iPhoneが起こしている小さなひずみ
2007.08.23
モンタナから帰ってきた息子のために携帯電話を買いにAT&Tストアに行ったのだが、そこでiPhoneが起こしている小さな「ひずみ」を発見したのでここで報告。
私:息子のために新しく携帯電話を買ってあげたいんだけど、どうせ貯金をためたら自分でiPhoneを買うだろうから、まずはテキストメッセージができるシンプルな機種が欲しいんだけど。
店員:MotorolaのRazrはどうでしょう。定価は$250ですけど、二年契約していただくと無料になります。
私:でも、二年経つ前にiPhoneに切り替えると思うんだけど。
店員:大丈夫です。いつでもiPhoneに切り替えていただけます。
私:でも、iPhoneを使うには新たな二年契約が必要なんじゃないの?
店員:いえいえ、iPhoneに切り替えた時点から契約を二年延長していただければ大丈夫です。
私:ってことは、来月にでもすぐ切り替えてもオッケーってこと。
店員:はい。
私:でも、普通二年以内に機種変をすると高くつくよね。
店員:だいじょうぶです。普通、機種変を早くすると高くつくのは、新機種の割引率が低くなるからなんです。iPhoneの場合、そもそも割引がないので高くなりようがありません。
私:???
すでにお気づきの方もいると思うが、これはとても変な話である。二年契約をするからこそ、その契約獲得に帯する報酬として払われる販売奨励金によって本来$250のRazrが無料で手に入るわけで、それを二年以内にiPhoneに機種変されてしまうと、販売奨励金が無駄になってしまうのだ。こんな「ひずみ」が生じているのは、iPhoneという販売奨励金による割引が付帯しないにも関わらず二年契約が必要、という異常な機種が混在して売られているからである。
まあ、この手の「ひずみ」があると、必ずその隙をついて金儲けをしようとする人が出てくるので、そのうちこれも塞がれてしまうだろうが、販売奨励金が携帯電話の購入者に還元されずにAppleの収入になる、という例外中の例外なビジネスモデルがあるかこそ存在するこの「ひずみ」。日本にiPhoneが上陸するときには、一体どんなビジネスモデルで提供されるのだろうかと今から楽しみだ。その前に、Appleが提示するだろう強引な条件にドコモの人の顔がひずむかも...