「青田買い」と「青田刈り」
2007.06.13
昨日のエントリーで、私が「青田刈りする企業が悪い」と書いたところ(最初は「狩」の字を使ったが、これはタイポ)、「青田買いの間違いでしょ」という指摘があった。書いた時にはあまり強く意識していなかったが、今読み直してみると、やはり「青田刈り」の方が現状を良く表していると思う。
「青田買い」とは、米の売人が、まだ穂がちゃんと実っていない段階で、米の買い付けを約束すること。刈り取るのは、もちろん穂が黄金色に輝いてからのことだ。学生でいえば、まだ学部の三年だとか、修士課程の一年にいる学生に、「君は卒業したときには即戦力になりそうだな、ぜひともうちに来て欲しい」と内定を出すこと。
「青田刈り」とは、食糧難の時に、稲が実るのを待てずに穂が青いうちに刈って食べてしまうこと。学生でいえば、本来なら修士課程や博士課程にでも進んでちゃんと勉強すれば、もっと力のある即戦力の人になれたかも知れないのに、「とにかく人が足らないんだよ。一日でも早くうちに来て働いてよ」と就職させてしまい、入社したらろくに勉強する機会もあたえずに、デスマーチのプロジェクトチームに放り込んで、エンジニアとして疲弊させてしまうこと。
【追記】最近自分のこの手の発言を見ると、ドラッカー氏の書物からの影響がかなり大きいと感じる今日このごろである。前のエントリーでも書いたが、エンジニアの方々には「明日を支配するもの」あたりを騙されたと思って一度読んでいただきたい。「エンジニア30歳定年説」とかがどんなに馬鹿げた話なのかを、一度ゆっくりと考えて欲しい。
アットなんたらを見ると狩りに行ってる気がしないでもないです。
Posted by: hg | 2007.06.13 at 17:32
ITコンサルタントですが、コーディングもテストもやる方なので、是非読んでみたいと思います。
ついでにP.F.ドラッカーの私のおススメは「ドラッカー365の金言」です。
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Taichi Fujisawa
『Think!』
http://thinkaboutbusiness.blog107.fc2.com/
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Posted by: Taichi | 2007.06.13 at 17:42
「青田刈り」された若手エンジニアは、数年後に転職しようとしても「何ができますか?」といわれて言葉に詰まる。
エンジニアにとって、デスマーチプロジェクトから学ぶことは少ないし、スマートなソフトウェアを書けないダメエンジニアになってしまう可能性さえある。
中島さんのように既にスゴくなった人から見れば、「甘ったれるな!自分の時間を使って勉強しろ!」と言いたくなるでしょう。しかし、目的意識をもって勉強し、仕事で実践できた人との差は大きい。
Posted by: maru-y | 2007.06.14 at 03:21