世界最小のRIAプラットフォーム!?
2007.10.01
CEATEC Japanが今日(10月2日)から幕張メッセで開かれるのだが、そこに会わせてUIE Japanとユビキタス社が共同で発表したのが、ユビキタス社のプロトコルスタックの上にUIEngineを直接乗せた組み込み機器用のRIA(Rich Internet Application)開発環境。
そもそもまだまだ「ネット家電」のマーケットが立ち上がっていない段階なのでピンと来ない人も多いとは思うが、「冷蔵庫のドアの液晶から、LCD付きのクリスマスカードまで、すべてのデバイスはネットに繋がる時代が来るはず」とのビジョンを持つUIEvolutionとしては、Embedded LinuxですらOSとしては大きすぎ、ブラウザーやFlash liteがRIAのプラットフォームとしては重すぎるという組み込み機器市場に、小ささ・軽さで定評のあるユビキタス社のプロトコルスタックを組み合わせて「どんな競合製品よりも小さくて軽い」プラットフォームを提供する戦略的意味は大きい。
ここ10年ばかりは、日本の家電メーカーはμ-iTronからLinuxへと大きく舵を切ったが、本来向上するはずだった開発効率が必ずしも向上しておらず、Linuxのブートの遅さや大きさに悩んでいる開発担当者の方も多いはず。μ-iTronの軽さを持ちながらもスクリプト言語でのネット家電のUIが構築できるという今回のユビキタス社との共同提案、OSやブラウザーがどんどんと肥大化している今の時代に、あえて逆に「小ささと軽さ」で勝負というところに価値があると思うのだが、いかがだろうか。
携帯電話の例でイメージしますと、クレジットカードサイズのiPhoneの様な、小さくてエレガントな端末で、電話やメール、サイトや動画の閲覧はもちろん、家庭にあるテレビや冷蔵庫、エアコン、洗濯機、カーナビなどをどこからでも操作できる様になるということですよね?
そうなってきますと、コンテンツの開発効率や再利用効率、ひいては情報産業全体の生産性が飛躍的に高まりそうな予感です。何しろ、デバイスは同一のコンテンツに対する「覗き窓」的な存在でしかなくなってきますから。
ネックとなってくるのは、アクセス集中等による遅延の問題、3D表示など表現力上の限界、個人情報や機密情報に対するセキュリティやそもそもネットワーク上にその様な情報を置きたくないという使用者側の既存価値観などでしょうか。
Posted by: Dyun | 2007.10.01 at 22:08
>何しろ、デバイスは同一のコンテンツに対する「覗き窓」的な存在でしかなくなってきますから。
おっしゃる通りです(細かく言えば「コンテンツ」を「サービス」に置き換えた方がもっと良いと思いますが)。そんな世界では、同時にさまざまなデバイスがサーバーとしても機能するようになり、(セキュリティの問題さえ乗り越えれば)あらゆるデバイスから世界中のどのデバイスの提供するサービスにでもアクセスできるようになります。
そんな世界の実現のためにはさまざまな技術やビジネス上の問題を解決しなければならないのですが、その時に「遠隔でユーザーインターフェイスを実現するための仕組み」を「軽く、小さく、かつネットワークの遅延を感じさせないように非同期通信機能を最優先して作ったプラットフォーム」が必要だろう、というのが私の考えです。
Posted by: satoshi | 2007.10.01 at 22:40
うっ、先を越された・・・?w
DLNAのコンセプトは賛同者が多いのに、
なぜ普及がすすまないのか。
阻害要因の一つはUIだとずっと思いながら
仕事しているですです。
Posted by: bearcat | 2007.10.01 at 23:10
サーバが提供する機能に大きく依存するエコシステムなのにUIがクライアントの作りで決まってしまうんですよね。
もう一つはXMLパーサでしょうか。いっぺんきちっとしたのを作ってしまえばよさそうなもんですけど。 > DLNA
Posted by: すずき | 2007.10.02 at 04:50