未来の買い物は "finger tip shopping"!?
ユーザーに尋ねても必ずしも正しい答えは返ってこない

民意とブッシュ政権の意向の間に板挟みになっていれば、誰でも胃が痛くなる

 アマゾンでアフィリエイト広告を出していると、自分が紹介した本がどのくらい売れたかというのが分かるのだが、その売り上げレポートの中には私が紹介していない本も半分ぐらい混ざっている。その中で気になる本があると、今度は自分のために注文したりする私である。ちょうど今日、そうやって注文したのが「拒否できない日本」という本。安倍総理の引退声明を読んでいて感じていた違和感に答えをくれそうな本だ。アマゾンのページにある読者からのコメントもなかなか興味深い。

 ちなみに、私が安倍総理の引退声明を読んで感じた違和感とは、「安倍さんはいったい誰のために働いているんだ?」ということ。小沢さんから言われなくとも、「テロ対策」を最優先課題にすることを国民が望んでいないことは選挙の結果からも明確。それにもかからわず「テロとの戦い」という言葉を何度も繰り返す彼を見ていると、彼のメッセージは国民に向けてのものではなく、ブッシュ政権に向けてのものに見える。

 別の言い方をすれば、安倍さんが辞任したのは、ブッシュ政権に対して彼が「政治生命を賭けてでも通す」と約束していたテロ対策特別措置法の延期を自分の力で通せる見込みがなくなったから、としか思えないのだ。本来ならば国民のために働いているはずの総理大臣が、まるでブッシュ政権の下僕のように、ブッシュ政権の望む方向に国を持って行けないから責任を取って辞任する、という図はいささかショッキングであった。

 安倍さんは機能性胃腸障害で入院したそうだが、これだけ激しく「民意」と「ブッシュ政権の意向」の間に板挟みになっていれば、誰でも胃が痛くなる。一方のブッシュもアメリカ国内では今や批判の対象で、今のイラク政策が(アメリカ国民の)民意を反映しているとはとうてい思えない状況。その意味ではブッシュもかなり胃が痛いはず。このままの勢いだと、次の大統領は民主党から出ることになり、イラクからの撤退はほぼ必須。次の自民党総裁はよほど舵取りを気をつけないとブッシュ政権と心中することになる。そう考えると、政権交代前に「小沢・(ヒラリー)クリントン会談」を実現するというのも面白いかもしれない。日本のテレビ局もそのくらいのエンターテイメントを演出する力を持っていれば見直すのに...

Comments

き

そもそもおじいちゃん自体CIAのエージェントになった事で首相になれた人でしょ。
http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/e/56ee249a328203389229cf44e67f7349
その辺の呼吸は肌身にしみてるんじゃないでしょうか。辞任会見も完全にアメリカ様を向いてましたね。
半世紀日本を支配し続ける自民党はCIAから、そして野党第一党だった社会党はソ連から資金援助なんて右を向いても左を向いても売国奴ばっかりの国。美しすぎる。

SergejO

>それにもかからわず「テロとの戦い」という言葉を何度も繰り返す彼を見ていると

同感です。

この手のアメリカの行動は、日米構造協議(←これも訳が意図的になにかを隠している例でしょう)の時から、経済学で言えば伊東光晴氏、法学で言うと石黒一憲氏などが警告を出しているものの、世間には響かずというところです。

伊東光晴『日本経済を問う—誤った理論は誤った政策を導く』
http://www.amazon.co.jp/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E7%B5%8C%E6%B8%88%E3%82%92%E5%95%8F%E3%81%86%E2%80%95%E8%AA%A4%E3%81%A3%E3%81%9F%E7%90%86%E8%AB%96%E3%81%AF%E8%AA%A4%E3%81%A3%E3%81%9F%E6%94%BF%E7%AD%96%E3%82%92%E5%B0%8E%E3%81%8F-%E4%BC%8A%E6%9D%B1-%E5%85%89%E6%99%B4/dp/4000242431/ref=sr_1_2/249-9916338-6526731?ie=UTF8&s=books&qid=1189732284&sr=1-2
石黒一憲『法と経済』
http://www.amazon.co.jp/%E6%B3%95%E3%81%A8%E7%B5%8C%E6%B8%88-%E7%9F%B3%E9%BB%92-%E4%B8%80%E6%86%B2/dp/4000262637/ref=sr_1_4/249-9916338-6526731?ie=UTF8&s=books&qid=1189732793&sr=1-4

これらの本はネットではあまり話題にならないのですが、常々もう少し普及してもよいだろうと思っています。

対アメリカでは、当時の通産相はがんばっていたはずですが、どうしてそれが続かなかったのか、市井の者として知りたいところですが、そのあたりを書いたものは見たことがありません。

アメリカは”自由化・民営化”の美名の元にいろいろ都合良く実施するために、日本の左翼もアメリカに呼んで”啓蒙”していたなどとも聞きます。

hg

>日本のテレビ局も
おもしろそうですが各方面からの圧力みたいなものがかかって温度が上がりそうですね。

Naotake

すでに面白いネタがある時には無理にネタを探さないのが日本のテレビです。

st

小泉時代、官僚が天皇に「これからは国際社会でアメリカと共にやって行きます。」天皇は「それで良いが、日本にも良い所があるので、それは捨てないように」と言ったと週刊誌で読みました。この方向は誰が総理になっても変わらないと思います。自民党が駄目になったのは年金や医療をないがしろにして来たのが分かったからだと思います。

aenigma

安倍首相辞任についての論評をネットでいろいろ探したのですが、日米関係との絡みについては、ここの分析がなかなか興味深かったです。

http://facta.co.jp/blog/archives/20070913000507.html

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