今日のジョーク: ブランド好きの男の話
プレゼン初心者が覚えておくべき3つのポイント

ジョブズの本当の偉大さは彼が引退してから分かる

 University Washington での Executive MBA プログラムの集中授業が始まった。予想通り、授業は基本的に講義ではなく、ディスカッション形式。予習を十分にしていかなければ、発言できないどころか、他の人が何を話しているのか分からず、全くついて行けない。

 最初の「Teamwork & Managerial Effectiveness」はまだたいしたことはなかったが、午後の「General Management & Strategy」は、まさに「消防車のホースに口を付けて水を飲む」という表現がぴったりの授業。常に脳みそを全開状態にしておかないと話についていけないし、次々に質問を投げかけられるので、まったく気を緩められない。

 会議にしろ授業にしろ、出席するのであれば最大限に参加しなければ損というポリシーの私にはピッタリのスタイル。アドレナリンを上げっぱなしの3時間というのは、なかなかできない体験。

 授業の最後の方に、「企業が持つことのできる最も価値の高い差別化要因は、パテントとか商品・サービスそのものではなくて、そういったものを組織だって作り出す能力そのものにある」という話に及んだ時に、私がポケットからiPhoneを取り出して、「アップルがこんなにすばらしいものを作れるのは、本当に組織の力か?ジョブズがいるからこそ作れるんじゃないのか」という質問をしてしばし討論に。

 最終的には、「ジョブズが本当に偉大なCEOであれば、(ジャック・ウェルチのように)彼がいなくなっても引き続きすばらしいデバイスを作り続けることができる組織を作ってから引退するはず」という結論で決着。まさに期待していた通りの刺激的な授業であった。

Comments

hoshino

6行目のStretegyはStrategyでしょうか。

satoshi

>6行目のStretegyはStrategyでしょうか。

ですね。ご指摘ありがとうございます。

eakas

現地の人には、この授業を見学出来るチャンスがあったりするのでしょうか・・・?(汗)

とても興味があります。

satoshi

>現地の人には、この授業を見学出来るチャンスがあったりするのでしょうか・・・?(汗)

 入学希望者であれば見学は可能です。私も昨年一つ授業を見学させてもらいました。

http://bschool.washington.edu/emba/

から、"Schedule a class visit" をクリックすると申し込み方法が書いてあります。

eakas

> から、"Schedule a class visit" をクリックすると申し込み方法が書いてあります。
なるほど。ありがとうございますOrz

> そういったものを組織だって作り出す能力そのものにある
それは例えば日本の企業を例に挙げるとトヨタなどでしょうか?

> アップルがこんなにすばらしいものを作れるのは、本当に組織の力か?
アップルはジョブス帝国と言われるだけあって、やはり強烈なアイデンティティとヴィジョンを示せる人がリーダーシップを振るわないといけない気がしますが、その後継者探しは難しそうですねXD

sigmund

Apple製品が大好きですが、やはりジョブズが去った後のAppleが心配になってしまいます。
あんまり強烈な個性を持ったCEOを持つのも、ひとつの問題かと…。
しかし、ジョブズが真の素晴らしいCEOであれば、大議論の末の結論である、「ジョブズが本当に偉大なCEOであれば、(ジャック・ウェルチのように)彼がいなくなっても引き続きすばらしいデバイスを作り続けることができる組織を作ってから引退するはず」ことを望みます。

st

想像なんですが、ipodやiphoneのアイデアはジョブスと数人が会議で話している時に浮んだんじゃないかと。ディスカッションからアイデアが生まれる事が多々あるのでは。

haru

ジャック・ウェルチは素晴らしい経営者です。松下幸之助も奥田会長も。でもジョブズはたまたま経営者であるからこそ彼の組織が輝かしい製品を送り出せるているって感じで。なんというかジョブズ=芸術家、ウェルチ=経営家で、ジョブズに経営家を期待をしない方が自然と思います。同列におく必要は無いような。

PrimeTime

(1)米Businessweek誌(2007年6月27日)によると、iPhoneはスティーブ・ジョブズのリベンジを意味しているという。1990年代、アップルはコンピュータのメインストリームから外された・・・・。
(2)アップルの経営スタイルの詳細は理解していない。しかし、ジョブス氏という人物とは、5万マイル上空から「地球全体」で起きていることが理解できて、しかも、地上で起きていることを理解し、実行ステージまで導くために、現場のひとと一緒になって意見交換している・・・・と聞いたことがあります。

PrimeTime

誤:5万マイル上空、正:5万フィート上空
昨日、米国より帰国したため時差ボケにてご迷惑お掛け致しました。
ジョブス氏は、5万フィート上空から世の中で起きていることが理解できている・・・・?!

rintaromasuda

一度ジョブスはAppleを離れている訳ですけれど、そのときのAppleの低迷はディスカッションの中ではどの様に扱われていたのでしょうか。

PrimeTime

rintaromasudaさん、自分は次のように考えております。
当時でさえ、米アップルのMacや米IBMのThinkPadに対して、熱狂的なユーザーは存在していた・・・・。けれども、米MSと米インテルのPCエコシステムの勢いは、予想以上に大きく、かつ、早いスピードで成長していた。ムーアの法則に従い、CPUの性能は18カ月から2年ごとにパフォーマンスが約2倍になった。さらに、Windowsを中心に、多くの利用可能なアプリケーション(ISV)が多数に拡大していた。なぜ、アップルが低迷したのか・・・・おそらく、ジョブス氏は、Macの利用者は理解していたけれども、PCの消費者ニーズを把握し、アップルの次なるビジネス判断に時間を要してしまった。当時、アップル社内では、アップルにカリスマは要らない。コスト・パフォーマンスが高く、大量生産できる商品を作る経営方針へと大きく舵を転換していたはず・・・・?! けれども、消費者はジョブス氏の復帰を強く要望した・・・・なぜか?! おそらく、カリスマが去った後も、カリスマの復帰を心より期待する熱狂的なユーザーが存在していたから・・・・彼らは、PC隆盛のなかでMacを使い続けていた・・・・。

iけがわ

宮崎駿とJobsの違いはどこから来るのでしょうか?
去ったあとの評価として、
「いなくなったらジブリは無くなる」と言われる宮崎駿と
「いなくなっても・・・組織を作ってから引退するはず」と言われるJobs。

二人に違いが出るのはなぜでしょうか?

humu

部外者ですが・・

>> > そういったものを組織だって作り出す能力そのものにある
>> それは例えば日本の企業を例に挙げるとトヨタなどでしょうか?

TOYOTAというよりミツオカでしょうか
TOYOTAは社長が変わったりしてるけど組織としてまったく変化してないですし,
先進的なものは何一つ生み出してないですよね,デザインもいろいろパクッてるし

humu

連投になっちゃうんですが,「iCon」「アップル」「アップル薄氷の500日」などを読むと
以前のジョブスがどういう人で現在がどうなのかよく分かると思います

復帰する前のジョブスはお世辞にも組織のリーダーとして適正があるとはいえない人でした
いわゆるお山の大将というかボスザル
年を取ってかなり丸くなったのがより良く作用してるようです

ちなみにiPod も iMacも前任者時代からあった発案で発売されたのがジョブスの時代なだけです
デザイン面ではジョブス魂は入ってますけどね

any

宮崎駿とJobsの話をするなら
ジブリとアップルでなく、2馬力とピクサーで話すべきかも。
とは言え、ピクサーも今やジョブズ無しでも回るシステムを
組み上げてる感じですので、やはり宮崎駿とは違うかと。

極端な話をすると宮崎駿は映画を作りたいから会社を作っただけで、
(ナウシカの漫画を描いたのも同様)それ以上の事は考えてないかと。
宮崎駿は芸術家である。単にそれだけという事だと思います。

通りすがり@関西人

ジョブズの話が出てくると、以下の内容を思い出します。
時代は変わりましたね。

http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2006/0711/mobile348.htm

PrimeTime

<< 「いなくなっても・・・組織を作ってから引退するはず」と言われるJobs。

iけがわさん、回答になっているか分かりませんが、下記より、元アップルのエバンジェリストであるGuy Kawasaki氏の『The Art of Innovation』がアクセスできます。

私見になりますが、ジョブス氏が創りあげた『メイク・ドラマ』は圧倒的な存在感であった。かつて、ビジネス界で隆盛を極めた人物が、表舞台から去った後で、再度、同じ舞台に、しかも、以前の自分が作りあげたブランドを冠して復帰してきたのです・・・・そんなビジネス・シーンを誰が想像されたでしょうか・・・?!

3年前、アップルのiPod部門幹部は「iPodのイノベーション」に冠する質問に対して、次のように回答しています、『最終的には、CEOであるジョブス氏が決断した・・・』と。

ジョブス氏が素晴らしい組織を残すか否か分かりません。しかし、いま、彼は自分の思いを製品に実現するために、組織の鍵を握る部分に、『ひと』『人財』『個人』を中心にした最適チームをつくり上げているのではないか、と予想されます・・・・?!

* The Art of Innovation(PrimeTime) : http://www.primetime.jp/news/search.php?search=innovation&tag=true

樋口 理

> 「ジョブズが本当に偉大なCEOであれば、(ジャック・ウェルチ
> のように)彼がいなくなっても引き続きすばらしいデバイスを作
> り続けることができる組織を作ってから引退するはず」
"Built to last"ですね。Time TellerであるよりもClock Builderであれ、と。

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