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詩「山道と犬」

山道を一人で歩いていると
 前から犬が一匹で歩いてくる
 とぼとぼと一匹で歩いてくる

飼い主はどうしたのかな
 迷子になっちゃのかな
 それとも「のら犬」かな

のら犬だったらやだな
 へんな病気を持っているかも知れない
 突然襲いかかってくるかも知れない

そうだ、首輪をチェックしよう
 首輪をしていれば飼い犬だ
 首輪をしていなければ「のら犬」だ

見てみると、首輪をしているじゃないか
 これなら安心だ
 誰かの飼い犬なら安心だ

でももっと良く目を凝らしてみると
 ネクタイをしたサラリーマンだった
 ああ、これならもっと安心だ

【追記】こちらのトーク番組で、「ネクタイは必要か」「なぜ人はネクタイをするのか」という話題にインスパイアされて書いた詩。ネクタイを犬の首輪にたとえた人はいままでもたくさんいるし、「男はなぜネクタイを結ぶのか」に書いてあるとおり、ネクタイをする=私はちゃんと社会のルールに従う人ですよ、というメッセージであることは否定しがたい。それを逆手にとって、ネクタイをしない=私はクリエーティブな人ですよ、というメッセージになっている点が興味深い。Appleの「Mac vs. PC」の広告(参照)がその代表的な例だ。私の場合は、単にあの「首が締め付けられる苦しさ」が耐えられないからしないだけのことであるが…。

【追記2】「男はなぜネクタイを結ぶのか」のアマゾンの書評に、こんな文章を発見。こんな見方もあるのか…

 この本の最後の方に、「ネクタイは首輪のようなもの」ということが書いてある。首輪のない犬が野良犬と見なされるように、スーツとネクタイは一人前の男のシンボルに違いない。「世間的」には人気があった堀江貴文被告が、大人の社会からはじかれてしまったのも、彼の服装が、野良犬的野蛮さ、世間を知らないガキと見られたのに一因があるのではないだろうか。

Comments

Taketan

/突然遅い/突然襲い/
ですよね。

Aloysius Shiplap

オフィス街ならいざ知らず、滅多に人に出くわさないような山道で
とぼとぼと一人で歩いてくる、ネクタイを締めたサラリーマンに出くわす方が
よほど不安の感じるのではないかと・・・

hg

どちら側の立場かによって都合よく展開できそうですね。

satoshi

>/突然遅い/突然襲い/

ご指摘ありがとうございます。修正しました。

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