけではないし。

arano

元のエントリもchikaさんやpasserさんの議論も、私には単なる拝金主義のように見えます。
あるいは米国経済が外国資本に依存している理由がお分かりでないような。

bearcat

そこまで目を三角にしてコメントしなくても、いいのでは?
経済圏として、特異な場と化している(このグローバル風が吹き荒れる中でも)という指摘、としか読めないんですが。拝金主義ねぇ・・・?

humu

畳屋がグローバルな観点で競争力を付けて畳を作っても意味が無いこともあるので
必ずしも世界で勝ち抜くことに意味があるかどうかはケースバイケース

ただ意図したことを汲み取って当てはまるものを考えるとすると
iPodの成功もあるようにiPhoneによって日本の特殊なケータイ文化が
駆逐されないとも限らない

なにより日本のケータイよりカッコイイと思える層が多ければiアプリだのなんだのといった
細かな機能やワンセグなんかも優位性とはいえなくなる気もする
日本の企業同士でケータイや家電,PCなどで主導権争いをしてるせいで
相互接続性が極端に悪く攻め込みやすい歪んだ文化に育ってしまった

今の中高校生ではケータイ=インターネットですし
キーボードは打てないけどケータイで長文が書けたりする世代が今後のマーケットの
主流になることを考えると転換点ともいえなくない

arano

資本規模による支配こそが正当だという前提がうかがえるから拝金主義と書いたのです。あるいは帝国主義と言い換えてもいいかも。
このパラダイムは、経営や資本の意味を理解していない日本人によく見られますが、時代遅れです。「経営と資本の分離」はそれこそ米国の企業経営の世界では主流です。
このあたりが分かっていないと、「外国資本がメジャーでありながら世界的なプレゼンスをもっている米国」の意味が理解できません。
つまりこのエントリやコメントの背景にあるルサンチマンで片付けられるほど単純な話じゃないってことです。

PowerYOGA

その「何か」ですが、個人的には「日本語ワープロソフト」であって欲しいと思います。日本のSEの業務が過酷になりがちな理由の一つが、「設計書や仕様書をWordで作らざるを得ない点」にあるのではないかと。本家のWordは英文ワープロとしては優れているのかもしれませんが、日本語版Wordは、日本人向けの思考補助ツールとしては不適切で、それが少なからずSEの設計力を削ぎ、後の工程に響いているのでは?、と感じているので。日本語ワープロの外国語展開も面白そうですし。

someone else

世界中が皆、経済的に最適化されたシステムを導入するべきだ、という物言いにどうしても賛成できません。あなたは本当にグローバルな自由経済が市場や世界を幸福にすると思いますか?ひとりの市民として、まずそれを表明すべきではないでしょうか。

Nigg

>aranoさん

なぜ資本規模による支配が時代遅れなのですか?

しかもその話と「経営と資本の分離」という話はまったく別の話ではないかと思うのですが?資本規模による支配がなされていても経営と資本の分離は可能なのでは?
すいませんが話がよく見えません。

arano

「規模」ではなく「効率」で考えるのが常識です。それこそ規模を効率につなげるためには厳格な統制が必要で、ゆえに帝国主義のパラダイムではああいった(これはさすがに説明不要ですね)ガバナンスが主流となったのです。
あなたの指摘を読んでいると、資本コストという概念が日本の経営者にまったく理解されていないのがよく分かります。日本人には本当の資本主義の姿がまだしばらく分からないのかもしれませんね。
その意味で、日本が「資本主義のパラダイス鎖国」に陥っている可能性があることが分かりました。それこそ米国在住のBlog主やchikaさんを含めて、ですね。

arano

ついでながら「本当にグローバルな自由経済が市場や世界を幸福にする」とはここのBlog主は考えていないと思いますが、これは真実です。多くの人を幸せにするでしょう。
問題は、そんなものは幻想でしかない、ということです。「グローバルな自由経済」はまったく未完成です。私から見れば、日本もアメリカも中国もパレスチナも、激しくロックされた閉鎖市場のように思えます。

タグこれはひどい

他人のブログのコメント欄でガチャガチャ言うことじゃないよね。
そういいたいなら、自分でブログ記事書いて世に問えばいい。
議論する価値のあるエントリーなら、そこのコメント欄で有意義な話ができるでしょう。
ブックマークも付くだろうし、トラックバックも集まる。
ブクマでぼやいたりしていることよりずっと意義があるはず。

それができるかはあなたの能力次第ですけどね。

arano

>それができるかはあなたの能力次第ですけどね。

これは誰に言っているの?あなた自身?

Maki

「The World is Flat」。世界は情報について、水平的につながっている、米Wall Street Jourtnal紙のコラムニストであるトーマス・フリードマン氏の書である。つまり、これは国境がなくなりつつあることを意味しているだろう。経済の「グローバル化」とは、単に、企業がつくり出す製品やサービス、また、その対象とする市場やお客様、さらに、自身の経営リソースに関しても、「グローバル視点」は大切であるだろう。時代は大きく変化している。従来、日本企業は、新製品に関して、まず最初に国内市場に投入し、そのコモディティー化に従い、その対象とするマーケットを国内から海外市場へ移動してきた。しかし、「The World is Flat」だ。情報は瞬時に世界に広がっていく。自社がやらないならば、他社がやる、いや、競合他社に市場機会が移動する・・・・。また、インターネット活用した新市場が生まれている。「ロングテール」という名の恐竜の出現である。特に、日本市場で注目される点とは、日本市場だけを対象としたビジネス自体が小さなビジネスを意味していない・・・・・?!

palmanova

コメント欄が開放されたブログで、
意見表明はご自身のブログでと言い捨てるってのは
カッコイイコトデスネ。

それはさておき、
グローバルな自由経済とやらと
真なる共産革命の違いってあるんでしょうか?
かつて貴族を滅ぼした僧侶が、商人にしてやられた後
その商人向けの占い師が沸いているとしか見えないのですが…。

passer

他人様のブログ内で恐れ入りますが、一応お答えしておきます。

>ぐりんぐりんさん
財務状況の精査なし、税制、利益報告書書式の違う企業を比較するのがマクロ経済なんですか?

はい、ここではそうです。なぜなら、税制や書式が違う中で、明確に比較できる材料は売上か利益しかないからです。当期利益だけで判断すべきではないという記述は賛成しますが、10倍近く差のある企業が成熟市場で逆転する可能性は極めて低いでしょう。その上で、なおかつ、海外(この場合日本)のトップシェア企業と互角に闘えているからです。

>ななしさん
この例では駆逐する例としてスタバを上げているのでその点では、やはり明確に間違いなのでは。

いえ、私はnonameさんのコメントに対してchikaさんがお答えになった利益比較を、「日本のものと比べるべき」としたumitanukiさんに対して回答しています。ポストそのものに直結しているわけではないのですが、回答としては間違っていないと思っています。

> aranoさん
資本と経営が分離していることも、米国経済がオイルマネーに依存していることも承知の上でお話ししています。この場合、あまり関係ないのでは? それに、どのあたりが拝金主義と感じられたのか、私には理解できませんでした。別に利益を出しているからエライと言ったつもりはありません。ただ、リッチな市場(日本)は外国から開かれることを要求され、政治的にも経済的にも攻められます。だから、日本企業は(製造業以外でも)グローバルな競争力をつけるか、政治的に半鎖国化する必要があるのでは?と思っているわけです。

arano

まず米国が依存しているのはオイルマネーではありません。むしろ中東はEUへの投資を強めています。この時点で現状の米国経済(ないしは世界経済)をまったく理解されていないとお察しします。
あと、資本と経営が分離していることを本当に理解しているなら、「リッチな市場(日本)は外国から開かれることを要求され、政治的にも経済的にも攻められます」という意見が出てくることもありえません。
あまりにも表層的にしか理解されていないようなので、少しでも問題を深く理解するためのヒントとしての問いかけをしてみましょう。あなたがおっしゃっている「日本市場」とか「外国」とかは、具体的には誰を指していますか?それは誰の意志に基づいて、どんな意志決定をしていますか?本当にそれはプリンシパルな存在ですか?
Blog主も含めて「アメリカが、日本が」と皆さんあまりにも簡単におっしゃいますが、たとえばソニーにとって国籍ってなんでしょう?あるいはソニーは誰のものでしょう?そういうことを解きほぐさないと、この問題は表面的な理解に終わりますし、それはただの床屋談義であって、Blogで発信するような代物ではありませんね(無知な人を誤って啓蒙する分、床屋での談義より害があります)。

タグこれはひどすぎる

だって用語の定義が独自で、相手とコミュニケーションのプラットフォームを築いて共有しようと言う意識が皆目見えないから。

どういう思考の上でそう解釈したのかが、あなたとお仲間以外にはまるで理解できないから、自分の思考の全貌を確認できる場を設けてくれと言ってるのですよ。

トラックバックですべき討論ですね。エントリと直接関係ない、自説についての議論に持っていこうとしているように見えますから。

arano

>相手とコミュニケーションのプラットフォームを築いて共有しようと言う意識が皆目見えないから。

これはご自身のことですね。言葉は自分の鏡だ。

本当は浅い理解なのに何となく直感に合っているものに付和雷同する。理解できないことを努力もせずに人のせいにする。異なる意見を排除しようとする。

つまりあなたの態度こそが典型的な「パラダイス鎖国」ですね。あるいは鎖国がどうこうという以前の幼稚さかもしれません。

なにしろ私の意見は、それこそ日本以外ではすでに常識です。大体、アクティビスト・ファンドにビクビクしているなんて、20年前の映画「ウォール街」の世界観ですね。

ちなみに、私の意見がエントリと筋違いだと仰る向きもありますが、文句を言うならエントリのタイトルにご自身が理解されていない「世界経済」という言葉を使ったBlog主に言うべきでしょう(笑)。

タグだめだこりゃ

自分の言葉の使い方が身勝手だってことがわかんないんだな。
可哀想な人だ。

>なにしろ私の意見は、それこそ日本以外ではすでに常識です。
意見の正しさ以前の問題なんだよ。がんばれ。

arano

>自分の言葉の使い方が身勝手だってことがわかんないんだな。

それこそあなたご自身に宛てられた言葉ですね。届くべき人のところに届かない言葉はむなしいものです。

この話題こそ、本来のエントリの趣旨とかけはなれていますね。正に「他人のブログのコメント欄でガチャガチャ言うことじゃないよね。」というあなたのお言葉をそのまま差し上げます。

arano

あともう一つ。

>意見の正しさ以前の問題なんだよ。

こういう暗黙知的なルールを強制しようとするところは、正にパラダイス鎖国そのものですね。

もし何らかのルールが必要だと思うなら、あなたが自分の力で形式化してみればいい。そしてBlog主と連絡を取り合い、それがこの場で適用されるよう努力すればいい。

米国政府は日本に対して常にそういう努力を怠っていませんね(年次改革要望書としてまとめています)。そういう手間を惜しんで、気に喰わない意見を暗黙知で排除しようとするのは、非関税障壁以外の何者でもありません。

タグこれはひどい

読み取れない勝手な暗黙知を前提にして演説こいているのはあなたですよ?
だから明示化できるような(他者にも文脈や定義が理解できるような)場所を用意するか、他のユーザーに誤解無く伝えるための下ごしらえをしなければ意図を理解できなくてもそれはあなたの責任ですよ?と言っています。ずっと。

あなたは個人パラダイス鎖国してるんですよ。

もうコメント汚しはやめますが、arano君もご自分が無視されていることの意味を自覚されるべきかと。

arano

反論できないと最後っ屁を残して逃亡ですか。まあそれもいいでしょう。

しかしこの程度のことが理解できないんだとしたら、床屋以外の場所では世界経済については最初から一切口をつぐんでいただきたかったものですね。

あなたの無知による誤った認識がインターネットに流通して、それを鵜呑みにする人がまた誤った認識を流す。こうした連鎖は明らかに社会的なコストです。それを排除するのは良識ある大人の務めです。それに、

>ご自分が無視されている

あなたがこの場から逃亡するように、このBlog主にも無言を貫く権利があります。都合の悪いことはスルーする、これも大人の流儀でしょう。すべてにいちいち対応しなければならないと考えているのであれば、それこそ子供っぽいですね。

Taketan

この辺読まれたのかな

http://tstyle-jp.dreamblog.jp/blog/41.html

chaleston

こういう話題になると、必ずコメント欄では日本人の無知、盲目ぶりが噴き出す。(多くは怒っている。)
経済に限った話でなくすべてにおいて。
外国(アメリカが多い)について分かったように語る日本人を毎日、いろいろの場所で見る。
その状態を例えるなら、Tシャツに書いたデタラメな英語表記のようなもの。
私は日本に5年ほど住んで仕事をしており、それを痛感しないときはない。
このブログは経済学の話ではなく、島国根性や村人意識についてを書いている憂国の投稿である、と私は受け取っています。
その意味において私は良い記事だと思います。

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