Haloを作ったBungie StudioがMicrosoftからスピンアウトした件について
2007.10.11
XBox360がそもそもパッとしない日本では大したニュースではないのかもしれないが、発売後わずか1週間で$300millionを売り上げたHelo3はこちらでは大きなニュースだ。先日も、スポーツクラブで「Halo3が楽しくて」と隣で話している人を見ると初老の女性二人。どうみても「典型的なゲーマー」ではない。
しかし、Helo3の売り上げよりも業界を驚かせたのは、ほぼ同時にアナウンスされた、Haloを作ったグループ「Bungie Studio」がMicrosoftからスピンアウトするというニュース。
Bungie has 113 employees. Evan Wilson, a video game industry analyst with Pacific Crest Securities, said that leading employees of Bungie had bought out majority ownership from Microsoft. “Bungie and Microsoft clearly had different creative directions,” Mr. Wilson said.
【Halo Games Maker to Be Independent of Microsoft - New York Timesより引用】
予想するに、Halo3のリリースとともにLockup期間が過ぎたBungie Studioの連中をつなぎ止めておくことが出来なくなったMicrosoftがやむなく彼らの独立を認めざるをえなかった、というのが真相だろう。
戦略的な買収がさかんな米国では、買収時に「二年間」とか「次のプロダクトのリリースまで」という条件で、キーとなる従業員を必ずLock-upする。Lock-upと言っても、鍵をかけた部屋に閉じ込めるわけではなく、買収時に彼らが受け取るはずのお金(もしくはMirosoftの株)の一部をLock-upの条件が終わるまで渡さずに「保留」しておく、という手法である。
Lock-up期間中に買収したメンバーがうまく親会社の一部として機能するようになっていれば問題はないが、Bungie Studioのように独立したビジネスユニットのように運営されて来た場合、おうおうにしてLock-up期間が終わって「保留」されていたお金なり株を受け取ったとたんに主要なメンバーが辞めてしまう、ということは日常茶飯事。Lock-up期間が終わってまで会社に残っていると「どうして残っているの」と不思議がられるぐらいだ。
日本人の感覚では理解できないかも知れないが、Bungie Studioの主要なメンバーが、Halo3の発売前に「俺はHalo3を出したら辞めるつもりなんだ」と大っぴらに発言したりしていたことは十分に想像できる。それは往々にしてまわりの人に対する「お前も一緒に来ないか?」という暗黙のシグナルだったりする(大っぴらに人を引き抜くことは出来ないが、相手が「俺も一緒に辞める」と言ってくる分にはかまわない)。そんな風にBungie Studioから人が次々にいなくなってしまい、Halo4が出せなくなるぐらいなら、スピンアウトさせた上でしばらくはXBox向けにHaloを作り続けてもらった方が良い、とMicrosoftとしては判断したのだろう。
抜け目のないMicrosoftのことだから、「Halo4と5はXBox360のみに出す」ぐらいの付帯条件をつけてスピンアウトを認めたに違いない。Bungie Studio側としては、その程度の条件を飲もうとも次のHaloからは大半の利益を自分たちのものに出来るとなればそれぐらいのリスクを背負っても当然、とう判断だろう。
haloを作った人はheroだ?
Posted by: hg | 2007.10.11 at 20:50
HaloはHalo3でシリーズ完結ですので、4や5の心配はしなくていいと思います。だからこそ、やめたんではないかと…。
(リメイクやスピンアウト作品を出しまくると話は別でしょうが…)
Posted by: Tsukihito | 2007.10.11 at 22:19
Age of Empires(同じくMS GAMES)のチームがHaloのシリーズを作ってるという話があるので、オリジナルスタッフにHalo関連ソフトを作って欲しいでしょうね。
あちらのゲーム会社は一本ヒットがでるとそのプログラム部分をそのまま使って別製作チームを立て拡張パックや続編を作り、オリジナルスタッフが続々編を作ったりすることが多いですね。
当たり前だけと、パブリッシャにとってはヒットゲームの続編は金のなる木であって内容は単純なグレードアップでかまわない。しかしオリジナルスタッフにとってはそうでない。ゆえにとりあえず続編はそこそこ力のあるところにさっさと作らせてしまうと。
日本とは続編やオリジナリィに対する考えかたが異なるのだなと思います。ただ、確実にビジネスに対する感覚は鋭敏ですね。
Posted by: nonbug | 2007.10.13 at 13:35
UIEのCEOもロックアップピリオドが過ぎたら、次の周回に入るべきです!!
アーキテクチャがビジネスとして案件として結実するのにまだ時間がかかる?!
Chief Architectとしてはそうかもしれないけど、完成させるところまで見届けたいかもだけど、FounderとしてEntrepreneurとしてはロックアップ過ぎたら次の周回に入るのは社会への義務とも言えますぞ。
CEO候補、適当なの早く見つけなはれ。
Posted by: ぶらりん | 2007.10.15 at 20:43